35)番外編を書く楽しさ

 今、本編を書き終わって、書き足したいところなどを番外編として書いています。オムニバス形式なので、話が一つ一つぶつ切れとなります。多くても一万字越えるくらいでしょうか。

 そんな番外編なのですが、なんというか、本編よりも書きやすいことに気がつきました。そこで、なんでだろうと考えてみたのですが、一番真っ先に思ったのが、「すでに出来上がった物語であるから」ということです。

 そこに世界の説明も、キャラの説明も必要がない。なんの説明もせずして、すぐに話の核心に迫ることができるわけです。これは楽です。まあ、そうなるために本編で長々と説明をしている訳でもあるのですが。


 次に思いついたのが、前後の事をあまり考えなくていいということ。ある程度の長編になると、A地点からB地点に辿り着くまでの過程を書かないといけません。いきなり面倒だからと、ワープするわけにはいかない。となると、AとBをくっつけるためにあれこれと考えないといけない訳です。

 その点、オムニバス形式の番外編は、エピソードを一つ一つ切り取っているので、そこに繋がりを作る必要はありません。話として全く無関係という訳ではないのですが、多少のぶつ切り感は許されているというか。


 そして、書いている私が気が楽だということは、読んでいる人も楽なのかなとも思いました。長ったらしい説明を読む面倒もなく、紆余曲折して遠回りさせられることもなく、するりと本題に入るわけですから。

 となるとですよ、本当は本編もこれくらい楽な方がいいんだろうなと思い至ったわけです。(今さらですが!)

 しかし、ここですなさと悩む。長ったらしい説明もなく、紆余曲折な遠回りもなく、するりと本題に入れる方法ってなんだ? 著しく自身の技量のなさを感じずにはいられません。


 先日、何かの番外編で会話形式の物語を読ませてもらいました。が、あまりに説明不足で、軽妙な会話のやり取りを素直に楽しめない。作品を独立させて、作品紹介の説明だけで読めそうな雰囲気でしたが、これは本編を知っている人じゃないと楽しめないんじゃないかと正直思いました。

 一方で、やはり先日読み始めた長編は、三話くらいでするりと話に入っていける楽さがありました。このはすごいなと。舞台は異世界(いわゆるテンプレ的な異世界じゃないですよ~)、それなりに世界の背景とか説明が必要です。何が違うのかなあと、柄にもなく思ってしまった次第です。


 次に書こうとしている作品は、あやかしの国と人の国を行ったり来たりします。いわば、異世界と現代のチャンポンのようなファンタジー(しかもジャンルは恋愛)です。こんな、よく分からない設定で、この「するり感」が欠如すると、初めての読者の方がなかなか物語に入っていけないなと思った訳です。先日から、どの場面から話を始めようかとか、何を先に説明すれば違和感がないかとか、そんなことばかり悩んでいます。そして、すべて上手くいかない(うう……)


 物語の書き始めだったり、設定の説明だったり、皆さん何か工夫していることございます??

 今日もすなさとの悩みは続きます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る