第117話〜星機神・最終形態〜
黒いマシンからの通信、その声の主は何と——。
「……ポコ、お前ズルイぜ。そんな憎い現れ方、あるかってんだ。全く……心配かけやがって、馬鹿野郎が……‼︎」
『ゴマ! 今は話してる場合じゃない!』
——ポコだった。
ポコが、生きていた——!
だが、その声色からは以前のポコとは違う、芯の強さを感じたんだ。
「あ、ああ! っと、ぐわああ‼︎」
再会の喜びに浸り、油断してしまう。その隙を逃さずニャンバリヴァイアは、再び猛攻を浴びせてきた。
『気を抜くな! ゴマ‼︎ しっかり僕について来い!』
「チッ……! ポコ、テメエ言うようになったじゃねえか!」
洗練された動き。的確な攻撃。とてもあの弱虫ポコだとは思えねえ。一体どこで、どんな修行してやがったんだ。ボクはポコのマシンの後をついていくのに、精一杯だった。
……とそこに、また別の戦闘機が2機、現れた。
通信が入る。
『ゴマ、聞こえるか。俺だ。デネブだ』
『この暴れん坊ドラゴンを、陸地に誘き寄せるのデース!』
スピーカーから聞こえてきた声は何と、デネブとリゲルだった。
リゲルの奴も、生きてやがったんだ。
『ゴマ! デネブとリゲルについて行け! ニャンバリヴァイアを誘導するぞ! 星光団のみんなにも伝えてくれ!』
再びポコからの通信。
何故陸地に誘き寄せるのか分からねえが、とりあえずポコの言う通りにする事にした。
ボクはみんなに通信する。
「みんな! 見てくれ! あの黒いマシン! ポコだ! ポコが生きてた‼︎」
『な、本当かゴマくん!』
「ひとまず、ニャンバリヴァイアを海岸まで誘い込む作戦らしいぜ! すぐに追いつく!」
ボクとポコ、デネブ、リゲルはニャンバリヴァイアの目の前を飛び回り誘いつつ、すぐにソールさんたちと合流した。
全12機で、ニャンバリヴァイアの目の前を飛び回りながら、海岸まで誘い込む。
一体、どういう作戦なんだろうか。
『陸地が見えてきたぞ!』
「ポコ、本当に大丈夫なのか? 陸地の近くで津波を起こされたら、ニャンバラは壊滅だぞ!」
陸地が目の前まで近づいた時、ポコが叫んだ。
『……現れよ、ガイアドラゴン‼︎』
……何と、海岸近くの地面が割れていき、地中からガイアドラゴンが、咆哮をあげながら出現した。
それに気付いたニャンバリヴァイアは、ガイアドラゴンをひと睨みする。
「守護神タチヨ、我ト合体セヨ。急グノダ」
『ガイアドラゴン! ……合体だと⁉︎ まさか!』
ガイアドラゴンの背中のハッチと、胸部のパーツが開いた。
守護神マシンは再び合体し、瞬く間にスター・マジンガ・改となる。ボクらは大急ぎで、コクピットに集合した。
そして何とマジンガは、ゆっくりとガイアドラゴンの背中へと入っていくじゃねえか。まさか、ガイアドラゴンと合体出来るだなんて。
「な……何が起きてるの⁉︎」
「これは凄いぞ! 見ろ、機獣王レオパルムも!」
機獣王レオパルムに、デネブ、リゲルの戦闘機、そしてフォボスさんとダイモスさんの戦闘機〝エレボス〟が合体して行く。変形しながら、ガイアドラゴンの胸部へと合体し、それは巨大な砲台と化した。——レオパルム
広いコクピットに、ソールさん、ムーンさん、マーズさん、マーキュリーさん、ヴィーナスさん、スピカ、ポコ。さらにライムさん、デネブ、リゲル、フォボスさん、ダイモスさん、そしてボク……全13匹が集合した。
「今コソ、
Lv.350
機神
属性……火、水、風、陽、陰
体力 100000
魔力 9999
攻撃力 9999
防御力 9999
敏捷性 9999
魔法力 9999
耐性……全属性、即死、全状態異常
弱点……無し
超必殺……
グランガイア・メテオスウォーム
星光団の、最後の味方。
超星機神グランガイア、発進‼︎
「さあ、みんな行くぞ‼︎」
「おうッ‼︎」
海岸に、巨大な波を巻き起こしながらニャンバリヴァイアが迫る——‼︎
使える技は、たった1つ。
「行くぞ! これでも喰らえ!」
全員で、最大最強の必殺技の名を、叫ぶ。
「グランガイア・メテオスウォーム‼︎」
超星機神グランガイアの装甲にある全ての砲台から、砲撃、レーザー、ミサイルが一斉に掃射される——‼︎
全ての攻撃は、ニャンバリヴァイアの超巨大な全身を激しく穿つ。直後、耳をつんざくほどの轟音を立てて爆発が起き、白煙に包まれた。
「ウロアアアオオオオオオンンン……‼︎」
ニャンバリヴァイアは叫び声を上げながら、口から大量の泡を吹く。
海の上で巨大な水飛沫を撒き散らしながらしばらく苦しみ暴れていたが、程なくしてその動きを止め——そのまま荒れ狂う海に、飲み込まれて行った。
「やったぞ‼︎」
ニャンバリヴァイアが海中に沈んだ直後——。
蒼天竜ノアが、流星の如く海に飛び込んで行くのが見えた。
「……後ハ、ノアニ任セテオケ。ニャンバリヴァイアヲ正気ニ返シテクレルダロウ」
こうして3体目の
♢
「ありがとう、超星機神グランガイア」
「困ッタラ、イツデモ呼ブガイイ」
超星機神グランガイアは、仮設基地までボクらを送ってくれるようだ。
ボクらは広いコクピットの中で、勝利と再会の喜びを分かち合っていた。
「ポコ! テメエ心配かけやがって!」
「ふふ、後で色々と話そう、ゴマ!」
「リゲル、あんたもよお生きとったなあ!」
「ホホホ、ポコに助けられたのデス。それよりもライムさんからスピカに話があるそうデスよ?」
リゲルの言葉に、スピカの表情が一瞬、曇る。
ポンと、ライムさんはスピカの肩を叩いた。
「ライムさん……?」
ライムさんはゆっくりと頭を下げてから、口を開いた。
「……スピカ。再び、我がニャンバラ軍精鋭として、力になってくれまいか。今度は我らが故郷、ニャンバラを……いや、世界を、守るために!」
「ライムさん……! はいッ‼︎」
つっかえていた何かがスッキリ消えてなくなったような、清々しい顔をしていた——ライムさんも、スピカも。
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