第6話 割れた

俺は急いで家に入り、階段を駆け登る。

まず目についたのは開け放たれた俺の部屋のドアだ。

練習する前に確かに閉めたはずだ。

俺は部屋に入る。


まず目についたのは義妹の夏帆だ。

何やら青白くなり、涙を流して震えている。


「ど、どうしたんだ?」


俺は咄嗟に声をかけた。

そして夏帆が震える腕で棚の下の方を指差す。

そこにあったのは割れた宝物の盾であった。


「え、なんでだよ!?」


慌てて割れた盾に駆け寄る。

そして呆然とした。

修復が可能な状態ではない。


俺は言葉を無くす。

そして俺の頭は感情を受け止めきれなくなり、意識を放棄した。

頭が真っ白になる中、見えたのは俺に手を伸ばす義妹の姿だった。

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