第一章 今宵のアヤカシ


 今日も朝から、お天道様は、お元気でいらっしゃる。こんな暑い日は、木陰で、ゆるりと寝るのが一番。


おや?あれに見える若い女。どこかで見たような……。


そうだ。あの女、昨夜の女。


髪型や服装が違うので、一瞬、分からなかったが。


長い黒髪を二つに結び、制服姿の女は、昨夜と違い、現代的な感じだ。


しかし、その顔からは、元気がなく疲れた様子である。


それはそうであろう。あれから2時間程の時間が過ぎただけ。多分、眠れていないのだろう。


フラフラの足取りで、カバンを持って歩いている。

今から学校か?


やれやれ、ご苦労なことだ。

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