第4話 祖母

私の家系は視える家系ではありません。


あまり、人にこの話をしても、信じてもらえない上に、変な目でみられるので言わないでおいた事があります。

それは、私の父の母。

つまり、私の祖母にあたるおばあちゃんです。


私の父は養子なので、一緒に暮らしていたわけではありません。

ですが、夏休みや冬休みには必ず行っていました。


それの何が不思議かといいますと、その父方の祖母の家には、ケースに入った日本人形た沢山ありました。

今は亡くなっておられるので、ありませんが、当時、その日本人形が怖くて、怖くて……。


そして、一部屋の両脇においてあり、両側には青い布がしかれていました。


もう十数年前になるので記憶もおぼろげになっています。


その祖母が視る人でした。

幽霊を――ではありません、仏様をです。


不思議に思い母に

「なんで、視えるん?」

と聞きました。

「若い頃に、修行して、視えるようになったんやて」

「修行したら視えるん?」

「わからんけど、視たいから修行しはったんちゃうか?」

「どこで?」

「そこまでは聞けんわ」


そこまでしか母には聞けませんでした。


けれど、小さい頃、行く度に視てもらっていました。


祖母の手には火を灯したろうそく。

そのろうそくを私の体から少し離したところで、八の字のように動かし、何かを唱えられていました。

奇妙な感覚でした。

何か、中をさぐられているというか、なんというか。


それが終わると、「大丈夫や」と言われ、

仏壇に手を合わせておしまいでした。(多分、なんとなくでしか覚えてなくてすみません。なんせ、子どものころでして)


それに、高校受験の時も、合格するか視てもらいました。

すると、

「大丈夫や、こっちに来よってやわ」

と、言われました。


合否はというと、合格でした。


未だに、『視える』ってどんな感覚なのだろう?と思ってしまいます。


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