2)本棚企画について~読む自由~

 先日、近況ノートに「読み合いが苦手なので本棚企画はありがたい」というコメントをいただきました。

 私の自主企画は「本棚企画」です。「読み合い」ではありません。理由は、自分自身が強制されることが苦手だからです。読むことを強制されるのって、辛くないですか?


 あなたの作品を読んだのだから、あなたも私の作品を読んで当然だなんて、私は思いません。なぜなら、読書には好みというものが絶対的に存在し、好みに合わない読書ほど苦痛を伴うものはないと思うからです。


 私は子供のころ、母親から「本を読むのをやめろ」と怒られるほど本ばかり読んでいました。児童文学からはじまり、推理小説、ファンタジー、古典文学、日本文学、そしてライトノベルなどなど、ほんと雑食です。

 でも、読書感想文は大嫌い、夏休みの読書の宿題も大嫌いでした。なぜなら、読むことを強制されるから。読みたい本がないんです。無理やり読まされても、興味がないものを読まされても、本はひとつも面白くない。


 ファンタジーの金字塔「指輪物語」は有名ですね。異世界ファンタジーを書いてる方なら読んだ方も多いのではないでしょうか。しかし私は、ホビットたちが歌う数ページにも及ぶ叙事詩(?)に耐え切れず途中で断念。

 かの文豪・夏目漱石の「坊ちゃん」、主人公の偉そうな語り口が鼻につき、最後まで読めませんでした。カミュの「異邦人」、主人公のムルソーに感情移入どころか理解すらできず。太宰治の「人間失格」に至っては、最後のページをちら読みして「これ読んだら、きっと私は自殺する」と直感的に思い本を閉じました(笑)。


 名作と言われていても、好みでないと読めません。逆に、名作でなくても好みなら読めます。本って案外、そんなもんかなあって思ったり。

 つまり、何を言いたいかというと(笑)、ここに集う作品を読めと誰かに強制する必要も、読めない(読まない)ことに罪悪感を抱く必要もないってことです。

 だって、ここはカクのもヨムのも自由なカクヨムなんですから。

 読書くらい自由にさせてくれ。


 というわけで、すなさとの企画は読むことに自由な本棚です。好きなときに好きな作品を自由気ままに手に取れる、そんな本棚になればいいなと思います。

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