第4話 始まり



『 なんだ?その剣。魔力を切り裂いたァ?』


その瞬間 戸惑うベリオを目の前にし

シンの 頭の中にはある言葉がよぎっていた

《 覚悟 》


それは どんなに強い敵にも屈することなく

立ち向かうことの出来る

守るための《 覚悟 》


『 クソが!! 』


ベリオは 両手で魔法陣を作り

巨大な 龍を生み出した


『 死ぬぞ!シン! 』


『 大丈夫。 』


シンは大剣を片手に ベリオの攻撃を

振り払った


『 幻覚...そういうことか 』


『 何故!!おれの魔法が効かねぇえ!! 』


死生界にて、


『 ほんとにあいつでよかったのか? ティナ』


ティナと 何者かが会話をしている


『 シンは 力を秘めている

周りを照らし 未来を創る力を 』


『 あっそ。

あの時空神様が そんなに賞賛するとはな。』


ティナは 笑みを見せた


『 行きなさい。シン

ここがあなたのスタートラインよ 』


『 お前は この見るも無惨な仲間たちの

姿をみて 何も感じないのか?

人間は 悲しい生き物だな!!! 』


嘲笑う ベリオを前に


《 静かなる闘志 》

シンは 全身を集中させていた

怒りか、悲しみか 感情はどこにも見当たらなかったが確信していることがある


『 こいつに勝てる__』


『 地獄ならとうに見た!! ! 』

あの日に制裁を。


魔法をかき分け 脳天からの一撃

シンの一撃は ベリオの魔法の盾を打ち破り

貫いた


《 封魔の剣 》

あらゆる魔法を切り裂き 無効化する


『 何故!こんな雑魚に... 』


ベリオを倒し シンは意識が朦朧としている

リルの元へと駆け寄った

『 シン..お前その額の紋章。 』


『 もう喋るな。必ず.. お前を..』


お前を信じている それが

リルの最後の言葉だった


そして 祠を後にし 町に戻ろうとしたその時

フードの女性が突然 フードを脱ぎ


『 お待ちしておりました。勇者様』


とシンの前で地面に片膝をつき言った


彼女の名前は リベル

魔道士エイルから命じられし者

彼女はそう言った


エイルとは 世界の中心

大国ソルガレス きっての

大預言者の名前だった


そして 8年前 魔獣の襲来により

ソルガレスは滅びた


『 災厄目覚めし日

紋章を持つ者の名のもとに 時止まり流れる 』


ソルガレスの王族だったリベルは

エイルの最後の予言と共に 魔法陣で見知らぬ地に 転送され、生き残り

『 紋章の勇者 』を探していたという


シンの額の紋章は 大剣が消えたと同時に

消え、

紋章は 時空神に貰ったペンダントと似ていた


世界を救い 厄災を滅するその日まで

『 お供します。 』

と リベルは言った


『 なんか堅苦しいな〜 』

シンは 少し苦笑いを浮かべ リベルと

握手をし 共に旅をすることにした


祠を後にし

センタルシアの 墓所に行くことにした

『 騎士の眠る石 』

死者を送り 祈りを捧げる


石版に リルの名を刻み

ペンダントを祀ることにした


リルのペンダントに

映った女性は サラ

リルとサラは2人でパーティを組んでいたが

ある日 サラは一人 攻略班に抜擢され

あるクエストへと向かい 亡くなった

サラを誘ったパーティは 全滅。

その日から 2人は離れ離れになってしまったという


『 リル。俺進むよ。 』


大勢の血、涙、

今回のクエストで 大事な物が見えた気がする


『 人を守るってのは難しいことだな 』


シンは 優しい風に見守られながら

天を仰ぎ言った__

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