第7話うたたねに 恋しき人を 見てしより

                           小野小町


うたたねに 恋しき人を 見てしより 夢てふ物は たのみそめてき

                    (巻第十二恋歌二553)


うたた寝の中で、恋しい人を見てからは、夢というものを頼みにするようになっているのです。


小町は、恋人を待ち続けて、夜は眠れなかったのかもしれない。

それで日中にうたた寝をしていたら、夢に恋人が現れた。

それからは、儚い夢ではあるけれど、その夢を逢瀬の頼みにするようになってしまった、そんな自嘲を含んだ歌。



これも絶世の美女小野小町が詠んだから、可憐さや艶めかしさを増す。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る