こんなつもりじゃなかった!!

あぁーーーもうっ!さっきの何よ!!ちょっとからかってやろうと、ふざけただけなのに押し倒してあろう事か素直に可愛いなんて言うなんて卑怯よ!


七海はついさっきリビングで司に押し倒されたことについて1人で悶々としていた。


私に対して好意を持っていることは前から気付いてたけどあそこ照れる場面でしょ!あんなストレートにやられるとは思わなかった。

え?なんで気付いてるかって?そりゃ気付くよ...小学生の時のあれから司の私に対する目線が変わった。それが恋慕と気付くのは中学生の時だけどね。

まぁ、今告白されてもまだ無理かなぁ。ってかそもそも家族の時点で無理なんだけど....義兄妹は結婚できるけど.....世間一般的に考えてね....


ってか!こんなに考えてる時点で私も好きみたいじゃない!本当にまだ、好きじゃないんだからね!


七海は自室のベットで悶々と転がっている。するとドアがノックされた。


コンコン


「はぁーい」


「七海、俺だ入るぞ」


ー〜ーなんでこんな時に来るのよ!はぁ、最悪だー


「つかさか、、どうぞ〜」


ガチャと開かれたドアから入ってきたのは司だ。

さっきあんなことがあったのに平然としている。

どころか、何故か神妙な面持ちだ。

もちろん司の雰囲気を七海も感じ取っている訳で...


え?気にしてるの私だけ?ってかなんで司はこんなに神妙な顔してるの?え?まさか.....


告白?さっきのあれで火がついちゃった?


「なぁ、ななみ。聞いてもらいたい事があるんだ。」


あぁ、これ100%告白だ.....私だって結構告白されてる。告白してくる男子の80%がこんな感じの雰囲気だったからなぁ。


最悪、振るにしても家族だからって断れる。これが1番傷付けない。


司は一息置いて口を開いた。


「お前、俺のこと好きなの?」


「は?」


コンマ0.1秒。司の言葉に対して七海が返答した時間だ。真面目な顔つきで告白してくると七海は思っていたのに司から発せられたのは「お前、俺のこと好きなの?」とかいうあろう事か360度的外れな見解だったのだ。


「いや、は?じゃなくて。俺のこと好きなの?」



顔が赤くなるのを感じる。勿論恥ずかしさじゃない。怒りでだ。


「は、はぁ?私が司のことが好き???そんなわけないでしょ?!ってか私知ってるんだからね?!あんたが私のこと好きなの!全くほんっと最悪!

告白してくると思って聞いてればなにが「お前俺のこと好きなの?」だよ!全くもって違うよ!もぅ!」


「は?」


今度は司から素っ頓狂な言葉が出た。


「俺がお前のこと好き?んなわけねぇだろ。確かに一定の好意は持ってると認めるぞ?それは恋愛的な意味でもだ。だがそれは好きではない。お前とキスしたいとは思わないし付き合いたいともまだ思ってない。今はまだ友達としての好意の方が勝ってるな!」



「なっな!!」



刹那、七海の顔がみるみる赤くなる。勿論恥ずかしさでだ。


「出てって!!」


「お、おい!」


まるでトカゲのようなスピードで押されて部屋の外まで、追い出された司。そして誰もいなくなった部屋で1人悶々としている七海。


はぁ...一定の好意を持ってる?恋愛的な意味でも?でもまだ友達としてのそれって。いつかは好きになって告白してくるってことじゃん...しかも私のこと好きなんでしょっとか自意識過剰な発言もしちゃったし。

まぁそれは司も同じだからいいけど。


初めて聞いた司の本心。まだまだ素直になれない七海は1人悶々とするのであった。

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学園のアイドルでライバルの美少女が何故か俺の義妹になったんだが?! まる @kanamaru16

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