第60話 義妹(3)
◆夏帆視点です
いきなり父と春乃さんが新婚旅行に行くと聞いたときは驚いたが、それ以上に上手くいっているようで嬉しかった。父も最近顔が柔らかく表情が豊かであり、ずっとこのままでいて欲しい。
しかし、一番のサプライズは晋也と2人で生活するということだ。そんなのまるで夫婦ではないか。
2人で生活する風景を考えてみる。晋也は今足が大変なので、基本的に家事は私が手伝う必要がある。そして晋也に「ありがとう」と言ってもらう。
こんなのやっぱり夫婦ではないか。だけど決して嫌ではないし、むしろこの2人だけの時間を楽しみたいと思う。
親が出発したその日、一言で言うなら私は浮かれていた。今から2人きりと考えると心臓のドキドキが止まらない。だから今日部活があることも忘れていた。
迂闊だった。急いで準備をして部活へと向かったのだが、私は急ぎすぎたあまり弁当を忘れてしまった。
バスケは大変運動量が多く、昼抜きだと午後は耐えられない。運が悪いことに今日は購買が開いてなく、更に昼に家に帰る時間もない。はぁ、どうしよう……。
午前の練習が終わり昼休憩の時間になった。先輩たちは私に対してすごく優しくしてくれるので、私は基本的に先輩達と話したり過ごしたりしている。
先輩達が飲み物を買いに自販機に行くらしいので私もついていく。先輩たちは皆私に弁当を分けてくれると言ってくれた。優しい先輩達に後光が差して見えた。
1階に降りて階段を曲がると私は信じられないものを目撃した。
それは四天王の中で最も可愛いと言われるハーフの銀髪の美少女と晋也が抱き合っている光景だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます