2章
「1限目が数2で、2限目が古典で…」
今日も始まる学校は自転車で25分。
準備が遅い私は、いつもチャイムぎりぎりで教室に入る。廊下を走りながら、先生の後ろから
「早くしろー」
という嫌味のこもった声を聞く。
1年3組。ガタンと大きな音を立ててドアを開けると皆何事だと言わんばかりにこちらを見る。あはっと苦笑をこぼして席に着く。
首ににじむ汗は制服の襟に今にも吸い取られてしまいそう。第1ボタンを開けると入ってくるなんとも言えない生ぬるい風に私はある種の快感を覚えてしまっている。
始まったばかりの高校生活は私立で中高一貫校の私にとって特に何も変わらない日々で、周りの生徒が少し変わったくらい。去年も見ていた担任の話をあくびをしながら聞いている朝のホーム。これから先どんなにつまらない高校生活がやってくるのやら、って諦めかけていた高1の春だった。
大人未満 @kakukaku0407
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