第7話:見せしめの残虐刑
神殿長が集めてきた小作人という名目の難民は、全員が善男善女ではありません。
働かせるにしても多くの問題が発生し、解決には多大な労力が必要になります。
神殿長が将軍であった頃は、腕力だけで支配できました。
ですが今は、神殿長という肩書があるために、本当は全く反省していないのに、型だけ懺悔する悪辣非道な者を、許さなければいけない立場なのです。
そして悪人というは、そういう所を突いて自分だけ罪から逃れようとするのです。
私は、そういう姑息で下劣な奴が大嫌いなのです。
そういうモノを、絶対に許せないのです。
ですが、元とは言え聖女ですから、罪を犯したとはいえ、人に罰を与えると、それを悪評として広めようとする者がいるのです。
今後の事を考えると、そのような隙を見せるわけにはいきません。
でも、悪人を見過ごすのは絶対に嫌なので、魔獣に罰を与えてもらいました。
「さて、この中に女性を襲った者がいます。
神殿で懺悔をし、許しを請うた事で、罰を受けないで済むと思っているかもしれませんが、そうはいかないのです。
ここには元聖女の私がいて、神様の目が行き届いているのです。
神殿長の許しを得たとしても、神様が許してくださるとは限りません。
今から神様の使いが悪人を裁きます。
どのような行いが神様の怒りを買うのか、よく覚えておきなさい」
私の言葉が終わると、姿の見えない魔獣が、集団で女性を犯した連中の脚を噛み千切り、逃げられないようにしました。
その後で一人一人順番に裁きを下したのですが、その激烈な処罰は、見ている者の心に焼き付いた事でしょう。
両手を持って吊るし上げられた男は、腹を鋭い爪で引き裂かれ、内臓を引きずり出されてしまったのです。
楽に死なせないように、止めは刺しません。
罰は楽に殺す事ではなく、長く苦しめる事です。
腐れ外道の強姦魔たちに襲われた女性は、死ぬまでその事で苦しむのです。
二三日死ねずに激痛に悶え苦しもうが、極短い期間でしかありません。
それに痛みにのたうち回り、助けを求め、死を願うモノを見れば、同じように女性を襲おうとする者は出てこない可能性があります。
見せしめのためには、長く苦しんでもらわないといけないのです。
もし私に万能の力があれば、この強姦魔たちが女性を襲おうとした時に、助けに駆けつけることができた。
だが私にはそんな力などなく、襲われた女性は一生の苦しみを背負うことになってしまった。
せめてもっと多くの魔獣がいてくれたら、女たちを護る役目を任せることができるのだが、早々都合よく魔獣が集まって来てくれるわけではない。
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