第26話 答え合わせ
「でもまだ、なぜルージュにルビーを贈られたのか、お聞きしておりませんわ。」
唇が離れて開口一番、アリスが発したのはそれだった。2人が両想いだったことは分かったが、それだけは腑に落ちない。これから本物の夫婦になるにあたって、もやもやすることを有耶無耶にはしておけない。
「それはだな……。……今から私が言うことを、怒らないで聞いてくれるか?」
「わたくしが怒るようなお話なのですか?」
「いや、うーん。正しくは、怒ってもいい。しかし、軽蔑されたくない。」
「軽蔑するようなお話なのですか?」
「……軽蔑するか呆れるか怒るか。どれかだと思って居る。」
「分かりました。では、心して伺います。」
「ははっ。」
ヴィクトルは苦笑した。「そんなことはありません」と言ってくれないアリスの厳しさに。そしてまた、「そんなところも素敵だ」とアリスに惚れ直してしまう自分に。
「……初めて会ったときから、貴女を好きだと言ったが……。ことの発端はそれなんだよ。」
「どういうことですか?」
「貴女もよく知っているように、私はバルバラと結婚することになっていた。」
つきんとアリスの胸の奥が痛んだ。故・バルバラ妃とヴィクトルは、それはもう仲睦まじい夫婦だったと皆が口を揃えて言う。
「……わたくしと陛下が初めてお会いしたのは、わたくしがまだ14の頃です。陛下とバルバラ様は相思相愛だったと。」
「いや。実はそうではなかったんだ。私はアリスに恋をしてしまったし、バルバラは他に好いた相手が居た。」
「え?!」
衝撃の事実に、アリスは思わず大きな声をあげた。共に王妃教育を受けていたバルバラに、そんな素振りは微塵も感じられなかったからだ。
「私はアリスに恋をしたことを、正直にバルバラに話をした。すると、バルバラの方から話を持ち掛けられたんだよ。“結婚して一定期間が過ぎたら別れる”という契約をね。」
「では、お別れになる前にバルバラ様がお亡くなりになったのですか?」
「いや。彼女は今も生きている。生きたまま別れることは無理に等しいから、病気で亡くなったことにしたんだよ。」
アリスの喉の奥がひゅっとなった。まさか、パストゥール王国最大のスキャンダルが隠されていようとは思わなかったからだ。
「バルバラのときに側妃を迎えなかったのは、アリスと結婚するためだったんだ。」
「ど……。」
「ど?」
「ドン引きですね……。」
重すぎるヴィクトルの愛を、アリスはどう受け止めたらいいのか分からない。まさかそこまで好かれているとは思ってもみなかったのだ。
「……ははっ。まあね。だけど、アリスを王妃に向かえるにあたって、反対の声はさほどなかった。王妃が不在であることの方が、御子が居ない国王にとっては不利だからね。そこまでは良かったのだけれど、バルバラが亡くなったことにした分、側妃も迎えなければいけなくなった。」
「まあ、そうでしょうね。」とアリスは思った。
「それでまた、小細工をしたんだ。」
「小細工?」
「側妃の顔を見えないように徹底していただろ?あれってどうしてだと思う?」
「?」
アリスは首を傾げる。
「町娘だからじゃないのですか?」
アリスの答えに、ヴィクトルは楽しそうに笑った。それはもう、いたずらっ子のような表情で。アリスはからかわれているような気持ちになり、むっと頬を膨らませる。
「ああもう、貴女はなんて可愛い人なんだ。」
するとヴィクトルは、優しくアリスの両頬を包んで、アリスの頬を萎ませた。
「実は側妃3人共、貴女がよく知る人なんだよ。それさえ分かれば、ルージュのルビーの謎も解ける。」
「わたくしがよく知る方、ですか?」
「ああ。そうだなあ。まずジョーヌから考えてみようか。」
ジョーヌは黄色の間の側妃で、最初に体調を崩した。
「酒場の娘と伺っておりましたが……。」
「そうだね。でもそれは全くの嘘なんだ。ジョーヌが体調を崩してから、誰が城にやってきた?」
ヴィクトルからのヒントにアリスは考えを巡らせる。ジョーヌと面会できなくなってからすぐに城へとやってきた人物といえば……。
「……まさかですけれど……ミシェル様に関連した方ですか?」
「そのまさかだね。しかも、関連ではなく本人だ。」
アリスは口を開けて絶句した。淑女としてはしたなくあるまじき行為だと分かってはいるものの、そうせずにはいられなかった。
「姉上にだけ少し早めに王城入りしてもらい、側妃になりすましてもらったんだ。つまり、顔を隠したのは町娘だからじゃない。私とアリスの結婚計画の協力者だからなんだ。」
「だ、だから基本的には誰とも会わないということにしたのですか?!」
「そうだ。ジョーヌが姉上だったとなると、あとの2人も分かってくるだろ?そうだなあ。ルージュはもう誰なのか、検討つくんじゃないのかな。私には姉妹があと1人だけ居る。」
そこまで言われたら、もう答えを言われたようなものだ。
「……まさか、マリー殿下がわたくしと直接お話をなさらなかったのって……。」
「そうだ。マリーは声でバレるだろうからということで、扇を使うことになったんだ。」
開いた口が塞がらないとは、まさにこのことだ。
「それならそうと、仰ってくださればよかったじゃないですか!」
「マクシミリアンにもマリーにも何度も同じことを言われたよ。元々、私とアリスの間に御子ができれば不要な存在であるからな。先に貴女へと説明しておけば、良きタイミングで側妃の一掃もできた。しかし……。」
「しかし?」
「……できれば、貴女に私を好いてほしかったのだ。無理矢理、結婚させてしまったようなものだからな……。私の気持ちまで押し付けたくなかったのだ。」
アリスは目が点になった。外堀を埋めて結婚をしておきながら、なんと拗らせているのかと。しかし、アリス自身も拗らせていることを思うと、つい笑みがこぼれた。
「……なんで笑っているのだ。」
「ふふふっ。だってわたくし達、おかしくありません?拗らせに拗らせて……。ルージュのルビーのネックレスだって、マリー殿下が陛下に買っていただいただけなのに。」
あの月の夜のことだって、ルージュとヴィクトルが笑顔で庭を散歩していたのも、その正体がマリーであるのなら説明がつく。
「あれは、アリスにダイヤモンドを見立てる代わりに、強請られたのだ。しかし、まあ、なんだ。私たちは初めから、お互いの気持ちを確認すれば良かったのだな。」
「ええ、そうですよ。それができなくて周りを巻き込むなんて。」
初恋の拗らせ具合に、ヴィクトルもアリスも声をあげて笑った。
「それで。ヴェールはどなたなのですか?」
一頻り笑った後、アリスは最後の答え合わせとばかりに質問を投げかけた。ミシェルとマリーを除くと、他に協力できそうな者は思い浮かばない。母親のコラリーも居るが、さすがにそんなことはさせられないだろうと思う。
「死んだはずの彼女だよ。」
「ええっ?!ば、バルバラ様ですか?!」
「ああ。今回の側妃計画をお願いしたときに、最もノリノリだったのは彼女だ。」
「じゃあ、ヴェールと面談をしたときに、バルバラ様の面影を感じたのは……。」
「ああ、やはりなんとなく感じていたか?まさしく本人だからだな。」
「なんと……。いえ、やはりというか、なんとまあ。あれだけの所作をできるのは、町娘にしてはと思っておりましたが……。まさかバルバラ様だったとは……。」
顔は見えなかったものの、緑の間の側妃と在りし日のバルバラを思い浮かべる。そうすると、アリスの瞳から一粒の雫がこぼれた。
「アリス?」
「い、いえ……。バルバラ様がお元気で、本当によかったと……。」
アリスとバルバラは、姉妹のようにして育った。それゆえに、亡くなったと発表があったときには、ヴィクトルとバルバラが結婚したとき以上に枕を濡らしたのだ。
「……私とバルバラの勝手な計画で、たくさん悲しい思いをさせてすまなかった……。」
アリスの瞳からこぼれる粒を、ヴィクトルが優しく親指で拭う。
「いえ。……バルバラ様は、今、お幸せですか?」
「そうだなあ……。どうだろう。本人に聞いてみようか。」
「え?」
ヴィクトルがアリスの背中の方向を指さしたので、アリスもそちらに顔を向ける。するとそこに立っていたのは、今でも輝きを失わない金色のウエーブの髪の毛を靡かせた彼女が一人の騎士と共に立っていた。
「バルバラ様……?」
アリスが声を震わせると、バルバラは眉毛をハの字にしながらも、ゆっくりとこちらへと近づいてきて、大きく手を広げた。
「アリス。」
「バルバラ様!」
アリスはバルバラの腕の中へと飛び込んだ。何年振りだろうか。こうして、なんの隔てもなく、彼女の腕の中に飛び込んだのは。
「アリス。わたくしのわがままに振り回してごめんなさいね。」
「いいのです。バルバラ様がお元気だっただけで。……ああ、こんな嬉しいことがあっても良いのでしょうか。」
「わたくしも嬉しいわ。」
お互いがお互いの存在を確認し合うかのように、ぎゅうぎゅうと抱きしめ合った。アリスとバルバラがあまりにもしがみつきあっているため、ヴィクトルが横からこほんと咳払いをした。
2人はそれに反応して、少し気まずげにでも名残惜しむかのように体を離す。
「これは、これは。ルモワーニュ国王夫妻。わざわざこちらまでおいでくださり、ありがとうございます。こちらはわたくしの妻のアリスです。」
ヴィクトルがアリスを紹介したため、アリスは咄嗟に淑女の礼をとった。
「お初にお目にかかります。アリス=パストゥールです。」
「そしてこちらが、ルモワーニュ国王夫妻のアルフォンス国王とバルバラ王妃だ。」
「パストゥール王国の国王夫妻にお目にかかれて光栄です。アルフォンス=ルモワーニュです。」
「バルバラ=ルモワーニュです。」
バルバラの隣に立っていた騎士もバルバラも、ヴィクトルの紹介のもとに礼をとった。アリスは表情に出さなかったが、内心ひどく驚いていた。――まさか、ルモワーニュを建国した方とバルバラ様がご結婚されていたなんて!
「この度のレルカン国の残党との戦い、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」
「いや、貴方の謝罪の必要はない。こちらも、まだルモワーニュ国内がごたついているのは、想像の範囲内だからな。だからこそ、より一層の警戒が必要だったのだが、何分サブレ側がな。まあそれは、追々こちらから要求していく。」
「陛下の寛大なお心感謝申し上げます。また日を改めて、王城に参上させていただきます。」
「ああ。でも、城をそんなにあけたら大変だろう。落ち着いてからでよい。……それから、バルバラ殿下。惜しみなく協力を申し出てくださり、ありがとうございました。」
「あら。もう、よろしいですの?側妃の間で過ごすの、意外と楽しかったのですよ。」
あっけらかんと答えるバルバラの隣で、アルフォンスは「いい加減に帰ってきてくれ」という眼差しを向けている。色々な人に迷惑をかけたことを、アリスは心苦しく思った。
「わたくしと陛下のせいでご迷惑をおかけして……「アリス。」
アリスが謝ろうとすると、バルバラがそれを遮った。
「もとはと言えば、わたくし達が悪いのです。わたくしとアルフォンス様が駆け落ちをしたがために、こちらの国では王妃が死去したことにしなければならなかったし、アリスにも王妃の責を負わせてしまった。ですから、わたくし達がパストゥール国王夫妻のために尽力するのは、当たり前のことなのです。でももう、これで貸し借りは無しかしらね。」
バルバラはぱちりとウインクを飛ばした。いつまでたっても美しく愛くるしいバルバラに、アリスは思わずうっとりしてしまう。
「アルフォンス陛下、バルバラ殿下、本当にありがとうございます。」
謝るのをやめて、アリスは御礼を言った。すると2人共これでもかというくらいに目尻を下げて、アリスに温かい眼差しを贈った。
「ではそろそろ中に入ろうか。私もアルフォンス殿も、着の身着のままであろう。戦後処理を済ませてから、ゆっくりと時間をとろう。この後、サブレともやりとりをしなければならないからな。」
ヴィクトルが侍従を呼ぶと、セリアも一緒にやってきた。そして、ジケル侯爵領館で働いている従僕や侍女たちもやってきて、ヴィクトルとアルフォンスは湯浴みへ、アリスとバルバラは談話室へと案内された。
「陛下、よかったですね。」
戦後処理をしている真っ只中の執務室だというのに、ヴィクトルの隣にはにやにやしたマクシミリアンが居た。
「……なにがだ。」
「やっと王妃殿下と思いが通じ合ったのでしょ?」
さらににやにやするマクシミリアンに、ヴィクトルは居心地の悪さを覚える。
「……元から通じ合ってる。」
「そんなこと言って。誰ですか、外堀を徹底的に埋めていったのは。わたくしは最初から、さっさとアリスにお気持ちをお伝えになったらよろしいと申しておりましたのに。」
「だってそれは。アリスの気持ちを優先したいと言ったら、お前もブラシェール侯爵も了解してくれたじゃないか。」
「それは、わたくしも父上もアリスの初恋が誰なのか知っていたからですよ。」
今回の結婚計画にあたって、ことのすべてを知っていたのはマクシミリアン、ミシェル、クロード、マリー、アルフォンス、バルバラの6人だが、ヴィクトルの両親とアリスの両親も粗方のことを知っていた。そうでないと、この結婚計画は実現しない。
とりわけ、ブラシェール侯爵家に至っては、アリスのヴィクトルに対する気持ちも知っていた。だからこそ協力したと言っても過言ではない。アリスの気持ちがそこになければ、手離しで協力などしないからだ。
「……だったら教えてくれてもよかったじゃないか。」
「それは本人に確かめるものでしょう。アリスの気持ちを勝手に他人へと話すような拡声器ではございませんから。」
「私は他人じゃないだろう。」
「じゃあ、陛下のお気持ちを勝手にアリスへと伝えてもよろしかったのですか?」
「ぐ……。」
マクシミリアンの方がヴィクトルよりも年下だが、腹心の家臣というだけあって陛下を黙らせるくらいの能力は持っている。むしろ、ヴィクトルの弱味をたくさん知っているのは、マクシミリアンぐらいのものだ。
「ですから。おめでとうございます。本物の夫婦になれて、よかったですね。」
「……ああ。ありがとう。」
「マリー殿下にもご報告なさらなければなりませんね。」
「そうだなあ……。今度はルビー以上のものを強請られそうだな。」
「婿殿とかですかね。」
マクシミリアンの言葉に「ははっ。」とヴィクトルは苦笑をもらした。そして「きっとそうだろうな」とも思う。王妹殿下であるマリーが行き遅れているのは、ヴィクトルのせいでもあるからだ。
「あとは姉上とドナルド殿にも御礼をしなければならんなあ。」
「それは、サブレ国王への進言で十分なのでは?ブレソール殿下に退いてもらうか、あのへんてこりんな側妃を手離してもらうかのどちらかは、パストゥールというよりもサブレの国益になるのでは?」
ヴィクトルは腕組をして、「うーん」と唸った。
「そうなると、ブレソール殿の正妃と嫡子をどうするかという問題も出てくる。単純な国益とも言い表せんよ。」
「そうでしょうか。ルイ殿下はきちんと帝王学を学ばれており、12歳ながらもその才を表していると専らの評判です。フルール王子妃も非常に聡明で、今回の戦いの最中もサブレ内でルイ殿下と共にご尽力されたと伺っております。」
「……そうだよなあ。そこなんだよ、悩みどころは。」
「と、申しますと?」
「ブレソール殿に退いてもらった場合、継承権はルイ殿になる。しかし、フルール妃のお立場はどうなるか……。これが難しいところだ。」
「女官、というわけにもいきませんしね。」
「サブレは、フルール妃を失うことこそ国益を失うことになるぞ。」
「確かに。」
ヴィクトルとマクシミリアンは、2人で「うーん」と唸り合った。そこに、執務室の扉をノックする音が聞こえる。
「入れ。」
許可をすると入ってきたのは、アルフォンスだった。
「お茶を一緒にどうかと思いまして。」
「ああ。そうだな。少し休憩するか。」
執務机から腰をあげたヴィクトルは、ソファーへと移動してアルフォンスにもその対面に座るようにすすめる。マクシミリアンは、侍従が持ってきたティーセットを受け取り、茶の準備をした。
「今回の戦いでレルカン国の残党を一掃でき、ルモワーニュも平和へと大きく前進できそうです。」
「残党の処理は中々大変だろうからな。こちらも一役買えてよかった。」
「すべて、陛下のご尽力のおかげです。あのとき、陛下から進言いただけなければ、レルカン国を倒してルモワーニュ王国を建てることもできませんでした。」
「まあ、お前も一応は私の幼馴染だからな。」
苦笑いをするアルフォンスに、ヴィクトルは唇を尖らせている。
「会えて嬉しいと仰せになったらよろしいのに。」
湯気の立っているティーカップを、ヴィクトルとアルフォンスの前に起きながら、マクシミリアンがそう言った。
「な……!」
「大方、バルバラ王妃よりもアルフォンス殿下のことの方が気になっておいでだったのでは?お二人は唯一無二のご親友であられますから。」
「余計なことは言わんでいい。」
「またまた。」
アルフォンスの母親は、ヴィクトルの乳母である。ヴィクトルとアルフォンスは乳兄弟なのだ。ヴィクトルとマクシミリアンのやりとりに、アルフォンスは笑いをこらえている。
ヴィクトルは、ぎりぎりとマクシミリアンを睨んだ。しかしマクシミリアンはどこ吹く風というような顔をしている。呆れたヴィクトルは、アルフォンスに向き直った。
「……お前が無事にルモワーニュを建国してくれて、よかったと思って居るよ。」
「それを手引きしてくださったのが、陛下でしょうに。3年も前から私をレルカンに派遣したのは、陛下でしょう。」
「あの当時のレルカンは崩壊寸前だったからな。お前なら3年でできると思ったんだ。」
「陛下も人使いが荒いですね。」
「未だに人使いは荒いですよ。今はアルフォンス陛下の代わりに、わたくしが荒く使われております。」
「マクシミリアン殿は優秀だからですよ。」
「お褒め頂き光栄です。」
マクシミリアンも、アルフォンスに会えたのが嬉しかったらしく、饒舌に喋っていた。ヴィクトルも、そんな家臣の気持ちが分かっているため、多少の発言には目を瞑ることにした。マクシミリアンのことだから、この3人で居るとき以外に、軽口を叩くようなことはしない。
「そうだ。このタイミングで申しておきましょう。」
「なんだ?」
「なにかあったのですか?」
“ひらめいた!”とばかりにマクシミリアンが両手を叩いてそう言ったため、ヴィクトルもアルフォンスも興味が注がれる。
「我が妹は、パストゥール王国内の誰かに命を狙われているようです。そしてその者はもしかしたら、レルカンと繋がっているやもしれません。」
声色の変わったマクシミリアンの言葉に、ヴィクトルもアルフォンスも一瞬にして表情を変えた。
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