第42話〜さらなる新メンバー⁉︎〜
——いよいよ、出撃だ。
地下避難施設の出口の鉄製の扉の前で、
「希望のネコ族の戦士、
「おう! 任せとけ!」
ボクらは扉をくぐると、一直線に続く通路を走り、突き当たりの階段を登ってマンホールの出口へと向かった。
「みんな、気をつけるんだぞ!」
フォボスさんの忠告と同時に、ボクらはマンホールのフタを開け、外に出ると、焼け焦げた匂いが鼻をついてきた。
外に出ると、辺りはまだ真っ暗だった。森のように茂っていた草叢が完全に焼き払われ、黒焦げになった草花や木々がそこら一帯に倒れている光景が目に入る。
「なんやこれは⁉︎ ひどいやんか!」
「周囲に敵はいないか? 気をつけて進むぞ! まずはソールたちと合流するんだ!」
フォボスさんの言葉通り、まずはソールさんたちと会わなきゃ。
ボクはソールさんと連絡を取るべく、ポケットから通信機を出した。どうやって使うか分からなかったが、テキトーにボタンを押したら、ソールさんと繋がった。
『……ゴマくん!』
「ソールさん、今どこだ? ボクらはマンホールを出たとこにいるぜ。いつでも戦えるからよ!」
『……ああ、急いで来てくれたところ悪いが、新手の敵はとりあえず我々で何とか撃退出来たんだ。森の消火活動も終わった。ひとまず、そちらへ向かう!』
「わかった! ここで待ってりゃいいんだな?」
——チッ、折角気合い入れて出撃してきたのに、ソールさんたちで倒しちまったのかよ。またひと暴れしてやろうと思ったのに……。
程なくして、ソールさんたち5匹は転身を解いた姿で、ボクらの所へと駆けてきた。真っ先にムーンさんがボクの前に来て、深々と頭を下げる。
「ゴマ……! ごめんなさい、ゴマ……」
「ムーンさん……! 大丈夫だったのか⁉︎」
「ごめんなさいね。私たちでは力不足でした。相手はこちらの想像を超える大軍です。ニャンバラ軍は遠隔で魔力を操作し、大量のクレイ・ゴーレムソルジャーを発生させました」
「ああ、あの変な泥兵士か。やはりニャンバラの馬鹿野郎どもの仕業だったか」
「ゴマ……、ソールから聞きました。あなたは信じられないほどの高い潜在能力を持っていると。あなたの力が必要です。……一緒に戦ってくれませんか?」
ムーンさんに改めてそう言われ、思わず口角が上がる。やる気が
やっぱり、ボクのチカラが必要なんだ。
今度こそ、ニャンバラの奴らを黙らせてやる!
「ああムーンさん。任せてくれ!」
♢
今は森も街もひっそりとしている。ボクらは敵の残党を探すべく、焼け焦げた草叢を歩いて行く。
見渡すとそこら中に、あの泥兵士の残骸が無数に横たわっている。その不気味さに顔を歪めていると、マーズさんの叫び声が聞こえた。
「おい! あれを見ろ!」
マーズさんが指差した方角を見ると、光を点滅させながら飛行する円盤の大群が、街の方へと向かって行く。
夜空を、円盤の光が埋め尽くしていく。そのうちの一際デケエ1機の円盤が、平原へと着陸して行った。
「まずい、街へ急ぐぞ!」
ボクらが街へと駆け出そうとしたその時——、再び地面から、あの泥兵士がニョキニョキと現れやがった。
さらに、何と焼け残った草木が動き出し、茎や幹に目と口が現れ、奴らは奇声を上げながらボクらの方へと向かってきた。
「くそ! こんな時に! 行くぞ、星光団! 転身するぞ!」
「おう!」
ソールさんの号令でボクたちは、一斉にポーズを取り、お決まりのあのセリフを唱えた。
……今度は噛まねえぞ。
「聖なる星の光よ、我に愛の力を!」
ボクらは光に包まれ、転身する。瞬時にそれぞれの装備が、光の中から現れた。
「
「
「
「
「
「
「もふネコ戦隊!
剣を抜き、気合を入れ、一歩踏み出そうとした時だった。ふと隣を見ると——スピカの奴が、桃色に輝く剣と盾を装備している。
おい待て、まさか、お前……!
「
スピカ……⁉︎ まさかスピカも、星光団として認められたって事か⁉︎
「スピカ、お前!」
「話は後や。今はこのクレイ・ゴーレムソルジャーの大群を潰してまうで!」
ボクが闇の勇者なら、スピカは光の勇者ってか。面白え。
さあ、星光団——出撃だ!
「さあゴマくん、スピカさん、一緒に行こう!」
「おうよ、ソールさん!」
「任せとき!」
フォボスさんとダイモスさんも、装備を整えて戦闘態勢に入る。
「ダイモス! 俺たちも行くぞ!」
「ああ! 存分に暴れてやろうぜ、フォボス!」
フォボスさんとダイモスさんは転身できないらしく、剣と鎧を装備してそのまま戦うようだ。
——と、今度はヴィーナスさんが、黄金色に輝くビームみたいなのを、ボクらに浴びせつけて来た。
「フン、仕方ないから、パワーアップさせてあげる。その代わり、絶対勝ちなさいよね‼︎」
ヴィーナスさんは一体、何をしたんだろうか。ボクは目を瞑り、ステータス解析能力を発動した。
明けの明星
光属性 消費魔力……5
攻撃力+30 防御力+30 魔力30回復
ステータス
だが、ボクは元々攻撃と防御は999で、いわゆるカンストってやつだから、意味がねえ。ボクは何とも得意な気持ちだった。
「みんな行くぞ!」
「おう!」
いよいよ戦闘が始まる。
——が、ボクは何もせずに様子を見る事にした。
泥兵士が殴りかかり、草木の化け物がツルの鞭を叩きつけてたりしたが……、ボクは痛くも痒くも、くすぐったくも無え。
それに引き替え、ソールさんたちは次々に襲いかかる敵どもを、火花を散らしながら必死に
みんなが苦戦し始めたその時に——。
ボクは一撃で敵どもを沈め、ソールさんたちをアッと驚かせてやるんだ。
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