第20話 うそやん

「え?」


呆けた顔でこっちを見る夏帆。

口が半開きだが、これでも可愛い。

なるほど四天王と言われてしまうだけある。


「何をすればいいのかも分からないけど、俺に出来ることがあるなら言ってくれよ」


「いいの?」


「まぁ他の3人はまだ知らないけど、他ならない夏帆が巻き込まれてんだ。放ってはおけないよ」


「もう……(性格までカッコいいのは反則でしょっ!)」


「ダメか?」


「分かったよ。じゃあ改めてよろしくね、晋也。」


「おう」


二人でガシッと握手する。

照れ臭くはあるが、少し楽しいと感じている自分がいる。

顔面偏差値30のブ男に何が出来るかは分からない。

けどやらなきゃいけないんだ。

夏帆には2度とあんな顔をさせないためにも。


そして二人で帰路につく。

話題は今日の俺についてだ。

新しく出来た友達の話などだ。


「そういや晋也、今日しっかり会話した女子とかはいた?」


「うーん……。あ、本田さんとは話したな。席隣のよしみってやつ?あと教科書見せてもらったよ」


「ねぇ晋也?本田さんって光ちゃん?」


「そうだけど、どうした?」


「彼女も四天王だよ?」


「ぅえ?」

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