第44話 ボディタッチ

「それじゃあ行ってくるよ。二人とも、僕たちがいない間家は任せたよ」


「戸締まりには気を付けるのよ?あとは喧嘩せず仲良くね。何かあったらすぐに連絡してちょうだいね」


「ああ、分かったよ。じゃあ二人とも新婚旅行楽しんできてよ」


「晋也くん、夏帆をよろしくね」


「了解です。任せてください。まぁこの足ですけどね」


そうして両親は出発した。

さっきから夏帆は俺の後ろにいたが何も話さなかった。

なんか顔は紅潮していて俯いている。

まさか!熱か!?


「ちょっと失礼」


「ひゃんっ!?」


熱を測ろうと夏帆の額に触れたのだが、夏帆は艶かしい声で反応した。


「わ、わるい……」


兄妹として最近仲良くなれてはいたと思う。

だけど俺はあくまで顔面偏差値30のブ男なのだ。

やはりボディタッチはいやだったのだろう。


「ごめん、変な声だして。別に触られたのが嫌ってわけじゃないの」


夏帆は優しい。

俺を傷つけないように気を使ってくれたのだろう。

だけど俺は夏帆の嫌なことなんてしたくない。


「大丈夫分かってるよ。もうボディタッチはしないようにするからさ」


「違うし!むしろ触って欲しいし!……あ……」


さすがに分かる。

今のはガチトーンだった。

こんな俺にでも気を許してくれてるのか……。

というか触って欲しい?

どういうことだ?

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