第26話 宴会七回目は…… 名付けて、ミニスカDEプロポーズ大作戦! その二
三十人のミニスカ美女とショッピングすることになったわけだが、三十人に囲まれてぞろぞろと大集団で買い物をしているわけではない。
五人毎にグループを組んでもらい順番に計六グループと時間差で買い物である。
各グループ持ち時間は三十分。
各グループ内では、単純計算ではあるが一人当たりの持ち時間は、六分であるがそこんところをどうするかは各グループ五人での話し合いで決めるらしい。
各グループ分けは一応買い物の傾向で振り分けたらしい。
「わたしは、見て回るだけになると思いますので、皆さんの回りたいところをついていくことにします」
早速第一グループである。第一グループは主に『貴金属』を扱っているお店である。
あらかじめ決めておいたらしいお店へと、左右一人ずつ、後ろに順番待ちで三人が並んでおれの後をついてくるという形で買い物です。
いやあ、いい気分です。美女二人に挟まれ、腕を組んで歩いているわけだけど、おれたち六人以外からの視線が熱くて熱くて……
前世でいえば、美女をそんなに引き連れてどこの『芸能人』って雰囲気を楽しんでるわけよ。
それにいちゃもんつけてくるうっとおしい『野郎』はおらんのよ。
今ここにいる『男』はおれだけ……
左右に侍らせている美人さんの超うれしそうな満開笑顔は、おれだけに向けられているんだ。
今日の第七回目の宴会に先立って、校長からはこっそりと内容を教えてもらっていたおれは、おそらくおれに送ってくれるであろう各々のプレゼントの『お返し』を用意しておいた。
新任教師としては破格の給与をいただいてるおれだが、いくら金をかけようがお返しがその辺に売っているものならば、彼女たちの喜びも大したことはないだろう。
そこで用意したのは、おれなりのサプライズなんだが、それは後で説明するさ。
貴金属店店内の腰の高さのショウウインドウを眺めるおれに彼女たちの密着感がまたすさまじい。
いや、まあ…… それはやっぱり『女』の武器だわな……
破壊力抜群の胸を両腕に突きつけられて、うれしくない男はおらんだろ? この世界の男たちはそうじゃないかもしれんが、おれ基準ではほんと最高だよ。
それも代わる代わるタイプの違う美女たちだよ……
胸だけじゃないんだよね…… 持ち時間目いっぱい自分をアピールしてくる彼女たちの意気込みを感じた。
ただ、それもあまりにも日常化すると飽きてくるだろうっていうのもあるんだけれど、ところがどっこい、この世界で『男(オス)』としての欲を処理できていないおれにとっては、悶々とした気持ちが延々と続く快楽…… いや気持ちのいい一種の『拷問』でもある。
男ならわかっていただけるであろう。 処理する前なら快楽はいつまでも持続できるが、一旦『賢者タイム』に突入した時のむなしさ……
今のおれには溜まるばかりで『賢者タイム』に突入する暇もないといえばないのだ……
「ねえ、先生! 結婚するならどんな指輪がいい?」「このネックレス、先生に似合いそう」「わたしにこのブローチ似合うかしら?」
それぞれの、たわいもない言葉│(たぶん)をキャッチボールしながらウィンドウショッピングである。
数分すると左右の美女が交代。それぞれが放つ匂いは香水で作られた香りではなく、女性特有の匂いである。
この世界に転移して気が付いたことは、この世界の女性がほとんど香水などを付けないということだ。
おしゃれはするし化粧もするけれど、決して過度の人工的な匂いを周囲にまき散らす人はいない。
ただでさえ男が少なくて、周りの女が香水の匂いをさせてたら、男としては匂いで気持ち悪くなるのは請け合いなので、納得できる話ではある。
さて第二グループは、屋台村で『立ち食い』ツアーだ。
これはなかなかいいアイデアだ。五人に囲まれながら、串焼きだのアイスクリームだのやれジュースだのと、立ち食い三昧である。
当然「ユウ先生、あ~んして!」 の連発である。
ソフトクリームを買ってくれた美人さんと、一つのソフトクリームを一緒に舐めてみたり、前世では『ポッ○ー』と名前のついていたスティック型チョコスナックを片方ずつ顔を見合わせながらぽりぽりと食べてみる。
顔がだんだん近づいてキスしそうになるけれど、たいていそうはならない。
「いや~ん! 先生、逃げないで~」
「わたしも、わたしも~」
やってることは若いカップルがやってる(前世では)当たり前の光景……
それがこの世界の彼女たちには『あたりまえ』なんかじゃない……
夢のような体験なのだ…… そう、夢にまで見た『恋人』同士の憧れの戯れ……
食べて、笑って、口元についたチョコレートを指で拭ってちゅぽっと舐めてあげる……
そんなことで彼女らは、失神しそうなくらいの喜びようなんだ。なんてかわいい!
いくらそれなりの大人の美人さんたちとはいっても、やっぱり純真さを保ってきたいわば『少女』なのだ。男性経験皆無な少女たちなのだ……
「きゃ~! せ、先生!あたしの口についたチョコ! 食べた~! うううっ…… あたし、もう死んでもいいかも……」
いや、そんなことくらいで死なないでくれ、頼むから……
「ユウ先生についてるのも…… やった~ ユウ先生と間接キス~!!」
もうこれは『宴会』は二の次の、『恋人ごっこ』体験ツアーである。
これを商売にしてもおれはこの世界で間違いなく食っていけそうである。
第三グループの彼女たちとは、ショッピングモールの隣の池にあるボートに乗った。
二人に乗りの手漕ぎボートに一人ずつ乗せて大急ぎで五人を恋人ボート体験してもらったよ。
スキンシップはなかったけれど、彼女たちは十分満足してくれたらしい。
第四グループは これまたショッピングはなく、近くの公園で交代で一人ひとりと散歩である。
恋人つなぎで手をつないで並んで散歩するだけなんだけれど、このグループ全員の希望でそれぞれの散歩が終わったときに『一人ひとり抱きしめてほしい』ということ言われたんだ。
それぞれの散歩の最後で、向かい合いにっこりと笑顔で抱きしめてやりましたとも……
これは聞くまでのなく『ノット ギルティ』でしょうが……
思い切り抱きしめてあげると五人とも涙をながして「ありがとう、ユウ先生」って言ってくれたさ。
まあ、ここでは流れで『口づけ』ってことなんだろうけど、それはなし…… それやっちゃうとただでは済まんのよ。
「男性に抱きしめられるってことが、どんなに安心と癒しを与えてくれるのか、よくわかりました」
五人が五人ともの感想である。まあ、抱きしめられた経験がなければ当然かもね……
さて第五グループである。もう何でも来い!の気分のおれだ。
彼女らの希望は、ショッピングモール内の観覧車に二人だけで乗車を所望である。
二人だけになるので怪しいこともできるのだが、そこは他のメンバーの監視付きなので無理。
彼女たちの願いは、恋人気分で観覧車に乗ってみたいのである。
長い人生の中でたぶん訪れることのない経験なのだ。どんなに願っても実現できない夢が、たった一つでも今日実現できる。それこそが今日の彼女たちのささやかな乙女の祈りなのである。
二人だけで観覧車といえば……それもアベック…… 隣同士ですよねえ、当然。
でもって…… お隣は超絶美形ばかりのミニスカばかりですよ?
おれはこれに耐えねばならんのか? ならんのか? 大事なことなので二回言いました。
手を出したくなって当然ですよね。キスしたり、手を握ったり、暗ければお触りしたり……
せめて肩くらい抱いてもいいよね……
手をそっと なんとかゾーンに置いてもいいよね……
『肩を抱くだけ、手相手の膝に置くだけなら…… ノット ギルティ』
あ、ありがとう! ありがとう!
実際乗ってみると、恋人ごっこが目的なので『隣で肩を抱いてほしい』『そっとわたしの膝の上で手をつないでほしい』と言われたので遠慮なくです。
いや~すばらしい…… ミニスカ、ニーハイ、万歳です。
これもやっぱりAはお預けなんですね…… はい、すいませんでした。もう言いません。
これも五人に「ありがとう、先生。たった数分の間だったけど、恋人気分を知ることができて一生の思い出です」
って言われておれはなんとも返事はできなかったなあ……ごめん、みんな……
最後の第六グループである。
ショッピングモールの中央に大きな噴水があるんだけど、この噴水の水槽の中で(くるぶしくらいまでの深さしかないので安全です)二人で水の掛け合いをしたいそうです。
そして噴水から出るときは『お姫様抱っこ』で出てもらいたいとのこと……
水かけですよ? 薄い白のブラウス着た娘ばっかですよ?ミニスカでっせ?
濡れたら『透けてしまいます』がな…… なんというエロチシズム……
それをさらにお姫様抱っこってば…… そのまま抱っこしてお風呂場かベッドへ行きたくなるでしょ? 男なら普通さあ……
お姫様抱っこされた美人さんたちが、髪も顔も濡れて今にも泣きだしそうな笑顔でおれの首にしがみついてくるんですって…… おれにどうせえと……
泣きたいのはおれだよ~ そのままキスして抱いてベッドインしたくなるよねえ……
それやっちゃったらまあ、お終いなんですけどね……
「本気で先生とこの場でベッドインしたくなったわ……」
「お姫様抱っこ……憧れのおひめさま……」
最高の感想をいただきましたが、おれも風邪をいただきそうになりました。クシュン!
というわけで今回の歓迎会は終了…… とはならず、やっぱり飲み会となりました。
そうだよね、最後のプレゼント交換残ってるし……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます