第31話 王都行、魔道列車の夜……



 さて、魔道列車に揺られながらの睡眠の時間である。


 せっかくこんな『我が世の春』の世界に転移してきて、チャンスがあるのに一人でぽつんと寂しく寝るのはつまらん。


 というわけで護衛の女性も含めて『添い寝』の提案である。

 一対一はさすがにまずかろうということで、一緒に添い寝するのは一度におれの左右に一人ずつである。

 護衛の十人と秘書のふたり、そして王都への旅ご招待のエクレールさん、一対一じゃないので、ギリで(倫理的に)ミニオンもメンバー入りである。


 添い寝だけですよ? 添い寝だけですって…… えっちなことはいたしません。


 全部で十四人、二人ずつで計七組。二泊三日の旅なのでどうしようかと思案していたんだが、一晩で二組ずつ夜を二交代で添い寝してもらうことになった。

 行きに計八人、帰りの旅で六人という組み合わせだ。

 帰りのメンバーが持ち時間的にお得であるが、そこは帰りの時まで待たされるということで特権扱いである。


 いや~いいね、添い寝は…… 

 初日の今日最初は、ミニオンとエクレールさんである。



 ミニオンはおれにぴたりと張り付いたまま速攻で寝てた。はやっ!


 妹を隣にして寝ているような気分だな。


 もう一人の今日の添い寝担当のエクレールさん……やばい……やばすぎた


 脚は……あの美脚でおれの脚に絡めてくるし、もちろんおれの首にしっかと自分の腕を巻き付けてくるわ、程よい大きさで寝間着姿からもわかる形がよくて、とても柔らかいものがピタリとくっついているわけですよ。

 さらに秘部の丘がおれの腰に……



 これで息子が立たないわけがない! 


 が、エクレールさんも速攻で寝てました……orz


 二人ともきっとお疲れだったんですね、わかります……


 悶々としたおれが寝たのは、今晩の交代でドーラさんとシータさんにしがみつかれてからでした……


 ドーラさんとシータさんもごちそうさまでした。双丘四つに囲まれて天国でした。

 いえ、多分天国だったはず……地獄じゃないと信じたい……


  二人の甘い息遣い…… 息子さんも元気いっぱいなまま、お休みいただきましたよ……グスン……




 さて寝不足気味な朝である。


 朝食の席では、ミニオンもエクレールさん、ドーラさん、シータさん、全員が満足そうにお茶を飲んでいる。


(久しぶりに、またまた男性成分を満喫できました……)


 エクレールさんや、顔に浮かんでるぜ、その言葉……

 これで満足されては困るんだよ、いや……困らんか……これ以上要求されても……あ、困るわ……


(男性の添い寝…… ユウ先生と毎日毎晩一緒に寝れたら……最高なのに…… いえいえ、弟子のひとりとしてはこれ以上は……)


 ミニオンもなんだかホンワカしてるな……


 ドーラさん、お茶ひっくりかえしちまったぜ…… 


 シータさん…… ナイフとフォークが逆だ…… 朝食のホットケーキ、ナイフで口に運ぶなよ、危ない。





 昨晩寝る前には、護衛の女性陣とは色々と話をしておいた。


 護衛と言うことで一歩引いてくれている彼女たちだったが、彼女たちも実は歓迎会に出てくれていた学園の職員である。

 おれが十人の輪の中に入っていくと、ほんとに嬉しそうだった。


「今回の護衛の選出ってどうやって決めたんですか?」


「それは最終的には、校長先生が決めたみたいですけど、最優先は『護衛としての戦闘能力』です」


「それと現在までに判明している、ユウ先生の女性の好みを判断して……」


 うん、よくわかってるよね、校長先生。


 エクレールさんほどではないけれど、十人が十人皆『美脚』揃いで、決して『巨乳』ではないがそれなりの持ち主ばかりである。


 おれは『巨乳』が嫌いなわけじゃないが、それほど固執していなんだよ、胸には……


 程よい大きさと形、触ったときの心地よい感触があれば……

 

 着やせするタイプも好みではある。


 だってねえ、服の上からはわからなかったのに、実際はボリュームたっぷりでしたってのは、意外性に富んでてうれしいもんさ。

 反対の場合は……いうまでもない、がっかり感満載になるが、それが女性の価値をきめるわけでもなかろう。


 ミニスカに軍事オタが喜びそうな迷彩服を着た美脚美人の戦闘集団…… いける、何人でもいけそうである。記念撮影させてほしいほどである。


「そうだ、せっかく縁あって一緒の旅をしている仲です。記念撮影しませんか?」


「え! ユウ先生と記念撮影! これは……一生ものの記念品……ゲットですわ」


「全員で一枚、ツーショットで各々一枚ずつでよいですか?」


「つ、ツーショット~! なんという甘い誘惑なのでしょうか…… 世の中の女性たちに呪い殺されそうです…… でもチャンスは二度とないかもです! ぜひお願いします!」


 結局護衛の十人とそれ以外の皆と一緒に記念撮影をし、個々にツーショットを撮ったさ。

 カメラ? ありますよ、魔道具ありましたよ、荷物の中に。校長の粋な計らいのようです。


『帰ってきたらわしとも頼む、ツーショット』


 メモ書きも一緒でしたけどね……


 魔道具のカメラは、ポラロイドタイプであったので、その場で現像されて出てきた写真は皆さんのそれぞれの手元へと渡しました。

 全員が写っている写真はおれがもらっておいた。


 ああ、いいな美脚…… おれが前列真ん中、左右にエクレールさんとミニオン、さらにその隣に秘書のお二方、バックに護衛の女性十人に並んで写ってもらった。


 ああ、ランボ君?おれの前に体育座りで……






 さて王都までの魔道列車の旅、二日目は何をして過ごそうかね……

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