第70話 五角丸六郎

日曜日になり、俺はリハビリのためにある病院に来ていた。


病院は今の家からそう遠くはなく、バスで5分程だった。ちなみにその病院を教えてくれたのは瑠花だ。


瑠花には弟がいるらしく、その弟が怪我をした時に通っていた病院だそうだ。リハビリの設備もしっかりしているらしく、サッカー部員が怪我をすれば基本みんなここに来るらしい。


受付で手続きを済ませ、順番が来るまでロビーで椅子に座って待つ。どうやら日曜日の午前のリハビリはかなり混むらしく、下手したら一時間ほど待たされるらしい。


まぁ宿題は昨晩終わらせたし特に用事もないので気長に待つことにする。病院にはフリーWi-Fiがあるらしいので携帯を接続し、ポケットからBluetoothのイヤホンを取り出して着ける。


YouTubeを開いて最近嵌まっているYouTuberを検索する。ちなみに「五角丸六郎」という方なのだが、元からある動画に声を吹き込むタイプのYouTuberだ。語彙が豊富であり、巧みな言葉や表現に笑わずにはいられない。


それに夢中になり笑いを堪えているとき、いきなり肩をポンポンと叩かれる。急なことでビクッと震えてしまう。


叩いた主を見ようと振り向いた先にいたのは紺野さんだった。

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