　言わずと知れた名作。

　キャラクターも世界観も残酷で冷酷な中で、自分自身の崇高さや人情味のあるキャラクターを貫くセイバーやウェイバー、ライダーが印象的でした。

　どんなに過酷な状況に置かれても、自分自身を見失わず、自分自身の人間性や尊厳を貫こうとする彼らに強く共感すると共に、類い稀な常軌を逸した冷酷さを違和感のない自然体で表現し、さも当然のように自分以外の人間を、虫けら同然に扱うギルガメッシュに、物凄いリアリティーを感じたものでした。

　キャラクターの強烈なリアリティは、ギルガメッシュに止まらず、その冷酷さや残虐性が培われた歴史や時代背景が、この物語の設定の根底に明確に刻まれているからこその、強烈な個性を輝かせたキャラクターたちだったのではないでしょうか。

　ラノベ風の作風であるにもかかわらず、それは、人が今まで培ってきた、文化や歴史の本質をとらえているようにも感じます。

　そしてなんといっても、奈須きのこさん原作の『Fate/stay night』をより、パワーアップさせて、原作の良さをさらに引き出すことに成功した虚淵玄さんの功績は偉大なものだと思います。

　原作の良さを微塵も損なうことなく、聖杯戦争の歴史や魔術師の何たるかをさらに明確に掘り下げ、この作品群に新しい深みを持たせることに成功した虚淵玄さんの功績、仕事は本当に素晴らしいです。

　もうすでに視聴された方も多い作品だとは思いますが、もし見たことがない方がいらっしゃったら、ぜひ見てみてください。

Fate/Zero-アニメ公式サイト

https://www.fate-zero.jp/index.html

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい