第29話 ドミー、状況を整理する

俺の名前はドミー。

俺以外の人間が全て【女性】であるレムーハ大陸において、唯一の男性だ。

今日から、少しづつ日誌を書くことにする。

王を目指す以上、文字ぐらいすらすら書けるようになりなさい!とライナに言われたからだ。

一応ロザリーから文字を教えられていたので、汚いながらも書き残すこととする。


軽く、今の状況を整理しよう。

【男性】は【女性】なら全員使える特殊能力【スキル】を使えないばかりか、1000年に一度しか生まれない不浄な存在として侮蔑されていた。

そのせいか、俺は奴隷としてこき使われ、荷物持ちとして所属していた冒険者集団【アレスの導き】も追放される。

失意の中にあった俺に授けられたのが、《触れた女性をビクンビク〇させるスキル》、通称【ビクスキ】だ。


この【ビクスキ】を使ってー、


ムドーソ王国を無血占領するのが今の目標だ。




==========



【ビクスキ】スキルには、触れることで【女性】に影響を与えるさまざまな効果がある。

1つずつ振り返っていこう。

以前とは、多少呼び名を変えた部分もある。


まず、触れた【女性】に強烈な感覚を与え、敵意を奪う【誘惑】だ。

どんな感覚って?

俺のパートナーであるライナによると、「なんか最初はくすぐったいんだけど、ちょっとずつ切なくなってきて…幸せな気持ちになるの」だそうだ。

まあ、深くは詮索しない。

とりあえず、【誘惑】を掛けられた【女性】は無条件で俺に好意的になり、攻撃することはなくなる。

ただ、なんでも言うことを聞くわけではない。

「今すぐ自害しろ」といった到底受け入れられない命令は、拒絶される。


【誘惑】を続けると、【女性】は徐々に顔が紅潮していき、ビクンビ〇ンとなる。

…これは【絶頂】ということにしようか。

【絶頂】状態に至った【女性】は【ビクスキ】の影響力が強まり、より従順さが増すようだ。


また、【絶頂】には俺の【ビクスキ】の経験値を貯める効果がある。

俺の【ビクスキ】のレベルは3となっているが、【絶頂】を繰り返せば、レベル4、レベル5となっていくわけだ。


また【絶頂】状態に至った【女性】からは、詳細な【スキル】やステータスを閲覧可能となる【スキルチェック】を実行できる。レムーハ大陸では【スキル】やステータスを確認する手段に乏しいため、便利な機能だ。

例えば、俺のパートナーライナに対して【スキルチェック】を実施すると、以下のようになる。


1.魔法士ライナ


種族:女性

装備:【炎魔導士のドレス】【ルビーの杖】【ルビーの腕輪】

クラス:魔法士

ランク:C+

スキル:【ファイヤ・ダブル】

体力:5

防御:12

魔力:35

【絶頂】した回数:367回

【絶頂】しやすいポイント:腋

【服従条件】:ドミーが優しくしてくれるなら…なんでも


※状態異常【成長阻害の呪い】により、【スキル】を行使してもランク及びステータスは成長しません


俺以外の人間は冒険者としての強さを示すランクしか確認できないことを考えると、情報量が全く違うのが分かるだろう。


-まとめ


【女性】に触れる事で【誘惑】状態とし、そのまま【絶頂】まで持っていくことで、一定の服従+【ビクスキ】の経験値獲得+【スキルチェック】を実現する。

これが、【ビクスキ】の基本だ。



==========



次に、【ビクスキ】の追加効果について解説する。


1つ目が、【絶頂】させた【女性】のステータスや【スキル】を強化する【強化】だ。

ただし、【強化】は30分ほどしか効果がない。

【強化】状態を永続させるには、絶えず接触する必要がある。

ちなみにライナを【強化】すると、以下のようになる。


1.魔法士ライナ(【強化】後)


種族:女性

装備:【炎魔導士のドレス】【ルビーの杖】【ルビーの腕輪】

クラス:魔法士

ランク:A+

スキル:【ファイヤ】【ファイヤ・ダブル】【フレイム】

体力:最大67

防御:最大85

魔力:最大357


最大と書いているのは、【絶頂】の質によって、多少の変動が発生するからだ。

それでも、元の状態と比べて、非常に強力となっているのが分かる。

俺の【ビクスキ】もレベル1から3となっているため、かなりの【強化】を施せるようになった。


また、ライナに対しては、一瞬で【絶頂】を実現する【クイック絶頂ポイント】を背中に設定している。

【ビクスキ】がレベル2となってから追加された機能で、早急に【強化】を行いたい場合に便利だ。

まだ何人かに追加できるので、信頼できるパートナーに対して設定したいと思う。


最後に、【女性】を完全に支配下に置くため、満たすべき条件が【服従条件】だ。

俺がこの条件を満たせば、【女性】は【完全服従】状態となる。

文字通り、なんでもしてくれる存在となる。

…やるつもりはないが、「今すぐ自害しろ」という命令もだ。

ただし、【服従条件】は癖が強いものもあり、簡単には満たせない。

例えば、【ドミーさまとムドーソ王国縦断マラソンがしたい❤️】といった遠慮したいものもある。

俺に全幅の信頼を置いているライナしか、まだ【服従条件】を満たせていない。


-まとめ


【ビクスキ】の追加効果として、【絶頂】した女性のステータスや【スキル】を強化する【強化】、一瞬で【絶頂】を実現する【クイック絶頂ポイント】、条件を満たせば完全支配下に置ける【服従条件】が存在する。



==========



「ふう…こんな感じか。なかなか疲れるな」

「…朝っぱらから何してんのー?」

「おお、ライナ。お前の言う通り日誌を書いてー」

「ふああ…とりあえず寝起きの【口づけ】と【絶頂】おねがいー」

「…分かった」


最近、ライナから求められる回数が増えている気がする…







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る