第223話☆ 新たなる刺客


 俺の後ろを追いかけて来るハンターは、ギリギリ地面下2メートルくらいのところをピタリと付いて来た。

 土中は相手の土俵。

 電撃しづらいし、ましてや『土』自身で対抗するなんて、決定的な力の差がないと無理だ。


 ヒュルヒュルと伸びてくる邪魔な枝を、避けるのももどかしい。

 収納から剣を抜き出しざまに切り払うと、すぐさま空中で収納に戻した。

 こうすれば剣を持ちながら走らなくて済む。

 なんだかんだと、土壇場になってから色んなワザを開拓する俺。


 突然、前方の地面が割れて、メキメキと大波が立つように地面が反り返ってきた。

 もう迂回してる暇もない。

 更に噴射を強めて60度以上の坂を一気に駆け上った。


 ドゴォンンッ! 俺が宙に逃げたと感じたのか、地表から黒い土が飛び出してきた。

 坂上の頂上に跳んだ瞬間、投網のように広がったハンターめがけて電撃を放つ。

 土全体に流れた電気を一気に核に集結、手応えと共に追手はボロボロと黒い泥に戻った。


「いいぞ、昨日より核を捉えるのが早くなってきている」

 瓦礫の上に飛び降りる俺に、鬼教官が楽し気に褒めて来た。

「ちっとも嬉しくねえ!」

 着地と同時に再びジェット噴射をかけながら、俺は見えない相手に怒鳴った。

「俺を喜ばしたいなら、またさっきの『小径』を使わせてくれよ。頼むからさっ」


「う~ん、そうしてやりたいのは山々だが、これ以上手を貸すのは無理だな。

 お前が窮地に追い込まれてるわけじゃないし」

「充分窮地じゃねえかよっ!」

 

 天井から染みだすように溢れてきた泥が、ビュッと斜め横から俺に向かって吹っ飛んで来た。

 神経がピリピリしてるせいか、探知が鋭くなって一瞬で核の位置がわかった。そこへ銃弾を撃ち込むが如く雷撃をぶち込む。

 バラバラバラと、湿った黒土が降り注いだ。子供の頃、芋掘りで嗅いだ臭いがする。


「いいぞ、いいぞ。少しづつ狙いが洗練されて来てる」

 嬉しそうな声が、俺のイライラを更に強める。


 こいつが言う窮地というのは、俺の命が本当に危険に晒された時だけなんだ。

 逆に俺が対処出来るうちは、有意義な特訓モードとでも思っているんだろう。

 そう考えた途端に不安がよぎる。


「おい、言っとくが、本当に余計な茶々は入れるなよっ」

 こいつは俺の力を伸ばすために、今まで色んなヤバいモノをけしかけて来た。

 これまでは俺だけの被害で済んでいたから――それでも相当頭に来るのだが――俺が怒ればいいだけだったが、今はヨエルの運命もかかっているのだ。

 これを妨害されたら流石に許せないぞ。


「もちろんだ。オレはいつも余計なマネはしてないぜ」

「よく言うよ。

 昨日、いや一昨日だって、わざとハンターを呼び出しやがって」

「アレはお前をダンジョンに慣らせるためだ」

 奴がしゃあしゃあと返した。


「3層で初めてハンターを見つけた時に、アイツはお前がいるから回避しようとしてただろ。

 そんなお客様扱いじゃ、為にならねえからな」

「そりゃあ、あんたが始めに『泣かすな』って言ったからだろ」

 自分で言っておいて、なんだか情けない気がする。


「だからああやって、(やって良い範囲)を示したまでだ。おかげで今、こうして役に立ってるじゃないか」

「んなろぉ~」

 やっぱりムカつく野郎だ。

 運命だのルールだの、何かあると言い訳しやがって。

 人の事を弄んでいるとしか思えない。


 ん、運命……!


「おい、ヴァリアス!」

「なんだ。あんまり大声を立てると、またハンターが来るぞ。

 アイツが始めに注意してただろ」

「くそこの……」

 いや、ここは平常心、落ち着け俺。ここは冷静さを欠いた方が負けだ。

 そして図太くならなくてはいけないのだ。


「――若頭、じゃなくて、オプレビトゥ様って、結構偉い使徒なのか?」

「あ? なんだいきなり……」


 俺の家庭教師にヨエルを選んだ時、確か確率を修正すると言っていた。

 あれは死の確率。それを調整することが出来る、少なくともその権限をあの使徒が持っているという事じゃないのか。

 それなら彼を死の淵から動かす事も可能なのでは。


「バカヤロッ! それこそ無理に決まってるだろ!」

 全力疾走してるところにパシッと後ろ頭をはたかれて、俺は思わず転倒しかけた。

 が、同時に首根っこを掴まれて体勢を立て直す。

「ば、馬鹿っ、危ねえだろ」


「アイツに頼むのは絶対にダメだ!」

「デカい声出すな。あんたがさっき言ったばかりだろ。ハンターがそれで寄って来たらどうすんだよ。そうしたらホントにあんたのせいだぞ」


「オレの声はお前だけに聞かせている。だからハンターにもわからん!」

「近過ぎだ。横が見えづらい」

「探知で見てりゃあ一緒だろ。

 それより運命を改ざんするなんて、ルール違反どころじゃねえ。

 しかも『運命』の奴が勝手に甦らせるよう仕組んだら、重罪もいいとこだっ!」


「だけど一度はヨエルの(死の)確率を下げたんだろ?」

「あれは選択肢の繋がりを増やして、最悪の結果に辿り着く確率を薄めただけだ。

 それでも贔屓ギリギリなんだぞ」

「……ふうん、そうか。じゃあ頼みも伝えてくれないんだろうなあ」

 俺はため息混じりに言って、すぐに諦めたように装ってみせた。

 今思いついたことを勘ぐられても困る。


「当たり前だ。そんなこと奴が聞いたら、また悩みだして壊れちまうからな。

 以前に補佐してやった時も、オレはアイツの出す瘴気の処理で大変だったんだぞ」

 そう酷く不味いモノを喰ったような顔をした。


 それは前に聞いた、*『土』しか食べられない転移者を守護した時の話か。

(* 『第25話 下町の宿 赤猫亭 (ゴブリンを食す)参照)

 でも思った通り、若頭は人の頼みを断り切れないシトなようだ。

 だったら万一の切り札として、控えさせてもらおう。

 使えるカードは多い方がいい。


 奴を通さなければコンタクトは出来ないだろうが、他にも方法がないわけじゃない。

 以前、奴が初めて若頭の話をするときに、感づかれないように名前を使わなかった。ブラックホールなんて隠語(?)で話してたのだ。

 つまり『噂をすれば影がさす』からだ。


 どういう作用かは知らないが、自分の名前で話されることは自然と伝わるらしい。

 それは使徒だからなのか、はたまた天使や言霊が情報を運ぶのかはわからない。

 名前には力があるという話もある。


 とにかく、いざとなったら若頭の名前を出して、思い切り大声で願い事を叫んでやる。

 そんなので本当に力を貸してくれるのか、賭けではあるが、何となく出来そうな気がするのだ。


 奴が邪魔するかもしれないし、奴の言う通り、若頭には相当な重荷を背負わせることになるかもしれない。

 でも申し訳ないが、俺には天上の人よりも身近な人々の方が大事なんだ。

 ここは図太く迷惑を承知でお願いしたい。 


「じゃあもしもヨエルを、……もし救えなかったら、あんたが、いや、俺も責任取って――」

「責任を取って、『蘇生』を身につけるんだろ?」

「あんたとコンビ解消する」

「ハアッ?!」

 急に血管を浮かせた凶相が姿を現した。


「近過ぎだ。横が見えづらい」

 慣れているとはいえ、いきなりのこのギラギラ感がキツイ。

「探知で見てりゃあ一緒だろ。それよりコンビ解消って、どういう意味だ!?

 やっぱりさっきのリースの野郎のせいで、甘えでも出たのか!」 


「責任のことを言ってるんだよ。あんたが師匠にヨエルを選ばなければ、彼は死ななかったかもしれないのに。

 ……いや、半分は俺の責任だ。俺が足を引っ張ってたからな。

 だからこのは、解消した方がいいかもしれないと言ってるんだ」


「なんだよ、疫病神ってっ?!  

 それに言っただろ。アイツはどこに居ても危なかったんだ。

 だからオレ達の監視下に置くのが一番安全だったんだよ。結果はこうなっちまったがな」

「じゃあやっぱり不幸を招きやすいんじゃないのか?

 大体俺は人間なんだぞ。世界のバランスを考える前に、人として考えて何が悪い!」


 奴らが俺を好き勝手に振り回すなら、俺だって人間の立場で我がままやってやるよ。

 奴がまたどうのこうのと言ってきたが、よく聞きもしないで俺ははねつけた。


「もういい。あんたはどうせ手伝ってくれないんだろうし、俺はこれからヨエルに集中したい。

 もうしばらく話しかけないでくれ」

 俺はシッシッと、奴の顔も見ずに手を振った。

 ギリギリと、激しい歯ぎしりが聞こえてきたが無視した。 


 とにかく当時の俺は、色んな思いと焦りがグルグルまわって、奴らの立場なんかちっとも考えられなかった。

 後々に分かってきたが、不幸な結果を知りながら避けられないのは、なんとも歯痒く辛いものだ。

 奴のように達観でもしないと、本当に壊れてしまうのかもしれない。


 何しろ占い師のように注意することも、ましてや手を貸すことも出来ないのだ。

 出来るのはせめて最悪の道に行かないように、に導いてやるくらい。


 何しろ彼の最悪の結果は、これではなかった。

 それはアジーレで、エイダと共に死ぬことでもない。

 エイダが死に、彼が彼女を救えなかったというシナリオがあったのだ。

 そうなれば彼はまた1つ、一生消えない十字架を増やすことになる。 

 だから奴は俺を使って彼女と別行動させることで、それだけは回避させたのだった。


 だが、それはあくまでもヨエルから見た運命の道筋。

 残されたエイダにとっては、こっちこそが最悪なのではないだろうか。

 本当に辛いのは残された者なのでは。


 それとも他に、彼女の心を埋める相手が現れる可能性でもあったのだろうか。

 彼女のことは聞かなかったので、本当のところはわからない。


 とにかく運命の糸は想像以上に複雑に絡まっていた。しかも常に人の心も状況も動いている。

 だから一概にどれが良いのか、人たる俺には判断がつかなかった。

 ただ、そんな裏事情全体なんか知らない俺は、結局上辺だけしか見ていなかったのだが。


「……わかった。

 しばらく干渉しないでいてやるよ。

 だが最後にこれだけは言っておく。

 目先ばかりに囚われるな。もっとまわりにも目を向けろ」

 すーっとフェードアウトしていった。


 最後まで煩いんだよ。

 だからあんた達と俺とは根本的に考え方が違うんだって。


 ヨエルが一度立ち止まると、今度は速度を落として右側に逸れていく。

 おお、いいぞ。壁越しの直線距離にして250メートルくらいか。

 俺も右に進行方向を変えながら、遠くの壁に亀裂を探した。


 広間は改変の振動のせいで、絶え間なくゴロゴロとした山鳴りのような音が響いている。

 更に風に似て非なる圧力が時おり強風のように、いや、見えないが打ちつけて来る。空間が揺れているのだ。

 しかも波と違って、風のように急に向きが変わる。


 ただ、穴もしくはトンネル内では急に揺れが落ち着いて、音もパッタリと消えたりするのだ。

 これは3層のように、壁を隔てて空間も仕切られるせいだ。

 穴を通して向こうが見えるぐらい近くても、家の中と外のように違う環境と空間になるからだった。


 おかげで探知も通りづらい。

 けれどそのおかげで、ヨエルが俺に気がつく可能性も少なくなるのが今は救いだった。


 長い坂を上り切ると、坂下には大きなクレバスが深い口を開けていた。その幅およそ30メートル近く。学校のプール以上はあるだろう。

 本来なら狭い所を探して遠回りするところだが、その向こう側に通れそうな亀裂が見える。

 しょうがないのでそのまま突っ込むと、崖っぷちで強く跳躍した。


 ドォン! 更にジェットの圧が、俺を大きな暗黒の溝の上空で強く押し飛ばす。

 翼を持たない人間が、道具も無しにこんな距離をふっ飛ぶのは流石に恐怖が湧き起こる。


 だが魔法の力は精神力と繋がっている。

 こんな途中で怖じ気を出すと力が萎えて、それこそ落下する羽目になる。

 無理やり恐怖を抑え込む。


 ドガッ! なんとかギリギリ向こう岸に渡った。冷や汗がドッと出る。気がつくと心臓が苦しいほどバクバクして、頭の中もガンガンと鳴っていた。

 亀裂の通路に入ると、スピードを落として水魔法でこめかみを冷やす。


 足どころか、思ったより全身に堪えていたようだ。

 気にしないようにしても、やはり本能が恐怖を感じているし、ずっとここまでスピードを維持する緊張を続けてきた。

 ギリギリ一杯の魔法は、魔力どころか神経もすり減らす。


 それを感じないようにしてきたが、今の大跳躍でそのリズムを崩してしまったらしい。

 再びジェット噴射で走ろうとしたが、そのスピードに注意がついていけなくなってしまった。


 ううっ、緊張というか集中が続かない俺、情けない……。


 でもこれは仕方ないことだった。

 何しろ練習無しのぶっつけ本番で、人間エフ・ワF1ンをやっていたのだから。

 極度な緊張状態は長続きしない。自分で言うのもなんだが、よくこれだけ持続出来たものだ。

 良くも悪くも人間な俺。

 

 そうだ。焦って無茶をしたらダメなんだ。

 ヨエルに追いついても、俺がグダグダで回復魔法が使えなくなったら意味がない。

 力を温存しながら追いかけないと。

 

 ヨエルの速度がだんだんと、早歩き程度に落ちてきている。

 まさかまた戦闘でも始めたのか。

 心配になっておでこから冷却シートを剥がしてみたが、ただ何か探すように辺りを見まわしているだけだった。

 

 そうしてふと立ち止まると、こちらの方に真っ直ぐに顔を向けた。

 ヨエルの色褪せた眼と合って、すぐにシートを貼り直しシャットアウトした。

 

 まさか、俺のこと感づいてる?

 いや、まだ幾つかの空間で仕切られているんだ。神の眼でもない限り、彼にも俺の姿は視えないはずだ。


 再びヨエルは動き出したが、先程のようなガムシャラな走りではなくなった。

 なんにせよ、速度が落ちたのは有難い。

 そのままでいてくれよ、ヨエル。


 続いて通路を抜けた先は、まだ植物に侵略されず隆起も少なく、石畳に煉瓦壁の以前の様子をだいぶ残していた。

 振動も先程に比べればだいぶ少なくなっている。


 ただ通れる穴が少ない。

 亀裂はあるにはあるのだが、まさしくヒビと言った感じで、人が通れるものじゃなかった。

 たまに通れそうなサイズが出て来るのだが、よく見るとそれはただの凹みだったり、途中で行き止まりになっていた。


 なんだ、もしかして逆に塞がってしまったのか。

 俺は向こう側に通り抜けられそうな穴を、うろうろと探した。

 よく確認しなかったが、さっきヨエルを視た場所もこのように前の石畳が残っていた。

 もしかすると、彼も行き場を見失っているのかもしれない。


 向こうへの通路を探しながら、もちろんハンターや罠には注意していた。

 なのに俺は肝心なことを見落としていた。

 奴が最後に残していった言葉、あれは本当に注意だったのだ。


 ブルッと、首筋から背中にかけて走る悪寒が、

 寝ている時にふと髪の毛の先を、何か嫌なモノが触れていったような気配。

 索敵が警報を鳴らしている。


 近くにいる!

 だが、思わず辺りを見まわすが何もいない。探知でも視えない。

 ならこの世界の眼で――。

 再び額のシートを剥がそうと、第3の眼を意識した瞬間わかった!


 咄嗟に後ろに向かって電撃を放った。

 イカズチの矢が、右前方10メートルくらい先でスパークして弾けた。


 何もなかったはずの空間から、闇が染みだしてきた。

 黒いオーラが霧どころか、大火で立ち上る有害な煙のように渦を巻く。

 その中の赤く燃える憎悪に満ちた眼が俺を睨んできた。


 それは黒く印をつけておいた、あの暗黒のマウンテンゴリラもどきの怪物だった。

 俺はヨエルに集中するあまり、他のマーキングに注意を払う事を忘れていたのだ。

 ただ本能的に索敵がそのマーキングを拾った。

 おかげでギリギリのところで気付けたのだが、こんな近くまで接近を許してしまった。


『ォオ、オマエ、オ前ハ ―― アノ時ノ 魔法使イィイ"ィ"ィ"ッ!!!』

 ギリギリと奥歯を噛む音と共に、押し殺した声が漏れる。


「ああっ、そうかっ! あんた、サーシャと一緒にいた――」

 確かサーシャの仲間、猪首の大男メラッドじゃないのか。あの時はまだ普通の人間だったよな。

 またなんで、そんな姿に……?!


『テメエ、テメエラガァ サーシャヲ 殺シタァ!! 殺シタンダァーッ』

 吸い込まれそうな暗黒が裂けるように開いた。

『絶対ニ 許サネエッ! 許サネエゾォッッッ!!!!』

 叫び終わらないうちに、黒い巨体が吹っ飛んで来た。


 俺も即逃げると、もっと強い電撃を放った。

 しかし奴のまわりを取り巻く、爆発するような憎悪のオーラがそれを蹴散らした。

 爆炎も氷も無駄だ。みな手前で無塵の如く散らされてしまった。


 クソッ! こんな奴を相手にしてる場合じゃないのにっ!

 いや、せっかくマーキングまでしておいて、注意散漫だった俺が悪いのだ。

 悔しいが奴の言う通り、俺は物事に夢中になると視野が狭くなるようだ。


 幸いと言っていいのか、足元がまだ舗装の残った状態なので、俺は再びジェットを吹かせた。

 グンッと奴との距離が広がる。

 とにかく向こう側に通れる穴を探して――。


 が、黒いゴリラはドカカカッと、まさに四つ足動物並みの凄まじいスピードで追いかけて来た。

 俺が探知で避けた罠の位置にも構わず突進してくる。


 バギャアッンンン!!

 床から立ち上がった巨大なトラバサミを、剛腕のひと殴りで安物のワイヤーバスケットのように曲げ壊した。


 ウソだろっ、なんて馬鹿力だ。

 こいつハイオーク以上なんじゃないのか。 

 猛ダッシュで逃げながら、更に嫌な考えが湧いてきた。


 不味いぞ。こいつはそれこそヨエルを許さないはずだ。

 こいつを引き連れて彼の元にはむかえない。

 なんとか撒きたいが、転移を使えない俺はただのDランクのハンターにしか過ぎない。

 クソ、くそ、くそぉー、本当になんて厄介な事ばかり起こるんだ!

 自分のせいなんだが、こいつと出くわすシナリオを描いたであろう、運命の天使をつい恨んでしまう。

 

 殺伐とした長い長い石の回廊で、命がけの鬼ごっこが始まった。




   ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 映画とかを見ていると、なんでそっちに行くんだとか、早く逃げればいいのにとか、色々と『志村っ 後ろ後ろー』って思えるんですけど、いざ当事者になると意外と頭が回らないもの……私だけかな? 💧


 まだまだ隙だらけの『週末(だけ)魔法使い』の蒼也(^_^;)

 大成するのはまだ先なようです。


 なかなか進まなくて済みませんが、

 次回はユーリとギュンターたちの話に戻します。

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