第2話 どう言われようと方法は一つ
目に飛び込んできた四文字、「退職代行」。これこそが今の自分を変えるための方法だと確信した。
退職代行を御存じない方に説明すると、退職代行とは退職の意思を本人に代わって会社に伝えるというサービスである。業者曰く、お金さえ振り込めばその日から出社しなくてもいいとのことだ。なんだそれくらい自分でやれよという人もいるだろう。それは確かに一理ある。「話を聞いてくれる人」に対してならば。
実際退職をしようとしても上司からの引き留め、脅しなどすんなりといかないのだ。私の知っている人でも退職しようとしたら上司が激怒し、あわや流血沙汰になりそうになった、という話があった。幸いその人は頑なに通し退職が認められたが実に一年以上かかったとも話していた。私は一年以上のいざこざに耐えるというのも難しい話であり、それに加え一つ仕事を任せられているためこうもいかない。
黙って会社をバックレろ、なんている人もいるかもしれない。しかし、これも良い手ではない。バックレとなると確かに2週間たてば辞めることができる。しかし懲戒解雇処分という形になり、転職しようとしたとき会社に伝わってしまう。伝わった時点で面接前なら内定は絶望的であろうし、内定後でも取り消しにされてる可能性が大いにある。また、訴訟を起こされ、賠償金を請求されるというリスクもある。奨学金も少なからず残っているのにさらに上乗せされたらたまったもんじゃない。
以上のことから、最短で一直線に辞めるには退職代行一択なのであった。誰がどう言おうとも己の身体、精神には代えられない。壊れてしまうより先に行動せねば。それが今やるべきことであると確信した。
緊急時における自己防衛の行動と後処理 酒戸津真実 @ippan_1242
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。緊急時における自己防衛の行動と後処理の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
人間として不適切/酒戸津真実
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 18話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます