第52話 ミズアとライナ、はじめての3P

 「ふんふんふ〜ん♪」

 【やどりぎ亭】の浴室ーといっても金属の風呂桶に水を張っただけの簡素なものですがーで、ライナさまが歌っています。

 どうやら炎を放つ【遠距離系スキル】の使い手のようで、杖から放つ火を使い、桶を器用に温めています。


 「あ、あの…」

 「もうちょっと待ってね〜ラムス街の【シャワー】があればよかったんだけど、流石にもっていけないから」

 「それはいいのですが…」

 顔が、熱くなるのを感じます。

 「何も服を脱がれなくても…」


 ライナさまは、裸となっていました。

 【廃兵院】で怪我をした兵士たちの世話をしたことはありますが、【女性】のその…肢体を見るのは初めてかもしれません。

 

 「何よ、他人事みたいに。あなただってそうじゃない」

 「…!」


 そう、ミズアも先ほどー、


 「ラ、ライナさま!?なにをー」

 「決まってるでしょ。身を清めるのに服はいらないわ。でしょ?ドミー」

 「まあ、そうだが…」

 「あ、今ミズアの体見ようとしたでしょ!この変態!」

 「み、見てないわ!」

 「とにかく、私たちが先に入るから待っておくように!」


 浴室に連れ込まれ、服を脱がされた挙句ー、


 「さあ、こんなもんでしょ。入ろ入ろ♪」

 一緒に風呂桶に入ることとなりました…



==========



 「ミズアの体、奇麗ね!すべすべじゃない」

 「ありがとうございます…」


 風呂桶は狭く、ミズアとライナさまは密着状態となりました。

 暖かい水の中でも感じる、お互いの体温。

 そして、体の柔らかい感触。

 こんな経験ははじめてです。


 「その、ライナさま」

 「ライナでいいわよ」

 「はい、ライナ。ドミーさまとはどのようにして出会ったのですか?」

 「そうねえ。深い森の中だったわ」


 ライナは、目を細めます。

 「私はあの時色々自暴自棄になっていて、悩んでいて、その時ドミーと出会ったわ。まあ、色々と言えないこともあったけど」

 「そうなんですか…」

 「それで、お互いコンビを組んで、王と対峙して、ギルドに認められて、国境地帯に出発して…いろいろなことがあったわ。それで?」

 「?」

 「あなたのことよ、ミズア」

 「ミズアのこと…」

 「どうして、ドミーに付いて行く気になったの?」


 簡単には、回答できない答え。

 可能な限り、話していきます。


 「ミズアは、ドミーさまに3度命を救われました。【竜槍】を抜くときにも、ミズアの力になってくれました。大好きなロスヴィータの命を救ってくれました…」

 「だから、好きになっちゃったんだ」

 「いえ、そんなー」

 「ごめんごめん、からかいすぎたわね」


 ライナは、大きく息を吐きました、


 「でも安心した。ミズアの知ってるドミーが、私の知ってるドミーと同じで」

 「…」

 「私たちは…仲間だけど、裏ではライバル関係なのかもね」

  

 ーその恋は、恐らくかなわぬぞ。あやつには、すでに強いきずなで結ばれた【女性】がおる。


 ずきん。

 【ファブニール】に言われたことを思い出し、胸が痛みます。

 それでもー、


 「ま、負けません…」

 「ふふふ、私も負けないわよ」

 少しだけ、意地を張りました。

 ライナは微笑みました。


 「お互い頑張りましょうね。好きな人のために」



==========



 「さあ、まずは【抱きしめの儀式】からね」

 しばらくして、ミズアとライナは浴室から出ました。

 ドミーさまも浴室で身を清め、いよいよビク◯…儀式の時です。


 ー私たちとドミーは一蓮托生なのよ。

 浴室を出る直前、ミズアさまに言われたことを思い出します。


 ー私たちは、ドミーに【絶頂】させられて【強化】できないと、真の実力を発揮できない。特に私はね…逆に、ドミーは【強化】された私たちの助けがないと生き延びられない。

 ーそれを、肌を合わせて確認し合いましょう。儀式として。


 「…ミズア」

 「はい」


 一簡素な下着だけを身につけたミズアは、ドミーさまと抱擁を交わします。

 本来であれば永遠の友情を誓い合った【女性】同士で行われる、【抱きしめの儀式】です。


 「…!!!」

 ミズアの肉体を、強烈な快感が襲います。

 それだけでも大変なのにー、


 「ひゃん!」

 「あら、結構敏感なのね。ミズア」

 後ろから、ライナに首筋を舐められます。

 

 恥ずかしい。

 恥ずかしい。

 怖い…


 ミズアは、このような時声を出すのが苦手です。

 自分が隠している心が、全て出てしまうように感じるから。


 「我慢しなくていいよ、これはドミーの肉体に触れた【女性】だけが感じられる、特別な感覚なんだから…」


 そう言われー、


 「くっ…うううううん!」


 我慢できずー、


 「あああっ!ドミーさまあああ!!!あっ…はあっ!…あああ」

 全身を突き抜ける快感とともに、大声をあげてしまいました。

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