第35話 連絡先

「あ、風間くん。連絡先交換しませんか?サッカー部のグループに招待しますので」


「分かりました」


俺は自分のQRコードを画面に表示して紺野さんに向ける。

それを紺野さんが読み取る。

ポロンという通知の音と同時に『るか』という名前が追加された。

続けてメッセージ。


『よろしくお願いします🙇♀』


目の前にいるのにわざわざメッセージで言ってくるのがなんだか面白い。

だから俺も


『こちらこそよろしくお願いします』


と送り返した。

一瞬で既読がつく。

そしてまた新たなメッセージ。


『同じ学年ですし、敬語やめにしませんか?』


確かに学年は同じだし違和感はない。

しかし四天王が顔面偏差値30みたいな男と砕けて話すのはどうなのだろうか?

迷った末に返信する。


『僕は良いですけど、紺野さんはどうですか?』


『出来ればタメが良いです……』


彼女が良いならば良いだろう。

何か言われたら俺が出来る限り対処すると決める。


『じゃあこんなんでいいか?』


やはり一瞬で既読が付くが、今回は少しおかしい。

紺野さんはスマホを持って固まっていた。

そしてやっぱり顔は上気していた。

部室そんなに熱こもってないと思うけどなぁ……。

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