第118話夢にだに あふことかたく なりゆくは

                        よみびとしらず

夢にだに あふことかたく なりゆくは 我や寝を寝ぬ 人や忘るる

                     (巻第十五恋歌五767)

※寝を寝:眠る。


夢の中でさえ、逢うことが難しくなっているのは、私がその辛さゆえに、眠れないからなのでしょうか、それとも、すでにあの人から忘れ去られてしまったからなのでしょうか。


古代日本は、(現代とは逆に)相手が自分を思っていれば、自分の夢に相手が出て来ると信じられていた。

その夢に相手が出て来ないのが辛く、それで眠れない。

そして相手から、すでに忘れ去られたと、悲しむ。

恋煩いの名歌と思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る