十五話 Sクラス

 しばらくして、入学式が終わったので自分たちの教室に来ていた。


「みんな席に着いたな。私はこのSクラスを担当することになった、リリアーヌ・エピナントだ」


 教室に入り十人全員が席に着くと紫髪のポニーテールをした女性が自己紹介を知る。


「この後の予定だがクラスメイトの自己紹介をしたのちに、學校のシステムやSクラスの特徴を説明する。まずは順位順に自己紹介をしろ」


 リリアーヌ先生が自己紹介を促してきたので俺は教卓の前へと移動する。


「先ほどの入学式で挨拶をしたのでわかっていると思いますが改めて自己紹介をします。ジルベルト・ロワ・クロノスです。立場とか関係なく接していただけるとありがたいです」


 自己紹介をして自分の席へと戻る。それと同時にテンリの自己紹介へと移る。


「私はジルベルト殿下の専属騎士である、テンリと言います。私とも仲良くしていただけると幸いです」


 テンリが自己紹介を終えて戻ってくる。


「もっと話した方がよかったでしょうか?」

「別にいいんじゃないか。俺も立場関係なくと言っているが気にしないことはできないだろうしな」

「それもそうですね」


 小声で会話をしながら自己紹介を聞いていく。

 すると、見覚えのある人物が教卓の前に立った。


「私はリオン・コント・ローレストと言います。種族はハーフ獣人です。名前を聞いて貴族だと思ったと思いますが、もともとは平民で貴族の養子になっただけですので普通に接してくれると嬉しいです。よろしくお願いします」


 帽子を脱ぎ、水色のショートカットをしていて頭の上に猫耳が生えている少女が自己紹介を終える。


「あの子ってジルにぶつかった子ですよね」

「ああ、そうだな。それにしても養子とはいえ伯爵だったとはな」

「会ったことないんですか?」


 テンリが俺に聞いてくる。


「伯爵家の人間だったら会ったことあるはずだけど、養子になったのが最近なのかもしれない」

「なるほど、そういうことですか」


 それにしてもあれが本物の獣人かぁ。できれば仲良くしたいな。

 そこからあと5名が自己紹介をし終える。


「全員、自己紹介が終わったな。それではSクラスについて説明する」


 リリアーヌ先生が前に立ち説明を始める。


「まずSクラスに授業というものはない。自分たち自らで学び学力をつけていくという特別なクラスだ。それに伴い特別に金が支給される」


 へぇ~。Sクラスには授業がないのか、じゃあ、兄様たちは自習だけで主席を維持し続けていたということか。すごいな。


「だが、順位が十位より下に落ちた場合はペナルティと落とした年の内はSクラスに戻ることはできないので気を引き締めて勉学を怠ることがないようにしなさい。説明は以上だ」


 リリアーヌ先生が説明を終える。


「今日はもともと他のクラスも授業はないので寮に戻り、自由行動をしてもよい。学園外に出るときは外出の許可を取ってから出るように」


 リリアーヌ先生があらかた説明を終えて教室から出ていく。

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