第25話 宴会七回目は…… 名付けて、ミニスカDEプロポーズ大作戦! その一



~校長室にて~




「昨日の『生徒相談』は、さすがにちとやばかったの……」


 本意とは言えないが、生徒の裸に手を出したという意味ではね……


「まあ、生徒本人も親御さんも納得しての話じゃったからの、とりあえず問題にはならんよ……」


「……さすがにこの手の相談は、勘弁してほしいですね……」


「おや? 結構楽しめたろ? 」


 いやいや、それで『死刑』とか勘弁してほしいわ……


「安心せい、今後は同様の案件でも、たとえ生徒からの希望であっても逆セクハラは禁止じゃ。その場合は生徒本人が責を負うことになる」


「……そうですか……助かります」


「とは言え、生徒相談の希望件数は山と積みあがっとるでな、よろしく頼む」


 全然減ってないのな…… サクサク解決できるよう頑張るしかない





~とある居酒屋で~




 ここは学園近くの、とある居酒屋の個室である。


 二人の学園教職員がなにやら相談中である。


「報告書は持ってきただろうね」


「はい、こちらに……」


 報告書の表題は、『新任教師ユウに関する報告書~マル秘』である。


「それでは報告を聞こうか……」


「はい、まずは一件目です」


「うむ…… 彼は男色というわけではないのか?」


「その可能性は、ほぼありません。本人がそう断言していたことを宴会に参加した職員が確認しております」


「今最も世界で有名になりつつある『男』が男色となれば大問題だからな……安心したよ」


「それで今回の報告のメインの、彼の趣向というか、好みについてですが……」


「うむ…… どうやって調べた?」


「はい……密かに彼の女性を見るときの視線を分析しました」


「なるほど……」


「その結果は次の通りです」

 

 報告書の内容である。



 

・ユウ教師が、初めて会う女性を見た時の最初に向かうその視線は


 第一 …… 頭部(顔、髪型含む) 三十パーセント

 第二 …… 上半身(胸部、腰含む) 二十パーセント

 第三 …… 下半身(脚部、臀部含む) 五十パーセント


「一番最初に顔の出来を確認して、胸の大きさ等をチェック、その後脚を、という流れか…… 男としてはいたって正常だな」


「はい、年齢相応の男性の嗜好の枠を飛び出てはいません」


「このパーセントというのはなんだ?」


「視線の先が向かう頻度のことらしいです」


「数字だけみれば脚が本命ということか?」


「そうなります」


 さらに報告書は続く。


・脚部に関しての彼の嗜好傾向


 ニーハイを履いてる場合……五十パーセント

 素足の場合      ……二十パーセント

 ストッキングのみの場合……二十九パーセント

 ズボンの場合     ……一パーセント



「すると彼は、ニーハイの女に興味が強いということか?」


「おそらくそうです。ズボンというかパンツルックの女性にはあまり興味を見せないようです」


「ミニスカ好みなのか?」


「いえ、おそらくは『脚フェチ』なおではないかと推定されております」


「わかった…… 次回我々が主催する彼を歓迎する『宴会』は決まりだな」


「どのように進めますか?」


「参加者は全員ミニスカ、ストッキングかニーハイか素足かは参加者の自由。上着に関してはそれぞれの好みで自由選択としよう」


「肝はミニスカですか……」


「今までの六回の宴会で彼は、一人の女にさえ手を出していない。男色かと思ったがそうではないとすると、ここは何としても学園の教職員三百名のうちの一人でもなんとか彼の恋人か愛人かはこだわらん。常に隣に立てる『女』の立場を手に入れなければ、学園の沽券にもかかわるぞ」


「三百人がアタックして戦果なしでは……」


「そうだ。すでにこの国の内外を問わず、あらゆる組織が水面下で彼の獲得競争にしのぎを削っている。われわれはまだイニシャチブを握っているのだ。もし今回の十回の宴会で成果が上げられなかった場合は、他の組織との全面戦争になるぞ」


「すでに、そこまで……」


「王宮もすでに動いておる。軍も学界も…… ありとあらゆる組織が介入してくるだろう」


「…… わかりました。では明日の宴会についてはいかがいたしますか?」


「ミニスカ三十人と買い物をしてもらう。そして三十人からの贈り物で釣る」


「釣られるでしょうか…… それに買い物となると市内を歩かせることになりますし、世間もおとなしくはしておりますまい……」


「学園職員三十人に囲まれた状態で彼に手を出すバカな一般市民がいると思うか?」


「あ、いえ……」


「高校の職員というのは、すべて戦闘にも長けたやつばかりだ」


「わかりました。早速三十人、我々第七部隊に指令を伝達しておきます」


「第八部隊の今後の待遇すら変わりかねん今回の作戦だ。ぜひとも成功させねば」







 この二人…… 物騒な話をしているが、ただの第七回宴会の『幹事』である。





*******



 おれは、七回目の宴会に参加すべく、集合場所の学園正門前へと向かった。

 集合場所に着くと、そこには……


 三十人全員が『ミニスカ』という、おれにとっては(ここは楽園か)と勘違いさせるには十分な美女軍団が待っていてくれたんです~


 いや~ 眼福ですわ……


 ミニスカもいろいろな素材、長さ、色とりどりでさらにはニーハイもいればストッキングの人もいる。もちろん素足も……


 でもなんでみんな『ミニスカ』なんですかね……?


 おれは実は『脚フェチ』である。


 それはいいのだが、そのことをこの世界の誰にも話していないはずだ。それなのにおれの嗜好を読んだがごとく全員『ミニスカ』であるのはなぜ?


 どこでばれた…… 


 深くは考えるのはよそう…… 宴会で誰かに聞いてみればわかるかもしれない。


 さてと、三十人と一人で最初はショッピングらしい。


 この世界での市内繁華街でのショッピングは初めてなんだし、楽しんでくるとするか。


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