第114話〜超覚醒! 新生・星光団〜

 

 あれから地震は起きる事なく、ボクらは何とか無事に山を下りる事が出来た。

 すぐにミランダを呼び、ガイアドラゴンのいる火山の麓へワープする。



「スター・マジンガ・改! 行くぞ‼︎」



 ソールさんが〝菊花の剣〟を天に掲げると、スター・マジンガ・改が流星のように黒い空に現れ、ボクらのいる場所に着陸した。



「で……でもソール、あの大きなガイアドラゴンにそんな小さな剣で戦えるの……?」


「うーん、この剣はさっきも一瞬でサビが消えたりするような不思議な剣だから、きっと巨大化させてマジンガに持たせたりとか出来るんじゃないか?」


「そんな、適当な!」



 何も分からぬまま、ソールさんは〝菊花の剣〟を持ち、コクピットに着席する。

 マジンガはそのまま飛び立ち、ガイアドラゴンのいる火口へと向かった。



「遅イデハナイカ……!」



 火口に到着すると、ガイアドラゴンが赤い眼を光らせて待ち構えていた。

 ボクは食ってかかった。



「テメエ! 約束破りやがって! 地震起こさねえっつってただろ!」


「……何ノコトカナ? ソレヨリ、菊花ノ剣ハ見ツカッタノカ? ……グガガ……!」



 テメェ……!

 ばっちりその剣、見つけてきたから覚悟しやがれ!


 戦闘態勢に入るガイアドラゴン。



「ソール!」


「クソ、とりあえずヤツに見せるぞ!」



 ソールさんは〝菊花の剣〟をコクピットにかざし、ガイアドラゴンに見せつけた。


 すると——!


 〝菊花の剣〟は7色に輝き出し、その光はコクピットの風防を突き抜け——ガイアドラゴンを直撃した。

 次の瞬間、その光は太陽のように眩く輝き始め、ガイアドラゴンを包み込む——!



「な、何が起きてるんだ!」



 光が雪のようにキラキラと降り注ぐ——!

 ガイアドラゴンの姿が再び現れた時、声が聞こえた。



「……見事ダ、太陽ノ子タチヨ。コレデ悪シキ波動カラ我ハ解放サレタ。試練ヲ乗リ越エシ太陽ノ子孫タチヨ……コレヨリ我ハ、其方ラニ従ウ」


「ガイアドラゴンの禍々しいオーラが、消えていくぞ!」


「み、味方になってくれるの……⁉︎」



 今度はガイアドラゴンから、7色の光がボクらの方に飛んで来る——!



「オ礼ダ。力ヲ授ケヨウ。コノ地球ガイアノ力デ、世界ヲ守ルノダ。……サア行ケ! ト、ソノ仲間タチヨ!」



 星光団はガイアドラゴンの力を受け、さらに覚醒したんだ——!



 太陽神の力を受けし聖騎士・覚醒ソール

 Lv.200

 白ネコ♂

 聖騎士


 属性……陽


 体力 2000

 魔力 515

 攻撃力 1150

 防御力 1412

 敏捷性 860

 魔法力 429


 耐性……全属性

 弱点……無し


 超必殺……

 メロディ・オブ・クリサンサマム



 輝きし望月の大魔導・覚醒ムーン

 Lv.200

 白黒♀

 大魔導士


 属性……陰


 体力 1765

 魔力 1401

 攻撃力 790

 防御力 886

 敏捷性 1465

 魔法力 2103


 耐性……全属性

 弱点……無し


 超必殺……

 グレート・ブラックマジック



 滾る熱情のソードマスター 覚醒マーズ

 Lv.200

 キジトラ♂

 剣聖


 属性……火


 体力 2446

 魔力 214

 攻撃力 2019

 防御力 910

 敏捷性 718

 魔法力 473


 耐性……火

 弱点……無し


 超必殺……

 火燕流



 命凍れる極寒の上忍 覚醒マーキュリー

 Lv.200

 サバトラ♀

 忍者


 属性……水


 体力 1428

 魔力 885

 攻撃力 748

 防御力 510

 敏捷性 2090

 魔法力 1222


 耐性……火

 弱点……無し


 超必殺……

 奥義・氷獄蝶降臨



 美しき女神の祝福 覚醒ヴィーナス

 Lv.200

 三毛♀

 賢者


 属性……風


 体力 1096

 魔力 1439

 攻撃力 532

 防御力 480

 敏捷性 1112

 魔法力 1947


 耐性……水

 弱点……無し


 超必殺……

 フルムーン・ヒール



 愛に目覚めし暁光の勇者 覚醒スピカ 

 Lv.200

 種別不明♀

 勇者


 属性……陽


 体力 992

 魔力 1216

 攻撃力 880

 防御力 927

 敏捷性 2022

 魔法力 646


 耐性……全属性

 弱点……無し


 超必殺……

 ギガ・ライトブラスト



 神の祝福を受けし暁闇の勇者 超覚醒ゴマ

 Lv.200

 白黒♂

 勇者

 属性……陰、陽


 体力 9999

 魔力 9999

 攻撃力 9999

 防御力 9999

 敏捷性 9155

 魔法力 9999


 耐性……全属性、即死

 弱点 ……無し


 超必殺……

 ギガ・ダークブラスト



 ん? ボクのステータスが、前と全く同じような気がするんだが。



「あれ。ボクは何も変わらねえのかよ」


「オ前ハ、タダヒタスラ心ヲ磨クノダ」


「何だよそれは! 覚醒するのが楽しみだったのに、これ以上強くなれねえってのかよ!」


「心ヲ磨ク事ニ徹スレバ、オ前ハマダマダ強クナレル。太陽ノ心ヲ忘レルナ」



 何だよ、心を磨けばって……。

 ……と、そうだ。もう一つ聞かなきゃならねえ事があったんだ。



「そうだテメエ、何で約束破ったんだ。地震を起こさずに待ってるって言ってたろ!」



 ボクは語調を強め、ガイアドラゴンを問い詰めた。

 ガイアドラゴンは眼を緑色に光らせ、堂々とした口調で答える。



「我ハ、アレカラ地震ナド起コシテハイナイ。先程ノ大地ノ揺レハ……地下ニテ何カガ爆発シタカラダ」



 何かが爆発した? 地下で?

 どういう事だ。



「明ラカニ自然現象デハナイ。大地ノ守護竜トシテ、コノコトハ見過ゴス事ハ出来ない。太陽ノ子孫タチヨ、地球ガイアノ破壊ハ止メナケレバナラヌ」


「すぐに基地に戻って、調査しよう!」


「おう!」



 スター・マジンガ・改は飛び立ち、溶岩を噴き上げる火山を後にした。



「ありがとう! ガイアドラゴン!」



 ガイアドラゴンはボクらを見送った後、火口の中へと戻って行った。


 暗闇の中、ライトで街を照らしながら、ボクらはひとまず仮設基地へと向かう。

 街の火は消えたが、大部分が焼き尽くされ、瓦礫の山と化してしまっていた——。



 ♢



「当たり前だった日常が、突然崩れ落ちた」


「自然の力には勝てんよ。この先どうしたらいいんだ」


「災害はいつやってくるか分からない。大切な物を僕らから容赦なく奪って行く……」



 仮設基地に到着し、ボクは避難所の様子を見に行った。避難してきたネコたちの言葉が、ボクらに突き刺さる。涙を流しているネコもいた。

 これ以上、みんなの大切な物をブチ壊されてたまるもんか。

 ミラめ、絶対テメエの企みを止めてやる!


 作戦会議室に入ると、ライムさんとフォボスさんが眠りこけていた。ずっと避難誘導をしてたのだろう。疲れ切った様子だ。



『お疲れさま、ゴマくん。地上では余震は続いてるけど、大きな揺れは無いし、回数も減ってる。桜島の噴火もおさまったし、もう大丈夫だと思うわ』



 ミランダからの報告を聞いて安心したボクは、少し横になり、仮眠を取る事にした。



 ♢



「大変だ! ニャルザルが〝地下ニャークリアー実験〟を強行したようだ」



 ソールさんの声で、ボクは目を覚ました。


 地下ニャークリアー実験——?

 ある事に気付いたボクは、ソールさんに聞いてみた。



「その時間はいつだ?」


「今から1時間30分ほど前だ」



 1時間30分前——ちょうど、プルートのジジイの研究所から出て山を下りるくらいの時間だ。

 その時に、デカイ地震が起きたんだ。



「……間違いねえ。あの地震は、その地下ニャークリアー実験とやらが、原因だ!」


「な、何だって⁉︎」



 ボクの声を聞いたみんなが、飛び起きる。

 そして、さらに悪い事に——。

 ニャイパッドを睨んでいたソールさんが、顔を青くして言った。



「な……⁉︎ 大変だぞ。海中にいた厄災竜カラミティドラゴンが、目覚めてしまった……!」

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