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 窓の外に降る雪は止まず、外は相変わらず真っ暗なままだった。瞳もずっと眠り続けている。時計の針が十二の数字を指したころ、こんこんと扉がノックされ、そこから一人の女性が病室の中にやってきた。女性は無言のまま、僕を見た。そして机の上に置いてある食器類をおぼんに乗せて、そのまま静かに病室から出て行った。

 僕にはその女性が秋子さんなのか、冬子さんなのか、その判断をすることができなかった。

 それから時間がさらに経過して時計の針が六の数字を指したころ、とんとんとドアがノックされ、そこから大麦先生が一人の看護婦さんと一緒に病室の中に入ってきた

 それからのみんなの行動は朝に起こったことの繰り返しのようなもので、大麦先生は僕を睨み、看護婦さんが声をかけると瞳がぱちっと目を覚ました。そして瞳がみんなに「おはようございます」と順番に挨拶をしていって、その結果、大麦先生と一緒に居る看護婦さんが秋子さんであることが判明した。

 瞳は本日二回目の検査を受け、それが終わると先生たちは瞳の病室をあとにした。そしてそれからしばらくするとドアがノックされて、おぼんを持った看護婦さんが病室の中に入ってきた。

「こんばんは、冬子さん」

「こんばんは、心ちゃん」

 二人の会話からすると、どうやら看護婦さんは冬子さんのようだった。冬子さんは夕食を机の上に綺麗に並べていった。その立ち振る舞いは秋子さんのときとまったく見分けがつかなかった。それに夕食の献立も朝とほとんど同じだった。違っているのは、フルーツのお皿が追加されていることだけ。お皿の上には三日月型に切られたメロンがのっていた。

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