第15話 円

その後HRが終わると、俺はクラスメイトに囲まれていた。

しかもかなり女子である。


「風間くん、今朝瀧本さんと来てたけど付き合ってるの?」


一人の女子が聞いてきた。

他の女子は固唾を呑んで俺を見つめている。

なんか周りの男子たちも、全神経を耳に集中してる気がする。


今日の通学中、夏帆と兄妹なことを周りに言うかという話題になった。

夏帆の答えは○。

だから俺は答えた。


「夏帆とは兄妹なだけだよ」


「兄妹!?名字が違うけど?」


「お互いの父と母が再婚したばっかなんだ。実際に夏帆と会ったのは昨日が最初だよ」


「そっかー、彼女じゃなかったんだね」


「むしろ俺が彼氏なんて夏帆に失礼だよ」


そう返事をすると女子は女子で、男子は男子で円を作り何やら話し始める。


「彼女いないって!やったね」

「抜け駆けなしだから」

「正々堂々勝負ね」

「これ他のクラスの女子も来るよね……」

「四天王出てくるかな?」

「分からないけど夏帆さんは妹、光さんは恋愛に興味ないようだし、あとはあの二人か……」

「うう、倍率が……」



「おい、瀧本さんと付き合ってる訳じゃ無いってな」

「それが嘘って線はある?」

「血は繋がってないだろうけど兄妹では無いんじゃないか?」

「まぁそうだな」

「けどあのイケメンレベル高すぎねぇ?」

「それな。財津負けただろ」

「とりあえず四天王は奪わないでくれ……」

「瀧本さんと同居、羨ましい……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る