蒼の章第1節:武器屋
テストが終わると間違えたところを重点的に復習し、一通り終わるころには夕方になっていた。イアはいつも通り「ふしゅぅ~っ」と空気が抜けるような声を上げ頭がショート寸前だが、オネは一回限りのクエスト参加券の効果でこのまま夜まで授業を延長してもいいくらいに元気一杯。
今日の分の勉強も終わったところで次は明日のクエストに向けて色々準備を整える。
「さて……と、オネ~武器買いに行くぞ~」
「えっ?」
「いやえっ? じゃなくて、まさかモンスターと素手で渡り合うつもりか?」
まさかイオの口から武器を買っていいという許可が下りるとは思っていなかったのだろう、さっきまであんなに元気うきうきだったオネが混乱して動きがピタッと固まる。
オネがイオの発言の意味を理解するまでしばらく沈黙が続く。
「……あっ、そ、そうだよねっ! 武器必要だよねっ! 行こう行こう」
数十秒ようやくイオの言っていることが理解できたオネがパンっと手を叩きながら早口で同意する。
一度理解したつもりでもやはり違和感が残るのか、オネはベッドに腰かけ指を顎に当てると時折首を傾げながら武器という単語をひたすらぶつぶつと呟き始める。
「……うん! そういうことにしよう」
その後、頭が痛くなる前に無理やり納得するように手を一回叩き大きく頷くと元の元気な状態に戻り手早く外出の準備をして先に部屋を出ていく。
「今日は感情の上下が激しいな……ん?」
表情や精神状態がコロコロ変わるオネを見て楽しんでいるイオの背中にコツンッと何かが当たる。それがイアのおでこであると気づくのにコンマ一秒もかからなかった。
「…………」
「…………」
何も喋らないがイアの体はかすかに震えており精神が不安定になっていることが伝わってくる。
「どうした、イア」
「……イオ……なに考えてるの?」
黙り込んだまま一向に口を開こうとしないイアに穏やかな口調で問い掛けるとイアは呟くように答える。
「……なにって?」
「今日のイオおかしいよ。モンスター倒していいって言ったり、そのために武器買ったり……オネだけじゃない、イアもロク達もイオだって、モンスターが倒せないことは知ってるでしょ……なのに、なんで行かせるの……もしかしたら死んじゃうかもしれないんだよ?」
感情的になったり、真剣に向き合おうとしている時にみんなの名前を呼び捨てになる癖は相変わらずだ。
握る手がだんだん強くなっていることからも相当興奮していることが分かる。いつもゆるふわで、ほわんほわんしているイアがここまで感情的になるのも無理はない。それだけイオの言っていることが今までの行動や理念と矛盾しており、その目的も見えないのだから。
「……これはなイア、オネの為なんだよ」
「オネの……?」
「そう、今日のクエストはモンスターを殺すんじゃなくて今後モンスターを殺せないようにする為のもの。安心しろ、モンスターは殺させないし、逆にオネがモンスターに傷付けられることもない」
「……本当?」
今回は隠すつもりは微塵もない、今後の安全を考えればむしろ知っておくべき事。
百聞は一見にしかず、口で伝えるよりも初見で実際に見た方が効果が高いと判断しているイオは、今日のクエストを受けることにより得られる成果をあえて意味深に伝えることでイアオネの探求心を煽る。
イオの考えを聞いたことによりイアの声から興奮が消え落ち着いた口調に戻る。しかしまだ完全に不安を取り除けてはいないようで体は微かに震えている。
「信じられないか?」
「分からない……イオがそう言うなら、大丈夫だって思いたいけど……やっぱり、オネちゃんがモンスターと戦うのは……心配……」
ここがゲームなどの架空の世界ならイアもここまで心配はしないのだろう。
イアの不安の根底はここが現実だということから来ている。イアとオネは現実世界に生きている生命の命を奪うことが出来ない。これは単に生き物を殺すことが嫌いという事ではなく、宿命や運命といった概念的要素によるもの。街中で畜産廃止運動の演説をしている人や野生の絶滅危惧種を守ろうとしている人たちとは次元が違う、彼らは守ろうとはしていてもその気になれば殺すことが出来る、しかしイアオネの二人に関してはこの行動が生命の命を奪う結果に繋がっている場合仮に殺そうとしても未来が自動的に改変され殺さなかった又は殺せなかったという結果にしかたどり着かない。
分かりやすく極論の狩猟で例えてみよう。
人間の場合どんなに生き物の命を守ろうと尽力し結果を残している人でも銃を構えヘッドショットを決めれば動物を殺すことが出来る。
しかしイアオネの場合、銃を構えて完璧なベッドショットを撃っても、たまたま対象が頭を動かしか事により運良く当たらなかったとかどこからともなく飛んできた石に弾の起動を変えられたなどの何かしら弾が当たらなかった未来に都合よく改変される。
運命と言うよりそういう能力を生まれつき持っていると言った方が適切かもしれない。
そんな能力を持った妹が異世界のモンスターと戦って万が一のことがあったらと考えれば例えお姉ちゃんじゃなくても心配になる。
イアは隠し事をしている時に問い詰められるとすぐ顔に出るので、オネにバレるリスクを無くすために本当は詳細までは話さないつもりでいたが、このままイアの不安が増していくとそこから勘づかれそうなので少しくらいなら話してもいいんじゃないかと思えてきたイオ。
「……イア、絶対にオネに喋らないって約束できるか?」
「うん」
「悟られないようにできるか?」
「……うん」
一回目は覚悟を決めた目でまっすぐイオを見つめていたイアだが、二回目イオが念を押すと目を逸らし少し沈黙を置いてから自信無さげに返事をする。
「よし、やめとこう」
「なんで!?」
「だって絶対バレる」
「大丈夫だから、教えて」
「そういうのは一度でも隠し事が出来てから言いな」
「イ~~オ~~~」
イオに縋り付き子供のように駄々をこねるイア。
基本イオはイアに超絶甘々のシスコンだ、かと言って何でもかんでも許しているわけではない。今回のように秘密事項を確実にばらすと分かっている時など、結果的にイアの安全が損なわれる場合は甘やかし対象外となる。
「お兄ちゃんまだ!?」
バタンッっと勢いよくドアが開き、一向に降りてこない二人にしびれを切らせたオネが戻ってくる。武器屋はオネのクエスト行きたい意欲が高まるという理由で近づかないようにしていたので、場所を知らないオネに先に行っておくという選択肢は存在しない。
「悪い悪い、すぐ準備する」
「イチャついてないで早くして」と急かすオネにナイスタイミングと心の中で親指を立て強引に会話を終わらせる。バックパックから金額袋を取り出し、未だにイオに縋り付き頬を膨らまして不満そうな顔をしているイアをそのまま引きずりながら部屋を出る。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
この前短剣を買っていたオニワンの言う通り、酒場の右側の大通り(歩いてきた大通りの向かいにある大通り)を少し進んでいくと右側にひと際大きな建物が見えてくる。店の外には丁寧に案内板が出ており、一階が鍛冶屋、二階から四階が武器屋となっているのでおそらくここで合ってるだろう。上の階は二階に武器、三階に防具、四階にその他アクセサリー系とそれぞれ分かれており、一階あたりの広さもコンビニ二つ分くらいあるので品揃えもかなり充実していそうだ。ちなみにそういう魔法・魔術か技術があるのかどうかは分からないが、一階の鍛冶屋内は空気が揺れるほどの熱を帯びているのに対し店の外には一切熱風は漏れてこない。
「お~いっお兄ちゃ~ん? お〜〜〜い」
チート異世界だからそういう技術があってもなにもおかしくはないのか? 仮に技術があったとして……とイオが室内の仕組みについて考え始めたところで、オネがイオの顔の前で手を振って現実に呼び戻してくる。
「ごめんごめん、なに?」
「武器は何でもいいの?」
「ん? あぁ……うん、好きなの選びな」
何でも好きな武器を選んでいいと許可が出ると金貨袋を受け取り、まるでおもちゃコーナに向かう子供の様にオネは全力ダッシュで階段へ向かい一段飛ばしであっという間に駆け上がっていく。
「…………」
オネの姿が完全に見えなくなるとイアがイオの裾をギュッと握ってくる。イアはイオのことを誰よりも信頼しているからこそ今回の計画に一番疑問を持っている。何かよからぬこと考えてそうな……それに結局オネが大丈夫な理由は説明してもらえてない。
「心配なら無理やりにでも引き戻してきな」
「……でも……イオが何か考えてそうだったから……」
「俺はいつだってイアの味方だ、イアが本気で止めるなら俺も止めない。今からでも間に合うぞ」
「…………イオ一つだけ聞かせて……オネは明日、モンスターを殺すの?」
「断言する。それは絶対あり得ない」
「……オネは明日モンスターに傷つけられるの?」
「それも断言する。絶対にあり得ない」
「じゃあイオを信じる」
イアが予想する不安な結果を断言してまで否定したイオのおかげで不安も迷いもすべて吹き飛ばしスッキリした顔になったイアは二階への階段に向かう。
「……イア」
イアが階段の一段目に足をかけたところでイオが呼び止める。表情や口調はいつもと変わらないが、長年一緒に暮らしてきたイアには分かる。名前を呼んだだけのイオのその名前を呼んだだけの言葉には「こんなところに入って大丈夫か?」という意味が込められていることに。
オネは今回に限り武器を持っていて欲しいがクエストに否定的なイアはわざわざ入る必要は無い、オネが戻ってくるまで外で待っていればいい。
大量の武器を目にすることで地球で起きた悲劇をフラッシュバックさせようやく不安から開放された心をまた悲しみで満たすことになる。
イアは何も発さずただただイオを見つめる。
「……」
「……」
「……」
「……分かったよ、けどギブアップの判断は俺がするからな」
数秒の沈黙の後、まるでテレパシーで会話していたかのようにイオがイアの気持ちを理解する。言葉にするよりも沈黙の方が信頼度が高いとされているのか、イオイア間で真面目な話をするときはこういった光景がよく見られる。
イアは「うん」と短く返事をすると二階へ上がっていく。イオもそれに続きイアに付いて行く。
二階の武器コーナーには剣やハンマー、槍や杖、盾に弓矢、さらには重火器まで、見たことあるようなものから知らない武器、歴史的なものやファンタジー、テクノロジー系まで時空時系列ガン無視の武器がゴロゴロ売られていた。
オニワンは駆け出し冒険者におすすめの店と言っていたが、どう見ても初心者が扱うような代物じゃないモノもたくさん置いてある。
「……カオス」
「うん」
お互い店内の第一印象を呟きつつオネを探す。
覚悟を決めたとはいえ、イアは『
「泣いたらギブアップな」
「……泣かないし」
「♪ .•* Sunshine *•.¸¸♬.•* Rainbow *•.¸¸♩」
「やめてっ! 感動系の曲歌うのやめてっ!?」
イアの持ち歌ということもありイオが歌い出した瞬間曲名を理解しすぐさま口を両手で塞ぎ強制終了させる。
「なんでよりによってそれを選曲するかな……」
「ホヘハハアフヒフハッフヒヘホヒイハラネ(俺は早くギブアップして欲しいからね)」
「泣かせに来るの禁止! わかった?」
お叱りを受けてコクコクとうなずくと塞いでいる手をゆっくり離してくれる。イオのちょっとした意地悪によって沈んでいたイア気持ちがイオのペースに乗せられ始める。
「そんなに心配ならお留守番させればよかったでしょ」
「ほんとだよ、なんで付いて来たんだか……」
「イオが無理やり連れて来たんでしょ」
「だって一人で留守番させるとかめっちゃ心配だし」
「イアだってもう一人でお留守番できますぅ」
「それは地球での話だろ、異世界は別だ。留守番中にモンスターエンカしたらどうすんだよ」
「街にモンスターが出現するわけないじゃん」
あらゆる可能性を考慮し、そのすべてに対して事前に対策を練るタイプのイオとそういった細かいことは一切考えず、その場で何とかするタイプのイア。普通ならイオの考えすぎとなるが、ここはカオスな異世界。必ずしもそういったことが起きないとは言い切れないし、万が一起きてしまった場合戦えないイアは無事では済まないだろう。
「はぁ~、これだから素人は」
「イオが考えすぎなだけだと思う」
イオに子ども扱いされ珍しくムキになるイア。
もちろんこれはイオの企みで、さっきまで泣く寸前だったイアが完全にイオのペースに乗せられたことにより悲しみはかなり和らぎ目の潤いはすっかり治っていた。
「あっいた! お兄ちゃ~んイアお姉ちゃ~ん、見て見て~」
イオイアが滅多に見せない睨み合いをしていると後方奥の方からオネの声が近づいてくる。知っている武器でも見つけたのか、中古屋で懐かしのおもちゃを見つけた時のようなはしゃぎ声だ。声のする方振り返るとオネが刀を一本両手で抱えながらこちらに向かって走って……いや突っ込んでくる。
そのままブレーキを忘れて一直線に突っ込んでくるオネに対しイオはイアの胸をトンッと軽く押して後ろに身を引かせた後、自分も少し大きめに一歩下がる。するとオネはイオイアの間をきれいに通過しそのまま奥にある壁に激突する。
ドバアアアァァンッ!!!
「オネちゃん!?」
「ははっ」
一切ブレーキをかけずに壁に衝突したオネに慌てて駆け寄るイアと鼻で笑いながら歩み寄るイオ。ここでイアにとって不思議なことがオネの体に起きていた。
一切ブレーキをかけず超トップスピードでぶつかったにも関わらずまさかの無傷、ぶつけたはずのおでこは赤く腫れてすらいないし、かすり傷一つ負ってない。
「大丈夫オネちゃん!?」
「大丈夫か~?」
「うん大丈夫~、それより見て見て」
壁に跳ね返されてようやく止まったオネはブルブルと首を横に振ったあと、全くの無傷であることを伝え持っていた刀を見せてくる。
号の長さはだいたい八十センチくらいか? オネの身長にはあまりにも長すぎる。
鍔に括り付けてある大きな値札には片面に刀の切れ味や強度などのステータスがレーダーチャートで、裏面には「ムラサメ」と書かれた文字と値段が記されていた。
値段は百ゴールド、この異世界は一ゴールド一円くらいの感覚なので日本円で例えるなら大体百円くらい。真剣がたったの百ゴールドなんて正直言って安すぎる。
「ムラサメ……確か架空の刀だったか?」
「そうそう、凄くない! 本物だよ!」
「その根拠は?」
イオに問われるとオネはニヤッと笑いムラサメを水平に構えて少し引き抜く。すると摩訶不思議、刀の付け根から露が流れ出しぽたぽたと垂れ落ち唐突な寒気に襲われる。
大長編読本でオネ唯一のお気に入り『南総里見八犬伝』に出てきた宝刀村雨と同じ奇瑞。
同じ名前・同じ奇瑞を持つ刀となれば本物と考えるのが普通かと思いイオもこの刀が本物の村雨であると認識する。
「村正はなかったのか?」
「あったけど、オネはこっちでいい」
「オニが村正買ってるとは限らないだろうに」
「う、うるさいっ! とにかくオネはコレするから」
「けどオネ、その刀身だと居合出来ないだろ」
「いいのっ! ムラサメであることに意味があるんだから」
「そっすか……」
本来なら自分に合った方何するべきなのだが使用者本人が謎の強いこだわりを見せるためクエストには最悪鞘から抜いた状態で挑めばいいかと諦める。
「それよりオネ、なんでこれがムラサメって分かったんだ?」
「えっ? だって、抜いたら露が発生したから。オニから聞いた中でこんな奇瑞持ってる刀は村雨だけだし」
「たしかに奇瑞だけ見れば村雨だけど、こっちの世界でも同じ呼び方で呼ばれてるとは限らないだろ」
「……あはは、ちょっとジル先生に個別で……」
「……もしかしてオネが覚え悪いのって──」
「違うから!?」
「そういう余計な事ばっか先に──」
「 違 う か ら ! ? 」
興奮状態で判断力が鈍っているオネを言葉巧みに誘導しオネの学習能力が低い原因を特定するも食い気味に否定される。
「まぁそういうことにしてやる」とイオが勝ち誇ったように腕を組み上から目線で嘲笑うとオネは超悔しそうな顔をする。
「……絶っ対いつか言い負かす」
「おう、頑張れ~」
「っ早く買って帰るよ」
ゲームでもそうだが結構負けず嫌いで根に持つタイプのオネ、イオからお金を受け取り「今に見てろよ」と捨て台詞を吐いて小走りでレジに向かう。
「オネもまだまだだな」
「イオ、オネちゃんイジメちゃダメでしょ」
「は~い」
イアに注意されたので一応反省する。
一方ムラサメを購入しようとしているオネだが、やはりレジの店員に自分に合った刀にした方がいいのでは? と説得されている様子だった。当たり前も当たり前、これに関しては店員さんが正しくてオネの方が変な客だ。レジの店員も最初は自分の言い分を聞いてくれない客に難しそうな顔をして必死に説得しようとしていたが結局オネに強引に押し切られ諦める。
ムラサメの購入が完了しウッキウキのオネが戻ってくる。まともに使えるかどうかはさておき一応武器の入手はできたので店を出て宿に戻る。
──ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
帰る途中、ムラサメを購入してからずっとオネのニヤニヤが止まらない。ほんの数分前イオに言い負かされて凄く悔しそうにしてた顔が今では完全に緩み切っている。
「オネ、気持ち悪いからそのニヤつきやめろ」
「っ気持ち悪いは言い過ぎじゃない?」
「オネちゃん不審者みたい」
「えっ? イアお姉ちゃんまで?」
「言っとくが明日のクエスト以外では使わせね~からな」
「えぇ、試し斬りとかもダメ?」
「……う〜ん……まぁ、俺が見ていることが条件な」
「は〜い」
ムラサメの実質的所有権を得たオネは握っていたムラサメを見つめて嬉しそうに微笑んだ後またニヤ付き始める。
「それにしてもすごく安かったね」
「それだけこの世界ではランクが低いってことだろうな。それを差し引いても安すぎるけど」
あの名刀が最低ランクの剣だったとしても本物の真剣が百円、子供のお小遣いでも十分買える値段だ。
購入してる時の様子から特に免許などの資格が必要な訳でもなさそうなのでもしかしたら本当に子供でも買えてしまうのかもしれない。
「オネちゃんゲームの時は強い武器使うから意外だったね」
「そうだな、オネ~、ホントにそれでよかったのか?」
「好きな武器は例外だからいいの」
購入してから聞くのもなんだが再度後悔はないか聞いてみるも返事は変わらない。
「……イオ、本当に武器あれで大丈夫なの?」
「正直今のオネじゃどんな武器使ってもほとんど一緒だから問題ない」
オネに聞こえないようにヒソヒソと話すイオイアを置いてオネは一人でスキップしながら宿に戻っていく。
──あれなら明日のクエストも大丈夫……かな……?
あれだけ上機嫌なら明日のモンスター討伐で受けるショックも少しは軽減できるだろうと少し肩の力を抜くイオ。
明日のクエストでオネがどんな反応を見せるかとても楽しみだ。
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