第198話 ライナ、愛と友情を噛み締める

 リア充になると爆発する(比喩なし)クラス1の銀髪美少女が俺だけに懐く

https://kakuyomu.jp/works/1177354055321580150


幼馴染に異常性癖を暴露(アウティング)されて破滅するけど、〇〇〇希望のかわいい彼女をゲットしたので人生楽しい~幼馴染が後になって後悔しているようだけど、もう遅い

https://kakuyomu.jp/works/1177354055321729021


 ビクスキ!最新話の他に新作を2話公開しました!

 どちらも一定の☆以上でヒロインをイラスト化します!

 良かったら読んでみてください。



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 【フォンタナ】のスイートルーム【ローレライ】で目覚めた時、ドミーもミズアもいなかった。

 朝、と言うには日がかなり登っている。

 私だけ寝坊したようだ。


 ドミーに触られた箇所、つまり体全体がヒリヒリとする。

 下半身は念入りに触られたため、未だに熱を帯びているようだ。

 特にヒリヒリとしてるのが…って何言ってるんだ私は。


 「ドミーってば、もう少し強引でも良いのに…」

 昨日の夜のことを思い返し、赤面しながら呟く。


 ヒリヒリとしてる箇所を自分で触ると、昨日のことが思い出されて体が熱くなった。



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 ー俺はいつまでもライナにリードされる男じゃない。


 【シオドアリの巣】から帰還した後、宣言通り昨日はドミーにリードされることが多くなっている。

 着実に覚醒が強まっており、私を翻弄するのもお手のものだ。


 優しく触る。

 強く吸い付く。

 緩急を付けながら焦らす。 


 だから、私はドミーの背中にしがみついて、叫んだり、泣いたり、全身に力を入れたかと思えば脱力したり、くすぐったさに笑ったり、なすがまま。


 私もなんとかドミーに刺激を与えようとするのだけどー、


 ーひゃあああん!腋は、反則よぉ…

 ー今日は俺に身を委ねてくれ。 

 ーそ、そうだけど。んっ…


 敏感なところを触られ、優しく阻止される。


 ーライナが幸せそうで、ミズアも嬉しいです…


 後ろからは、ミズアが優しく耳を甘噛みしたり、意識を失いそうになる私の体を支えたり、献身的にサポートしてくれた。


 ーごめんね、ミズア。私だけ…

 ーいいのです。ライナは、ドミーさまに体を委ねてください。


 これだけされて、もちろん平静でいられるはずはない。

 私は何度も【絶頂】して、最後の方は肩で息をしている状態になった。


 ちょっと疲れたけどそれ以上の幸福感に包まれたし、ドミーの成長を感じられたのは嬉しい。




 でも、1番重要なことはまだ済ませていなかった。


 ー行けるか? 

 ーう、うん…いたっ…ドミー、怖い…

 ー大丈夫か?

 ーだ、大丈夫!何も言ってないよ!

 ー無理するな、震えてるじゃないか。


 私が臆してしまったからだ。 

 ドミーが、ちゃんと準備してくれたのに。

 慌てて口をつぐんだ時にはもう遅かった。

 ドミーは私に怪我がないか確かめた後、優しくこう言った。


 ーもう朝も近い。今日はこれまでにしよう。

 ーご、ごめん…

 ーおいおい、謝る必要はないぞ?今日だけでかなり形にはなった。もう少しだ、焦る必要はない。

 ーうん…


 心配してくれるのは嬉しいけど、歯痒さもあった。

 人類を救いたいという想いをドミーも抱いてるはずだけど、最優先は私のことらしい。


 最後に長い口づけを行い、その日の交わりは終わった。

 

 (だめね気を遣わせちゃ。次はちゃんと我慢しないと…)  


 世界を救うには、私が痛みを受け入れなければならない。  

 そう、私が。

  

 本当に私で大丈夫?

 できるのかな。

 世界を救うなんて。


 「…怖くなんて、ないんだから」


 体の震えを止めるため、決意を口にする。

 身支度を整えようと立ち上がると、テーブルに朝食が置いてあるのが見えた。

 すぐそばに、メモが添えられている。




 きょうはいちにちやすみでもいい。

 おれとみずあはでかける。

 ごえいはじゅうにんつける。

 からだをたいせつに。


 どみー




 下手だけど、一生懸命書かれた字。


 ドミーはその出自からちゃんとした教育を受けることができなかった。

 特に文字を書くのが苦手だったんだけど、最近は練習を重ねて簡単な文章な書けるようになっている。


 「…ありがとう。私、頑張るからね」

 もう12月だと言うのに、心がぽかぽかするのを感じた。

 メモを手に取り、胸に抱いてしばらく感触を楽しむ。

 胸に抱いていた恐怖は不安が、すーっと引いていくのを感じた。

 しばらくの間、ずっとそうしていた。




 ドミーに文字で想いを伝えられたのは、実は初めてなのである。

 いわば、私にとってのラブレターなのだ。



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 支度を終えた私は、【炎魔導士のローブ】を身につけ【フォンタナ】を出た。

 

 待機していた【ドミー軍】の護衛10人の出迎えを受け、市街地へと向かう。

 

 「ライナ補佐官、どこに行くのですか?」

 「湧いている温泉が飲めるスポットなんてどうでしょう?」

 「フランクフルトが美味しい店があるみたいです!」

 「故郷のお母さんに首飾りを買って帰りたいのですが…」


 聖夜が近いと言うこともあって、【ドミー軍】の面々も少し浮かれているようだ。


 「あまり浮かれちゃダメよ。暗殺者もどこにいるかわからないんだから」

 「「「申し訳ありません!」」」

 「いや、この前みんなに助けられた私が偉そうに言うのも変か。私の用事が済んだら、街を少し観光しましょう」

 「「「喜んで!!!」」」


 私の用事。

 観光…もあるけど、それはあくまでオマケ。




 本題は、自分の身を守る術を増やすこと。

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