第一章 今宵のアヤカシ


 しばらくの間、抱き合っていた二人だが、露がゆっくりと身体を起こした。


「優也さん、お腹が空きましたでしょう?お食事、作りますね。」


そう言って立ち上がろうとした露は、フラリと、よろける。


「大丈夫かい?露さん。」


そっと、露の身体を支える優也。露は、軽く笑って見せる。


「どうしたのかしら?私。なんだか、身体がダルいわ。」


「疲れてるのかい?食事はいいから、君も、少し休むといい。」


「……ごめんなさい。」


露は、疲れたように、ソファに腰を下ろす。

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