第25話 紅白戦

そうして紅白戦が始まった。

俺はゼッケンチーム、さっきの彼はユニフォームチームだ。

俺はCF。

分からない人のために一言で言うなら、一番前にいるFWってやつだ。

点取り屋、ストライカーとか言われることもある。

まずは相手ボールからだ。

パス回しもドリブルもかなり錬度が高い。

ちなみにさっきの彼はサイドバックだ。

そして味方が敵のパスをカットし、クリアする。

位地は俺が一番近いので拾いにいく。

さっきの彼と落ちてくるボールの取り合いになる。

彼は腕を使い、俺に取らせないようにする。

俺はまず1歩引く。

そしてボールは彼の元に落ちる。

彼がトラップしたボールに足を当てて奪う。

そこからは俺の得意分野だ。

DFは後ろに置き去りにした彼を含めて四人。

一人目を股抜き、二人目をヒールリフト(自身の後ろで少しバウンドさせたボールを踵で自分の前まで蹴るドリブルの高等テクニック)、三人目をシュートフェイントからのルーレット(身体とボールを回転させて相手を抜くドリブルの技)で抜き去る。

身体が興奮し、アドレナリンがドバドバ出てくる。

あとはキーパーと1on1。

カーブシュートを叩き込み得点を決めた。

その後も結構活躍し試合結果は6‐0。

途中から女子達がギャラリーで色々言っていたが無視しておいた。

夏帆も応援に来てくれていて、めっちゃ手を振ってきた。

恥ずかしいけど振り返しておく。

そして試合後、俺は部員達に熱い歓迎を受けていた。


「お前すげぇな」


「最高だよお前、一緒に全国行こうぜ」


大地と俊は口半開きにして驚いていた。

ドッキリ大成功だ。

そして試合前の彼だが、素直に謝りに来た。


「お前の実力は本当だった。すまなかった」


「気にしないでください。これからはチームメイトですし」


「はは、そうだな。よろしく頼む」


「こちらこそよろしくお願いします」


俺の唯一の取り柄であるサッカー。

それを認めてもらえるのが嬉しい。

俺はサッカー部に入ることを決めた。

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