第21話 魔王、圧倒的な力を見せつける
俺は持っているAA12フルオートショットガンを前にいるアミリアとアーニャの障壁に撃ちまくる。
障壁にさらに弾痕ができて、今にも破壊されそうになる。
後ろにいた双葉が上に飛んでG3を撃ちまくるがそれが分かっていた俺はショットガンをスリングで肩にかけ、双葉のアーマーを掴んで地面に叩きつける。
足で踏み潰すが双葉は素早く避けて、G3を構える。
俺はG3を掴んで上に向け弾を外に撃たせて、前に蹴って双葉の手からG3を手放した。
G3のマガジンを捨ててコッキングレバーを引いて薬室にあった弾を外に出して遠くに捨てる。
双葉がすぐに立ち上がって両腰のMiniUZIを抜いて撃ちまくるが、腕のプロテクターで弾を防ぐ。
双葉は両手のMiniUZIが弾切れになるとマガジンを再装塡しないでそのまま捨てて、USPコンパクトをホルスターから抜いて三発撃つ。
俺は腕を上に上げて弾を逸らし、また足を引っ掛けて地面に倒して頭にチョップして昏倒する。
奪った拳銃を無料化して捨てるとヒナとアミリアが銃を撃ちまくって突撃してきた。
そのまま突っ込んで来るかと思ったら左右に分かれた。
ヒナがすぐに俺に接近してP90からMR73リボルバーに切り替えて早撃ちした。
六発一気に撃ったが、ヒナの早撃ちの癖は腹だと分かっていたからボディアーマーで防ぎ、ヒナをそのまま背負い投げして首に手刀を入れた。
アミリアが弾切れのAKを捨ててベルトの後ろにあるGSH18二丁を抜いてそのまま俺に連射する。
彼女の火の魔法で弾に延焼の付与が施されている。
弾を受けたプロテクターが溶けていた。
俺は足払いをして転ばし、拳銃を奪おうとする。
一丁を奪えたが、もう一丁の拳銃が中々奪えない。
「貸せよ。お前が持っていると厄介だから」
「奪わせないよ。今が好機だからね」
アミリアがナイフを抜いて刃を俺に向ける。
ナイフのスイッチが押されるとナイフの刃が飛んできた。
首を傾けて何とか避ける。
あのナイフはアミリアの部隊の専用武器か。
バリスティックナイフと呼ばれるそのナイフはロシア特殊部隊スペツナツが愛用するナイフだ。
ナイフの刃を飛ばせる機構を持たせている。
「うえっ!?避けられた……」
「残念だな。そのまま寝てろ」
アミリアの顔に睡眠魔法をかけて眠らせた。
寝ているアミリアを退かして、アミリアの武器を遠くに飛ばす。
これで三人目。アミリアが本格的な火属性魔法を使わなくて良かった。
使われてたらこんな簡単に済まなかった。
だが腕のプロテクターの耐久性がアミリアの攻撃でかなり落ちている。
もう使い物にならない腕のプロテクターを外す。
ボディアーマーの耐久性はまだ大丈夫だ。
AA12を持っていつの間にか隠れた残りの相手を探す。
すると大岩の上にライフルの銃口が飛び出ているのが見えた。
そこに誰かが隠れていると思い、大岩の横に回る。
そこに行くと、M1ガーランドが縦に置かれている所を見た。
辺りには誰もいない。
やばっ。初歩的な罠に引っ掛かった。
そのツケが回ってきた。
後ろから何十発も銃弾を受けた。
ほとんどがボディアーマーに当たったが、耐久性が落とされているから殴られるような痛みを感じる。
振り向くとトンプソンを構えたアーニャがいた。
俺はアーニャに近づこうと前に歩く。
アーニャがトンプソンを撃ちまくるが、ほとんどがボディアーマーに当たっていた。
腕や足にも当たったが、数発だけだから無視した。
トンプソンが弾切れになると、トンプソンを捨ててガバメントを抜いた。
浮遊魔法で俺の周りを飛び回り、ガバメントを撃ってくる。
この速さだとAA12では取り回しが悪くて当てられない。
スリングで肩にかけ、爆発魔法でアーニャを遠ざけた。
爆発魔法から逃れたアーニャは、背中から筒のような物を出した。
それが縦に伸びてロケットランチャーになる。
「伸縮式のM1バズーカか」
旧アメリカ軍主力擲弾筒の空挺バージョン。
伸縮式で短く折り畳む事が出来る。
アーニャがM1バズーカの後ろから榴弾を装塡して腰だめで構える。
M1バズーカの引き金が押され、榴弾が飛んで俺の腹に当たった。
爆発して周りが黒い煙で包まれる。
アーニャはM1バズーカを捨ててガバメントを構える。
だが煙の中から撃ったデザートイーグルの5
0AE弾に反応出来なかった。
アーニャの腹に当たり、アーニャはガバメントを煙の中にいる俺に撃ちまくる。
もう一発の50AE弾が頭に当たってそのまま気絶した。
俺は立ち上がって倒れているアーニャを見た。
一発撃ったら反撃してくるだろうと想定して伏せてもう一発撃ったが、上手く倒せてよかった。
これで四人目だ。
まだまだ敵は多い。
それに演習場は広いから探さないとまた奇襲されてしまう。
索敵魔法で一通り敵の位置を割り出すか。
ゾクッ!
背筋が嫌に震えた。
この鋭く危険な視線を向ける奴は限られる。
振り向いてAA12を撃ちまくる。
クロエが拳銃を撃ちながら接近してきた。
AA12を撃ちまくるが横に移動していて中々当たらない。
AA12の弾が切れて遠くに捨てると、クロエも拳銃が弾切れになってそのまま捨てた。
ナイフ抜いて俺に斬り掛かる。
手でナイフが体に当たらないように受け止め、ナイフが俺に向かってくると手でそのまま受け止めた。
クロエは掴まれたナイフを話してライトニングホークを俺の顔にぶち込む。
だが俺のフェイスマスクがクロエの50AE弾を防いでくれた。
そのまま拳銃を持っている腕を掴んで背負い投げして、首に手刀を入れた。
五人目……じれったいな……。
しょうがない。もう少し遊びたかったが、時間をかけ過ぎた。
少し魔法で一気に蹴散らそう。
浮遊魔法で上に上がって手を広げる。
魔力を集めて両手にキューブ状の玉を作る。
そしてそれを細かくして演習場一帯に放った。
そのキューブ状の玉は爆裂魔法に通常の火の玉を加えた強化玉だ。
爆撃して一気に敵を蹴散らす魂胆だ。
数十秒爆撃していると、前から零が飛んできた。
ナイフを振ってきたが後ろに下がって避ける。
火の玉を撃つが零も紫色の火の玉を撃って、俺の放った玉を撃ち落とした。
「おりゃあ!」
零が絶え間なく火の玉を撃ってくる。
俺も火の玉で零の放つ玉を撃ち落とす。
すると、零が隙をついて俺に掴み掛かる。
そのまま火の玉をぶち込もうとしていたが、
「うげっ!」
俺の火の玉が目の前にあって撃てないでいた。
「はい。判断が遅い」
もう片方の手で睡眠魔法をかけて眠らせる。
さあて、このまま他の奴を探して……
『チーム全滅により模擬戦終了!勝者、ゼロ!』
拡声魔法のアナウンスが入って試合終了を知らせた。
「…………やっちまった」
火の玉の爆撃で零以外の相手を倒してしまった。
時間が惜しくてやるんじゃなかった……
後で言葉攻めに遭うと予想した俺はため息を吐いて、倒れている女性陣を回収した。
ハァ……だから嫌なんだよ。本気を出すのは。
興ざめになるから。
数時間後、俺の予想した通り城の大部屋で女性陣に責められた。
どうしてあんな爆撃みたいな玉をたくさん撃ってくるんだとか、私達の出番が少なかったとか。
まあそれに関しては俺も予想外だった。
あんな空爆みたいな威力だったのは本当に申し訳ない。
「でもまあ、あんたがあんな化け物染みた実力を見せたから軍上層部は兵士の再教育に手を入れるみたいだね。結果オーライだけど、あんたに負けたのは腹立つ」
不満そうに俺に言葉をぶつけるアミリア。
「スカウトナイフを持っていたのは知ってたからな。手刀で済んで良かったよ」
「でも……君のチームの皆はアミリアよりも不満そうだよ」
あー……マジでごめん。特にクレアとミーナと錬子。
「もう!見せ所が少なくて、あっという間にやられたじゃないこの馬鹿!」
「悪かったって。俺も予想以上に威力が高いとは思わなかったんだ」
「…………」
「ミーナ、頬を膨らませて睨むな。可愛いけど」
「へえっ!?……(ぷくーっ)」
また膨らませやがった。今度は何に怒ったんだ?
「死ね」
「お前はド直球に言うな。地味に傷つく」
まあ三人はとりあえず俺のやった攻撃に怒っているから何かで埋め合わせしないとな。
「詫びとして何かお前らの要望で埋め合わせしておきたい。一人ずつ俺に要望を言え」
「何よ……そこは礼儀正しいのね」
「それがゼロという男だよ」
「分かった。じゃあゼロ。私にあなたのセンスで何か作ってプレゼントして」
「分かった。三日ぐらい待ってくれ」
「次は私から。明日の夜、仕事がなかったら私に付き合いなさい。行きたい場所があるの」
「あいよ。ミーナは?」
「えーと、私は……」
「お前が俺にしたい事でもいい」
「……じゃあいつか、一日町の観光をしませんか?」
「……まあここは戦時中だしな。この依頼が終わったらお前に付き合うよ」
「……!絶対ですよ!」
俺は約束を必ず守る男だ。今まで一度も破った事はない。
四千年前も、前の世界でもずっとそうだった。
俺は……
『君は私の唯一の親友だ。なぜなら君は……』
…………俺は…………。
「ゼロ?」
「どうしましたか?」
「いや、何でもない」
俺は立ち上がって部屋を出ようとする。
「どこに行くの?」
「自分の部屋だよ。さすがに模擬戦で疲れた」
部屋を出て、真っ直ぐ自分の部屋に向かって入り、ベッドに倒れ込んだ。
「…………」
もし戦争でクレア達が死んだら、彼女達の顔をもう二度と見れない。
あの強気なクレアも、優しいミーナも、昔からの仲間の錬子も優子も、死んでしまったらそれまでだ。
他の連中だってそうだ。命は一つしかない。
俺は……もうこれ以上仲間を失いたくない。
四千年前の魔王軍の兵士も俺が指示して、死地に向かわせてしまった。
俺のせいで何万人もの兵士が死んだ。
女や子供までも死んでしまった。
また俺は人を死なせるのか?また仲間に戦地に行けと言うのか?
俺は……何の為に戦うんだ?何の為にあいつらの指揮官になったんだ?
『その選択をしたのは君だ。なら君は君自身の為に戦った方が良い』
……そうだな。そうだよな。
俺はデバイスを操作して一丁のデザートイーグルを出して握った。
マガジンを抜いてマガジンに入っている5
0AE弾を見る。
「俺は……自分の為に銃を握って戦う。そしてあいつらを死なせない」
マガジンを装塡してスライドを引いた。
もう少しで自分の道を見失う所だった。
あの言葉があったから今まで戦い続けてきた。
……今の世界でもお前を忘れたりしない、俺の……親友だからな。
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