第18話 モブ感

授業が終わって放課後。

俺はクラスメイトの名前も知らない女子3人組に机を囲まれていた。


「風間くん!放課後空いてるかなっ?」


「カラオケとかボウリングとかどうかな?」


「ファミレスで駄弁るのもいいかもっ!」


俺なんかを誘ってくれるとか、なんて転入生に優しい学校なんだ……。

だけど今日の放課後は用事があるのだ。

それは何かと言うと、


「晋也!おまたせっ!」


「「「た、瀧本さんっ!?」」」


「ごめん、今日は夏帆に学校を案内してもらう約束をしてたんだ」


「そ、そうなんだ~。じゃあまた明日ね、」


夏帆が来た瞬間に逃げ出すかのように3人は消えた。

なぜだ?


「あー、やっぱこうなっちゃうか」


「どういうことだ?」


「案内しながら話すよ」


そうして俺と夏帆は鞄を持ち、教室を跡にした。

その頃の教室はというと、


「あれ兄妹の距離感じゃなくね?」


「四天王には勝てないよ……」


「羨ましすぎるっ」


それは見事に勘違いされていた。

勿論二人が知るはずもない。

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