第218話☆ 大改変と起死回生の策(?)


 異変が起こる少し前、5層の奥深くで彷徨っていた警吏の2人は、天を貫くようにそそり立つ柱の中に上っていた。


 あの羽の生えた蛇のようなナビゲーターが誘導したのは、黒い蔓がびっしりと巻きつき、柱の岩肌をすっかり覆い隠していたある柱の根元。

 その蔓のカーテンの奥に細い亀裂があった。内部は空洞になっており、ゆるいスロープが螺旋状に上へと上へと消えている。

 それが上層階への出口だった。

 天高く伸びる塔と言った方がいいかもしれない。


「よりによって最深の底から螺旋かよ。あ~面倒くせえ~」

 ユーリが前を行く相棒の大きな背中を見上げながら、ウンザリしたような声を出した。


 上層と下層を繋ぐ通路は、坂や階段であったりこのような螺旋、時には落とし穴のような直滑降の穴だったりする。

 当たり前だがこの中で螺旋が一番距離が長くなる。


 しかもこの歪んだ空間では、実際の距離自体が変化したりする。

 降りるのは早いのに、上がる時は同じ道が長くなったりするのだ。


 またここは他の通路と比べて中には明かりの1つもなく、まさに深淵の闇。

『闇』能力を持つユーリはまだ良いが、ギュンターはやはり明かりがない場所は落ち着かなかった。

『土(あるいは石)』の感知でのみ感じる延々と続く回転する坂は、眩暈を起こさせ気を滅入らせる。


 ならユーリの方は全然平気かというと、そうでもなかった。

 一口に『闇』と言っても色々ある。

 闇の眷属にとっての『闇』とは暗黒そのものではない。

 例えば捕食者から姿を覆い隠してくれる保護。

 または就寝時に優しく包みこんでくれる柔らかき真綿。

 一点の曇りない満天の星空は、彼らにとって真夏の晴天に等しい。

 

『闇』系の者でなくとも、暗い部屋での蝋燭や暖炉の火になんとなく心和むことがあるだろう。

 それも闇という陰影がなくては、ただの黄色やオレンジの光に過ぎなくなってしまう。


 彼らにとって闇とは、子宮内の安らぎの懐かしき暗さなのである。

 光と闇、陽と陰の関係にはあるが、闇は決して暗黒面ダーク・サイドだけではなかった。


 けれどこの塔内の闇はギスギスした波動、どこか不安や恐怖をかき立たせる負のエネルギーが満ちていた。

 さすがのユーリも、最前線の塹壕のように落ち着けない鬱闇だった。


 これはそういった光の世界から来た獲物をなるべく逃がしたくない意思が働く、上に行く力をそぐ為の原始的な罠でもあった。


「しょうがない。出口が見つかっただけでも良しとしよう」

 ギュンターもため息をついた。

 闇の中でも自分の吐いた息が、まわりの石壁に吸い込まれるのを感じる。僅かな生気も吸収する気だ。ゲンナリする。

 とはいえ、体力的には余裕があった。


 この出口にたどり着いた時、さすがにここまでほとんど休まなかった2人も、この坂の下で闇のシールドを張り仮眠を取った。

 層を繋ぐ通路だけは、悪霊も入れないしハンターもまず来ない。

 完全ではないが、唯一の安全圏だった。


 ついでに言えば、本当はここまで案内してきたナビゲーターに礼のつもりでやるはずだった携帯食のオークジャーキーは、ユーリの胃袋に収まってしまった。

 出口まで案内した魔物は、2人が中を確認している最中にさっさと姿を消してしまったからだ。


 最後のひと踏ん張りのために、食事と仮眠をとったおかげで体力と魔力はほぼ回復した。

 あとはひたすら登るのみである。

 元より獣人とユエリアン。ベーシス多数派に比べれば体力は並外れている。

 ブツブツ文句を言いながらも2人は着実に駆け上がっていった。


 そのため思ったよりも早く、5層の中間層トワイライトゾーンに到達することが出来た。

 所々に開いている壁の亀裂から、薄白い光が垣間見え始める。


「ああ、霧でも明かりが見えるって、やっぱりいいなあ。早く太陽を拝みたいぜ」

 ギュンターが亀裂に顔を近づけた。


 外は来た時と同じ、白と灰色の霧が重たく垂れこめる白夜の世界。動くモノはおらず、ただ巨大な柱のみが点々と、寡黙な巨人たちのように立ちつくしている。


「まあダンジョンは、最深部まで潜ってこそ攻略したと言えるからなあ。これでお前もダンジョンマスターってわけだ」

 横でユーリが冗談めかして言う。

「そんな称号いらねえよ。っていうか、もう二度とこんなとこまで来るかよ」

 鼻に皺を寄せたギュンターが顔を引っ込めようとして、ふと耳を前後に動かした。


「おい、なんか妙に静かじゃないか?」

「ん? そういやいつものうねるような音がしないな……」


 深淵の底が音も死んだような世界だとすれば、この中間層は絶え間ない騒音に満ち溢れる滝の下のような場所だった。

 本来はただ風が、壁や柱の岩肌を吹き抜ける音だけのはずなのだが、それに常に雑音ノイズが混ざっている。


 その雑音とは漂う亡霊たちのすすり泣きだったり、遠くから響いてくる悪霊アーロンの咆哮だったりする。

 初めてここに訪れた蒼也は周囲から発せられる悪意に鋭く感応し、これを嵐のような轟音に感じ取った。

 このような場に慣れているユーリは、幽霊たちの小煩い唸愚痴りに聞こえ、ギュンターには、遠くの山から響いて来る地鳴りに似た音として感じていた。

 どのみち心地いい音ではないだろう。


 そのいつも耳障りに聞こえていた音が止んでいた。

 しょっちゅう来ている訳ではないが、こんな時があるのだろうか。

 2人は少しの間、耳を澄ましてその場に立ち尽くした。

 風も凪いでいるようだ。


「静かなのはいいが、気に入らないなあ」

「そうだな、まるで大波が来る前に潮が引いたみたいだ」

 言ってからギュンターとユーリは顔を見合わせた。同時に何かしら嫌な予感を感じとった。

「とにかく急ごう」

 

 人として勘は鋭かったが、この時すでに遅し。

 異変は始まっていた。


 細高い塔の中を更に急ぎ駆け上る2人の耳に、今度はザワザワゾワゾワした音が響きだした。

 しかも足元を通じてその振動が伝わって来る。

 何かが沢山、凄い勢いで上がって来ていた!


「外だっ! 外に出ろっ」

 すぐさまギュンターが手前の亀裂を『土』で、体がすり抜けられる程度に押し広げた。

 通路はダンジョンの中でも抵抗力が強く動かしづらい。これくらいでも出来ただけ上出来と言える。


 そのまま縁を掴んで薄白い空間に身を乗り出した。

 続けてユーリも亀裂に身を滑らせる。

 外側の出っ張りを足場に、塔の外壁にしがみついた。

 

「よし、来やがれ。片っ端から黒炭にしてやる」

 ユーリが上部の出っ張りを掴みながら、もう片方の手に電気を溜め始めた。

 ギュンターも岩肌に大きな体を張り付かせ、中の様子を窺う。亀裂はすぐに元通りの狭い隙間に戻ってしまった。


「んんっ?!」

「おぉっ!」

 目視するより先に2人は何が登って来たのか、それぞれの触手で感知した。

 ユーリは『闇』で、ギュンターも『土』でその群れを視てとれた。


 それは目の無い8本脚のトカゲ、走るムンク顔のダンジョンヤブルーマンドラゴラ、双頭の巨大ミミズ、何本もの触手を持つ陸海月クラゲ、そうしてあの二対の羽をつけた蛇ナビゲーターなど……、ダンジョン最深部に棲む生き物たちが一斉に階段を我先にと上がって来る。

 それはまるで海底地震に怯える深海魚たちが海面を目指す様と同じだった。


「なんだ、下で何か起こったのか?」

 流石にこの事態に、元ダンジョンハンターのユーリも驚きを隠せなかった。

 大蠕動でパニックになった魔物が他の層まで移動することはある。

 それがスタンピード大暴走を起こしたりする要因の一つになったりするのだ。


 だがこれは最も深い底にいる魔物。

 魔素の濃度の違いや嫌光性のせいで、まず上がって来る事はないはずなのだが。


「おい見ろ、なんだこれっ?!」

 隙間から百鬼夜行の行進を見ていたユーリに、ギュンターが背後を促した。

 壁から顔を動かしてまた驚かされた。


 2メートルはあるであろうパラソル型の傘をつけた種子が、辺り一面に飛んでいた。

 その透けた傘の葉の柄の下には、ココナッツのような種と共に、小さな虫や小動物たちがへばりついている。


 よく見るとそれらに混じって、タンポポのように綿帽子をつけたモノや、糸毛のような根を生やした葉っぱ、小さな瑠璃色の円錐形をしたモノなどが舞っている。

 みな、このダンジョン底辺に生息している植物の種子や核たちだ。

 

『核』というのは種子と同様、適した環境を得れば細胞分裂を起こし、自分のクローンを再形成できる細胞核のことだ。

 恐らく下にいる全種類の植物たちが、種や核を飛ばしているのだろう。

 黒や透明、茶色、エンジ……形や大きさも違う様々なモノが混在し、どこか春の嵐を思わせる。

 

 だが通常、開花時期がバラバラで、こんなに違う種類が一度に種を飛ばすことはまずない。

 しかも核を打ち出すということは、その植物本体は枯れる事を意味している。

 植物がタネを遠くに飛ばすのはしゅの繁栄のためだが、同時に種を絶やさない為でもある。


 ユーリは以前このように山全体から樹々や植物が、霧を吐くように一斉に種子を飛ばしている光景を見た事がある。

 それは大きな山火事の時だった。


 目を凝らすと他の支柱にも、岩肌を登るトカゲや蛇、数々の虫たちがまだら模様となって上を目指していくのが見えた。


「なんかヤバいっ! 中に戻ろう」

 異様な光景に見とれていたギュンターもハッとした。

 慌ててまた亀裂を無理やり広げる。

 先にユーリを滑りこませ、自分も転がり込むように中に戻った。

 まだ階段を走り上がって来る小動物たちが、肩や背中に飛び乗っていったが構うことはない。

 相手もそれは同じだろう。 


 その時、底からざわざわした小刻みな振動が追いかけて来た。

 続いてドンッと、柱だけでなく空間ごと強く突き上げた。

 2人ともそのまま床から大きく跳ね上げられた。まわりの小動物たちはもっと軽く、バラバラと宙を舞う。


 突き上げはそれで終わらず、ドン! ドォン ドンッ! と、続けざまに繰り返された。

 その衝撃はまるで地中にいる巨人が、巨大なハンマーを何度も振るっているかのごとく。

 塔は大きくシェイクするボトルになってしまった。




     ******




『(大改変ってなんだよっ?! 大蠕動と違うのかぁ?)』

 シャンデリアの鎖に掴まりながら、俺は叫ぶようにテレパシーを送った。

 ぐらんぐらん乱れ動く骨組みの上にいるせいで、ヘタに喋ると舌を噛みそうだったからだ。 


「蠕動は大きくとも動くだけだが、改変は前とは性質も変わる。

 番人が変わったからな」

 問いに対して声だけでなく、スッと俺の前に奴が姿も現した。


 同じく激しく揺れるシャンデリア上に立ちながらも、相変わらずコートのポケットに両手を突っ込んだ余裕綽々の態度。

 しかもそこら中から鳴り響く地鳴りや、建物が崩れ落ちるみたいな轟音だらけなのに、何故か奴の声だけ鮮明に耳に聞こえる。

 なんか腹立つ。


『(くそっ、よりによってこんな時に起こらなくても……)』

 つい俺もテレパシーで舌打ちしてしまう。

「今だからだ。今度の新しい番人にあの女、アレクサンドラもといサーシャがなった」


『(サーシャが……。が殺してしまった彼女が……)』

 直接にはヨエルがだが、俺だって関わっている。彼女の死に全く手を貸してないとは言い切れない。


「気にするな。向こうから仕掛けて来たんだから正当防衛だろ。

 それにあの女もお前たちのことはなんとも思っていない。それどころか前よりも生き生きとしているぞ。

 ここで命を落としたおかげで、この地に新しい生き方を見つけたんだ」


『(本当かよ……)』 

 普通、死んで良くなったとはならないだろう。

 そう言われてもすぐにピンとは来ない。なんだか複雑な気がする。


「あまり知られていないが、本来番人はダンジョン内の魂を送り出してやる役割もあるんだ。

 アーロンはお構いなしだったが、あの女は元々神子だったからな。性に合ってるんじゃないのか」

 そう言ってからズイっと顔を近づけてきた。


「じゃあもう1つ、気が楽になる事を教えてやるよ。

 アーロンの前は、あのゴーレムが番人だったことは聞いただろ」

『(ああ、確かヨエルがそんなことを言っていた……)』


「実はお前たちが通ったゴーレムの喉は、元は亡霊を飲みこんで向こうに逝かせる、冥界への道だったんだ。

 それがアーロンが来て、掻き乱したおかげで閉じてしまった。

 だが特別な場所であったことには変わらない。

 そこをお前たちが通った。

 この意味がわかるか?」


『(……本当は……人が通っちゃ行けなかったのか……?)』

 喉の奥が詰まる気がした。

 奴が銀色の目を細める。

「そうだ。あそこは本来生きているモノが通る道じゃない。

 それが奴をの1つに働いたんだ」


 そんなっ、助かるために通った場所が……。禁忌の通路だったなんて……。

 そんなの分かる訳ないじゃないかよっ!!


「周辺の死気デス・オーラのせいで、おそらく気づけなかったんだろうな。いつもなら危険を察していたかもしれないが、やはり焦りもあったんだろう。

 どのみちアイツが自ら選んだ道だ。お前のせいじゃない」


「クソたれっ! ちっとも慰めになんかならねえよっ!」 

 舌を噛む恐れも忘れ、つい怒鳴っていた。


 知っていて教えもしねえし。

 それでいて俺だけ、纏わりついた死の息を祓われていたに違いない。

 そうしてヨエルには何もしてやらなかった――。

「まず俺たちに関わらせたから、ヨエルは死んだんだろうがぁ!

 責任取れよっ!!」


「え、なんだって? まわりが煩くてよく聞こえないなあ」

「こんのぉっヤローーッ!! こんな時だけ耳が遠くなりやがってぇ。

 サメは本当は聴力が一番鋭いんだろがぁ!」

 

 ガッと、頭を鷲掴みにされた。


「だったらお前も責任取って、アイツを無事に逝かせてやれ。

 だらだら泣きごと言ってないで、やれる中でベストを尽くして見せろ。

 長引けば長引くほど、不幸になるのはアイツなんだぞ。

 あとお前は、何かあるとオレを魚類呼ばわりするが、そんな雑言ちっとも応えねえよ」


 しっかり怒ってるじゃねえかよ。

 しかもムカつくことに、ヨエルと似たような事を言いやがって。


 だけどそんなやりたくもない、非情な選択肢の中から選ばなくてはいけないものなのか!?

 まさかこれも試練とか言うんじゃないだろうな。

『乗り越えられない試練はない』とか言う言葉があるが、それじゃ乗り越えられない奴は弱い根性無しなのか。

 本当は違う意味らしいが、使い方によっては人を追い込む。


 昔、鬱になっていた時、失恋したと知ったある同僚が俺にかけてきた言葉がコレだ。

 彼はクリスチャンで本人としては励ましのつもりで言ったのだろうが、当時の俺は酷くイラっとさせられたものだ。


 俺がこちらに関わることで今後もこんな事が起こるなら、もう父さん創造神様と縁が切れても仕方ない。

 もうこっちには来ないっ!!


 だが、そうやって怒りでグルグルまわる頭の中に、ある記憶が浮かび上がってきた。

 以前、司祭であり治療師のハルベリー先生が言っていた言葉だ。


       *


 先生は木製の背もたれを軋ませながら、ポケットからスキットル(携帯式ウィスキーボトル)を取り出した。

「まあ『死』っつうのは、貧富の差身分関係なく唯一平等な運命だし、次への始まりでもあるという教えもあるんだ。

 それから考えるとやっぱり『蘇生』ってのは、自然じゃないってわけだな」


 始めは治療の話からの流れで、究極の治療魔法『蘇生』の話になった。

 診察の合間だというのに先生は一杯やり出していた。

 ただナタリーに見つかると怒られるので、一口飲んではすぐ隠せるようにキャップを閉める。


「死んだ者を生き返らせるなんて、神様にしか許されない行為だよ。

 だからせいぜい人間がやっていいのは『再生』までだと、俺個人は思ってるんだがな」


 集会室で子供たちに文字を教えているナタリーが、いつこちらの様子を見に来るか、俺も探知で注意しながら、患者のいない時間こうして先生と雑談していた。


 俺は今まで『蘇生』と『再生』をごっちゃにしていたが、先生の話を聞いて初めて違うモノだという事を認識した。


 簡単に言うと、『再生』は欠損した部分を作り治すこと。失った指や手足、失明した目など、ただの回復力では治らない障害を、まさにトカゲの尻尾のように再生させることを指している。

 これはあのエリクシル万能薬に匹敵する力だ。

 それに対して『蘇生』はその通り、死者を生き返らせる復活魔法ということになる。


「まさに神様の御業だから神聖魔法って言われてるんですね」

 回復なんかに比べて凄くパワーも要りそうだ。

「それだけで神聖魔法と呼ばれてるわけじゃないぞ」

 昼間っから酒をコソコソ飲んでいる赤ひげ先生がのたまう。


「ありゃあ まじで聖人じゃねえと出来ねえやり方よ。

 何しろ相手を甦らせるって事は、命を分け与える、つまりってことなんだぜ。

 というのはな――」


       *


 ああ、そうか――、そうだ、もしかして――いけるかもしれない。


「ああっ、やってやるさ! 出来ることはなんでもやってやるっ!!」

 少し舌を嚙んでしまったが、痛みは分からなかった。

 怒りのせいというよりも、いま思いついた案に興奮していたせいだ。


「あの世に送るだけが責任の取り方じゃねえっ。助ける方法が1%でもあるならそれに賭けるのが本当だろ!」

「まだそんな事言ってるのか。――ん?」

 頭を掴んでいた手が離れた。


「さっきとは違う目の色になったな。いいぞ、その顔つき。

 お前は追い詰められると、やっと本領を発揮するからな。

 何か思いついたのかあ?」

 癪に障る牙を見せて来る。

「てやんでぃっ! いちいち子供扱いするなよ、うぜえんだよ」

 揺れがだんだんと落ち着いてきた。そろそろ行けるか。


「俺は父さんの血を受け継いでいて、体質も能力も他とは違うんだろ?

 だったら人よりも出来ることが色々とあるはずだ」

「うんうん、それで?」

 殴りたくなるこの笑顔。


「俺の命をヨエルに分ける」

「はあ”っ?!」

 奴が口をあんぐり開けた。

 思わずジョーズのポスターを思い出してしまった。




    ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 ううーん、またもや予定していたところまでいかなかった……(-_-;)

 でも最近の中では早めに更新出来たから良しとしますか。


『越えられない試練』エピソードは実体験です。(失恋じゃないけど)

 まあ色んな解釈がされているので、本来はこんなストレートな意味じゃなかったのかもしれませんね。

 

 とにかく次回こそ、他に生き残っている人達に再登場してもらう予定……なんですが💧

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