第234話☆ 座談De尋問
中に入ると二対のソファセットそれぞれに座っていた皆がこちらに振り返った。
「あ、レッカ!」
パネラに続いて隣に座っていたエッボも腰を上げた。
「パネラ、エッボ、……良かったぁ、本当によかった……」
レッカがまた顔をくしゃくしゃにして駆け寄った。
「え~と、失礼だが、例のアクール人の人は……」
内側から扉を開けた3人目の警吏が、俺たちの後ろを覗き込みながら訊いてきた。
「いや、SSの人は連れて来てない。どうにもご機嫌斜めらしいから」
「あ、そうなのか。……じゃあ仕方ないかな」
そう、部屋に待機していた男は残念そうに言ったが、表情はどちらかというと安堵した感じだった。
「ちなみにこちらが、その相方さんだ」
俺の肩に手をまわしていた警吏が言った。
「ほぉ……」
部屋にいた警吏が一瞬目を大きくした。
やっぱりあいつの相棒っていったら、普通もっと強そうな奴を連想するよなあ。どうせ俺は小者にしか見えないんだろう。
そんな風にいつもの卑下た考えをしてしまったが、実は馬鹿にされたわけではなかったのが後でわかった。
「そういえばポーは?」
レッカがそう言ったのと同時に、
『アニャニャニャァーーー!』 と、もう1つのソファの後ろからポーが鳴きながら飛び出してきた。
「ポー、無事だったかぁ」
思わず手を広げたレッカに、大きな猫が頭から突っ込んだ。
すっ倒された主人の顔に、しきりと頭をこすりつける。
「飼い主ってのは確かなようだな」
俺の横で警吏が頷くように言った。
そんな姿を羨ましく眺めていたら、ポーがいたソファからあの時の三人組のツッパッてた若者がこちらにやって来た。
「やあ、あんた、あん時はホントに助かったよ」
照れくさいのか、ズボンのポケットに手を突っ込んだままの礼だが、俺も気持ちだけは受け取った。
「あんた達はもう聴取は済んだから、帰っても構わないんだぞ」
一番目の警吏が声をかける。
「いやあ、もう少し居てもいいだろ? おれら、まだ疲れてるし」
若者が軽くねだるような顔を向けた。
「そうよ、こんな高級ホテル、一生に一度来れるか分からないもん」
「そうそう、料理も美味いし、風呂もデカいし、あと一泊させてくれよ」
ソファに座っていた他の男女も同意してきた。
ダンジョンの奥で泣いていたあの娘は、今や興味津々に自分の手にしている高そうなティーカップを見つめていた。
彼女を一生懸命に慰めていたモヒカン男は、目の前のクリスタルテーブルに乗っている、3段のアフタヌーンティースタンドからサンドイッチを美味そうに頬張っている。
他にも、千●屋御用達みたいなフルーツ盛り合わせがデンと置かれていた。
正面のルーフバルコニーは広く、当然のようにベンチや椅子とテーブルが置いてある。陽は傾きかけていたが、シャンデリアを灯さずとも室内は明るかった。
置いてあるキャビネット1つでも、一般庶民の一年分の生活費より高い代物なのが見て取れる。
確かに庶民がそう来れるところじゃないなあ。
「なら、勝手にすればいい。おれ達が別に困る訳じゃないから」
警吏はあっさり引いた。
まあツケはギルド持ち、関係ないことには口出ししないようだ。
「あたしはもう帰らせてもらうよ。またこの子たちと共に早くやり直したいからね」
そう言って左手の部屋から出てきたのは、花蜜採りのオバちゃんだった。
「おいら達も我が家が恋しいから、これでお暇するぜ。どうも柔らかすぎるベットは寝心地が悪いぜ」
後から細っこい男と、傷だらけの胸当てを付けた男も現れた。
「あんたが薬をくれたんだってな」
胸当ての男の方が、俺の手を両手で力強く掴んで礼を言ってきた。
「有難う。本当にありがとう。あんたのおかげで命を落とさずにすんだよ」
それを聞いて俺も少しだけ救われる気がした。
あの時の俺の行動は、間違いばかりじゃなかったんだ。
花蜜採りのオバちゃんも、ヨエルを無事に見つけたと聞いて、心から良かったねと言ってくれた。
そうして「これからの旅に幸運を」と言葉を残して、3人は部屋を出て行った。
「さあて、そろそろ再会の挨拶はそれくらいにして、こちらに来てくれるかな?」
警吏たちがパネラ達の座っているテーブルソファセットの方に手招きしてきた。
俺とレッカはソファの真ん中に座らされ、俺の右側に警吏が1人座り、もう1人がレッカの横に、残りの1人は向かいのパネラ側に腰を下ろした。ポーはそのままレッカの後ろに箱座に座った。
コトンと警吏の1人が、大理石のテーブルに青い石を置く。チコも使っていた記憶石だ。これで証言を記録するのだろう。
「確かあんたは、例のサーシャたちにも遭遇したと言ってたよな? その辺りから話してもらえるか」
警吏が石に手をかざすと石が淡く光り始めた。録音開始だ。
「――ええと、あれは入って1日目だから、3日前ですか。2層の岩場で――いや、その前に1層で隠蔽を使っていた奴がいて、それがおそらく……」
思えばあの時、最後に殺し合いをするなんて思いもよらなかった。
本当に運命というのは先が読めないものだ。
それと平行してレッカが暴漢に襲われた話となった。
その後アメリとポーが助けを求めてやって来たので、また1層に戻りパネラ達と会った経緯となった。
「なるほど、そこら辺はこっちの話と合ってるな」
パネラ達に目をやりながら警吏が頷く。
それにしても、こちらじゃ1人1人個別じゃなくて、こんな座談会のように一緒に話すのか? しかもざっくりアバウトだなあ。
もっともこれは容疑者ではなく、あくまで参考人だからである。
万一容疑者扱いだったら、こんな和やかには済むはずはない。即、審問、ヘタすれば拷問の憂き目に遭う。
「その時襲って来た盗賊だが、2人は確保してる。他の図体の大きい『不死身のダン』 は、こちらが始末――」 と、俺の隣にいる1番目の警吏がパネラの方を見ながら口を挟んだ。
「いや、砂地獄に落ちたらしいから、残りは『せせら笑いのベールゥ』 だけだな」 と、反対側にいる2番目が補足した。
「その、ベールゥなら、彼も亡くなりましたよ。どうもサーシャたちに、アーロンの貢ぎ物にされたようです」
俺はあの首と手だけになったベールゥを思い出した。彼も最後には改心したのだろうか。
「なに? それはやっぱり今回の件にアーロンが絡んでいるって事か?!」
「もしかして、アーロンに遭ったのか?」
「いえ、流石にラスボスには遭ってないですけど、確か大きな蠕動があった後に、4層で首と手首だけになって現れて……」
あ、思いだしたらあらためて寒気がしてきた。よくあの時、普通に会話出来たもんだ俺。
「待て待て、それは2日目の大蠕動後ってことだろ? いきなり時間が飛んでるぞ。
出来れば時系列通りに聞きたいから、話を戻してくれ」
と、向かいの3番目の警吏が手を振った。
「あ、こりゃ悪かった」
1番目が軽く頷くと俺に戻すように頼んだ。
そういえば
他の2人も聞き入っているとはいえ頷いたリ動く気配はあるのに、向かいに座っているこの人は瞬きも妙に機械的だし、瞳も微動だにしなかった。
ただその目の奥に、何か集中しているらしきオーラの光が見えた。
するとソファの傍にいたポーがふあぁっと欠伸をすると、うんと後ろにお尻を引いて背伸びをしてから、スタスタとあの若者たちの方へ歩き出した。
1人用ソファに座った若者の足に前脚を乗せる。
「ああん? なんだよ、またかあ。さっきやったばかりじゃないかよ」
ツッパリがやや面倒くさそうに顔をしかめた。
「まあしょうがないよ、おれらコイツにだいぶ酷いこと言っちゃったし。このくらいイイじゃんか」
そう言うとモヒカン頭の方が、おもむろに化粧台のほうに行くとそこから大きなブラシを2つ持って戻って来た。
「もうしょうがねえなあ」
ツッパリもしぶしぶ立ち上がると、ポーの横にしゃがみ込んだ。
そうして2人してポーにブラッシングを始めた。
どうやら彼らはポーを見捨てようとしたことの償いに、ここでブラッシングをしたらしい。それが彼女のお気に召したようだ。
ポーも気持ちいいのか、今度は長々と寝そべると、目を細めながら首を伸ばしている。
使っているブラシは大きな楕円形の背にピンクの花柄模様をあしらった、いかにも婦人用そのもの。明らかにホテルの備品だが。
……まあ黙ってればいいか。
「ハイハイ、こっちに集中して」
警吏が手を叩いて注意してきた。
むぅう~、俺もあっちに加わりたいんだが、仕方ない。これが終わったら俺も猫の召使やらせてもらおう。
親衛隊達と4層で出会った時のところや、サーシャ達と再び出会って、死闘になった辺りは細かく聞かれた。
その後、俺はヨエルを追ってパネラ達と会い、ゴーレムに邪魔されたのだ。
そこはまたパネラ達の証言と一致した。
「あー、もしかして、ギュンター達が5層でゴーレムに遭った前後じゃないのか?
あいつらも、すごくゴーレムが殺気立ってたとか言ってたじゃないか」 と、また1番目が話してきた。
そこで3番目も、目を瞬かせながら確認するように言う。
「そうだな。あいつらの話によると、ゴーレムが壁をよじ登るように引っ掻いてたっていうから、時系列的に後じゃないかな。
その勢いで4層まで顔を出した可能性が高い」
他の2人も頷いた。
「――多分そうですねえ。私は覚えてないんですけど、どうやらそのゴーレムはヴァリアスの奴が壊したみたいなんで、その後は復活してないはずですから」
「「「「「――ぇえぇええっ!?」」」」」
全員が何かのハーモニーのように声を上げた。
「……うん、まあ、……そうなのか」
2番目が目を泳がせた。
「え、おれは見た事ないけど、相当な代物なんだろ……?」
思わず1番目が向かいの仲間に尋ねた。
「…………記録によるとおよそ、顔の大きさは長さ22.96
3番めの警吏が目を瞬かせて説明した。
「一番最近の目測、と言っても64年前のものだ。アーロンが来てから誰も調べに行ってないから」
「岩の怪物とはいえ、手だけでもドラゴンより大きいじゃないかよ」
右側に座った警吏が、眉を寄せながら俺の顔を見た。
「『アヴァーロンのヴァリアス』 、73年前にサバドール帝国レン・ド・ランス市で、ブラックドラゴンを一撃のもとに撃退したという記録がある。
これは目撃証言も多数あって、信用できる情報だ。
ゴーレムは『核』を壊してしまえば体を維持できなくなるから、出来ない事もないと思うが……」
それは奴がハンターの身分証を無理やり取得させられた経緯の話だが、俺もそんな場所まで聞いたことがなかった。向かいの警吏さんはどうも知識豊富なようだ。
ちなみに『アヴァーロン』 とは、奴がこの地上に初めて降り立った島の名だ。
だからそこの出身という事にしているらしい。
俺にとっては今更な内容だったが、警吏さんどころかエッボ達まで何やら神妙な顔をした。
アレ? 感覚がおかしいの俺だけ?
「……兄さん、確かに凄い人だとは思ってたけど、トンデモナイ人だったんだね」
パネラが小さな声で言ってきた。
うん……、トンデモナイどころか、人でもないし、まず神界のマフィアだからね。
ちなみに若者たちグループはいつの間にかバルコニーに出ていて、こちらの話は聞いていなかったようだ。明るい笑い声が外から聞こえ、ソファにはポーだけがゴロ寝していた。
「すまん、話が逸れたな」
横にいた警吏が頬を掻きながら謝った。
「とにかく 『フューリィ』も死んだってことだな」
確認するようにレッカの隣の警吏が言う。
「となると、あとは『ロイエ』 だけだな。奴1人だけなら、そんな脅威じゃないだろ。
……もっともあそこから脱出してなけりゃあ、もう無事じゃないだろうが」
ロイエは――と、口に出そうと思ったが止めた。
俺はヴァリアスから聞いて知っているが、その場にいなかったのにどうして知ったのか、説明が難しい。
それでまた先を話そうとすると、向かいに座っている3番目の警吏が、不審げな顔をした。
「今なにか言いかけなかったか?」
「え、別に大したことじゃないですよ」
俺は務めて普通に返した。
「ただあんなとこに1人で残されたら、辛いだろうなあと思って……」
実際は彼は家族と旅だったのだ。それは安らかに。
「嘘だな」
静かにだが、ぴしゃりと警吏が言った。
「え……?」
「君の言葉には嘘が混ざっている。本当はそんな風に思っていない」
他の警吏やパネラ達も、気遣わし気に俺の方を見た。
俺の心臓が早く脈打った。
やっぱり俺、嘘が顔や声に出るタイプなのか。こういう時はつくづくと、千分の一でもヴァリアスのあの図々しさを分けてもらいたいと思う。
「プライバシーに関することで言いたくないなら、それでもいい。
だが、罪人たちに直接関与する話なら隠さないでほしいんだが」
向かいの男の目が、薄ぼんやりと光って見える。
どうしよう。やっぱり話した方がいいかな。その方がスッキリするし。
だけど奴から聞いただけなんて、信憑性あるかなあ……。
「――言いたくねえなら、喋んなくていいんだろ」
俺以外の全員がソファから数センチ飛び上がった。
いつの間にかヴァリアスの奴が俺の後ろに立っていた。
「だっ、た、いつの間に――?!」
「……全く気がつかなかった。これほどまったく探知に引っ掛からないなんて……」
2番目の警吏が、恐る恐る後ろを振り返った。
探知してたのか。俺にも全くその探知の気配すら分からなかった。やはり探知も隠蔽出来るのだろうか。
「蒼也、探るってのは何も探知だけじゃないだろ。ラーケルの
そう言いながら、2番目の警吏の後ろに移動した。
警吏が座ったまま身を固くする。
ただ一晩とはいえ、キャンプを共にしたパネラとエッボの2人は小さく会釈した。それに奴も軽く親指を立ててみせる。
それに反して、ほんの寸の間会っただけのレッカと他3人の警吏は、まるでドラゴンに出遭ってしまったみたいに身を竦めている。
それは彼らが臆病なのではなく、本能的に危険を感じ取っているからなのだろう。
何しろSSはドラゴンをもぶっ飛ばすとされ、機嫌を損ねたら何をしでかすか分からないと揶揄される
ギルド関係の者や、軍や貴族などのお偉いさんは、 SSというレジェンドに接することにステイタスを感じる者も少なくないようだが、少なくともこの3人は、あの生きた核弾頭みたいな奴とはなるべく距離を置きたいタイプなのだろう。
プライドや名誉が命より大事なお貴族様と違って、家族や自分の命優先の民間人は、いつメルトダウンするか分からないような奴とは出来れば関わりたくないはずだ。
それが生物として本来の正しい反応なのだろうと思う。
とにかく形勢逆転というか、座談会から一気にテロリストが人質を取って占拠した場になってしまった。
まるでターミネーターが警察署に乗り込んで来た時のように、部屋の中がいきなり無政府状態になった感がある。
それに途端に部屋の中が少し暗くなった。まさか瘴気出してないだろうな。
「コイツはなあ、『光』のスキル持ちだ」
固まった警吏の肩を軽く叩きながら話した。
「『光』の粒子でずっと探知してたんだ。そこら中に溢れてただろ」
確かに部屋の中は外のように明るかった。窓やバルコニーが広いせいだとばかり思っていたが、彼が操作してたのか。
「……それは……不審者が入って来ないか、見張らないと……」
警吏が弱々しく不審者に答えた。
「そうだな、それは当然なことだ」
そうニヤニヤしながら話す姿は、人質に対するテロリストそのものだ。
ヴァリアスはそのまま向かいのソファ、尋問してきた警吏の方へ回った。
向かいに座っている警吏が少し身じろぎした。
「てめえは 『知』の
悪魔のテロリストが青い顔をした男の後ろに立ちながら言った。
『知』――ナジャ様の系統か。
うっかり忘れてたが、火やら水やらの一般的な能力以外に、神様たちの系統分、能力の種類も多岐にわたっている。
どうやら彼の能力は記憶すること。サヴァン症候群にあるような一種の特異な記憶能力を持つようだ。
先程、俺の顔を一瞬ジッと見たのは、シャッターを切るように俺の顔を記憶したからだった。
「ついでに念写の能力もあるよな? それで蒼也の顔を記録に残す気か。
それは頂けねえなあ、別に犯罪者じゃねえのによぉ」
奴が両肩に手を置いた。男がぶるっと身を震わした。
そこで悪魔が10オクターブほど声を落した。
「さっさと記憶を消せ。でないとこれから一秒も記憶出来ねえように、脳ミソ引っ掻き回すぞ」
部屋の空気が一気に張りつめた。
「こらぁっ! まんま脅迫じゃねえかよ! あんたは頼むっていう言葉を知らないのか」
やっと状況に俺の頭が追いついた。勝手にさせておくとウチのテロリストは何をするのかわからない。
そうしてまた俺に要らぬ
「何言ってやがる。コイツらは犯人でもないのに勝手に記録を残そうとしたんだぞ。
いいのか? お前の顔が審問機関に永久に記録されるんだぞ」
「う……、顔写真は嫌だな……え? 審問??」
「そうだ、コイツは警吏なんかじゃねえ」
奴が男の両肩を軽く叩いた。
「「「エッ?」」」
俺やレッカ、エッボたちもみんな目を丸くした。
他の警吏2人は視線を外した。
「なに、どういう事だ? この人達は警吏じゃないのか??」
「いや、そっちの2人は本物だ。ただコイツは違う。許可を得て同行してきてるが、違う機関の奴だよなあ?」
奴が青い顔をしている男の肩越しに、牙を見せながら顔を近づけた。
「審問機関の奴だ。直接裏を取りにきたってわけだな」
「……審問捜査官か」
エッボが鼻に皺を寄せながら呟いた。
「なにそれ……?」
俺だけアウェイだ。
「お前んとこにもいるだろ、その潜入捜査官とかスパイとか検察官とか、簡単に言うとそんなところだな」と、奴。
ずい分アバウトにまとめて来たな。
ただ言わんとしているニュアンスだけは分かったよ。
後でちゃんと聞いたが、どうも審問機関というのは流石に拷問ばかりしてるわけじゃないらしい。
俺は異端審問の『魔女狩り』の黒い過激なイメージしかなかったのだが、いきなり拷問などはしないようだった(場合によりけり)。それは最終的手段なのだ。(それも嫌だが)
「そうそう、コイツは他に『音』の能力も持っている。
声で相手の嘘や不安とか、質が視えるんだな。まあ色々と審問官向きなスキル持ちだよ」
ああそれで、俺の嘘を見抜いたのか。俺が別にオドオド見えたわけじゃなかった。ちょっと良かったと思った。
「…………なんで、そこまでわかる……んですか?
もしかして解析……」
審問官が恐る恐る尋ねた。
「そりゃあオレが、人を見る目があるからに決まってるだろ」
胸を張って神界のアナーキーが答えた。
意味が違うだろ、それ! まったく言葉までカオスだな。
見ろっ、違う意味でみんな固まっちゃったじゃないか。
もう
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