第4話
わたしはその日も、いつも通りそれぞれの場所で行われる補習を終えて、彼と一緒に下校するため、待ち合わせ場所で合流する予定だった。
「ゆうとくん!」
お待たせと言おうとして、校舎の角を曲がったとき、いつもは2人だけの秘密の場所に、奴らがいた。
彼は肩を掴まれて、うつむいていた。
「ちょっと!」
私のゆうとくんに。手を出すな!
私が彼を助けようと、一歩前に出た瞬間、後ろから肩を掴まれた。
いつの間にか後ろにも、彼らの仲間がいたのだった。
「離して!」
私は抵抗しようとしたが、2人がかりで体を押さえられ、動かなかった。
「うるせえな、おとなしくしろよ。」
1人が私のお腹を拳で殴った。
初めて感じる衝撃にたじろぎ、前屈みになった。
痛みに耐えながら、最低!と叫んだ。
そんな私を彼らはニヤニヤしながら見ていた。
「おら、こいよ。」
抵抗する私を、男たちは以前彼がいたぶられていた部室の方に引きずった。
彼は、男の1人に肩を掴まれ、引きずられている私の後ろを、うつむいたままトボトボとついて来るのだった。
わたしは例の部室の中に放り込まれた。
部屋の中はコンクリート打ちで薄暗く、
男たちが普段たむろしているのだろう、
いやらしい雑誌や物が散乱し、あとはボロボロのソファがあるくらいだった。
彼も部室に入れられ、扉が閉められると、部屋は一層暗くなり、鉄格子のはまった窓からかろうじて光が入ってくるだけだった。
ソファには男のリーダー格が座り、私たちはその前に、並んではがいじめにされた。
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