第34話 マネさん

「あっ」


その美少女と目が合う。

彼女も俺のことは覚えていたようで声を出した。

どうやら俺が助けた子はサッカー部のマネージャーらしい。

つくづく世界は狭いものだ。


結局朝はミーティングをして解散になった。

ミーティングが終わり、教室に向かうとマネージャーの美少女に声をかけられた。


「あの、昨日はありがとうございました。あとその怪我、私のせいで、すみません……」


「助けられてよかったです。俺の怪我はただの肉離れだから気にしなくて大丈夫ですよ」


「でも……」


「俺が意識無いとき君が救急車よんでくれたんですよね?母さんから聞きました。女の子が救急車を呼んで周りの人に助けを求めてくれていたって」


「いえ、そんな……。私のせいでそうなってしまったので当たり前です……」


「だとしてもです。その件についてはありがとうございます。これからは僕もサッカー部ですし、よろしくお願いします。あ、ちなみに1Aの風間晋也です」


お互いに謝る、感謝するを繰り返すことになりそうなので話題を変えた。

しばらく練習には参加できないが俺もサッカー部員になるのだ。

出来ることなら仲良くしたい。


「そこまで言うのでしたら……。私は1Bの紺野瑠花です。こちらこそよろしくお願いします」


彼女は綺麗なお辞儀付きでそう返してくれた。

顔がほんのり赤みがかっていたが、熱だろうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る