第19話 四天王の真実
俺は夏帆に学校を案内してもらっていた。
この令和高校は最新の私立高校であり、様々な最新設備が導入されている。
まず学校なのにエスカレーターがある。
わけ分かんねぇよ……。
他にも生徒証が電子キーになっていて、それでロッカーを解除したりも出来る。
随分と先進的になったものだ。
時代の移り変わりを感じてしまい、遠い目になってしまうのは仕方ないだろう。
そんなとき夏帆はゆっくりと話し始めた。
「さっきの話なんだけどね。その話をする上で晋也に知ってもらわないといけないことがあるの」
夏帆は真剣な目でこちらを見る。
ならば俺も相応の態度が必要だろう。
深呼吸1つして夏帆の目を見る。
「この学校にはね、四天王って呼ばれる四人の女子がいるんだ。可愛いとか綺麗で選ばれた女子四人なんだけどね。その実態は男子から崇拝され、女子から切り離されるだけなんだよ」
「っ!?」
飢えた男子高校生の恋愛対象にされ、女子なのに女子から切り離される。
話を聞く限り、自分達がモテない、好きな人が四天王を好きになってしまう、といった嫉妬や妬みも関係してそうだ。
女子高校生にとって辛くない筈がない。
「そして私も四天王らしいんだ。なりたいと願った訳じゃないのにね」
「夏帆……じゃあお前も……」
「まぁね。だからさっきの3人は私が来たら逃げたんだよ。まぁ私は一人だけ一緒にいてくれる女子がいるから大丈夫。だけど他の3人は違う。どうにかしたいんだよね、」
そう呟いた夏帆の表情は暗く、唇を噛み締めていた。
思い出すのは俺の盾を割ったときの表情だ。
夏帆のあんな顔は見たくない。
だから、
「それ、俺にも協力させてくれないか?」
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