第164話☆ 一難去って……

 彼女達は、レッカが待っていると言っていた仲間たちだった。

 俺はポーに餌を与えた事、下の層で仲間が妹の方を保護している事を伝えた。


「うん……。確かに餌をやったのは確かかも。この匂いはポーが喜んでる時の匂いだ。

 警戒してる気配もないな」

 俺の服の匂いを嗅ぎながら、魔法使いらしい男が言った。


 近くに来た時フードの奥に、狐色の巻き毛と丸まった角らしきモノが見えた。

 あれ、この人、もしかしてこの間『フォックスカンパニー』で見た獣人?

 見た目40前くらいか、やや面長の顔はよく覚えてないが、なんとなくあの角と毛の感じが似ている。


「だからと言って、あんた達をすんなり信用するわけにはいかないよ。こんな強盗のマネしてる奴なんかね」

 パネラが相変わらず、メイスを握りながらヨエルを睨む。


「それにそんな厭らしいトーチャーハンド拷問挟みなんか持ってる奴の言う事もね」

 そのスティックってそんな名前だったのか。

「それは拷問具に似てるだけのただのだろ。

 これの正式名はウォーハンドだ」

 そしてハンドに付いている血を、風で地面に飛ばした。


「あんただって襲われたらやり返すだろ?」

「だけど盗みはしないっ」

 パネラがきっぱり言った。


「薬を残しといたら、すぐに回復して仕返しにくるだろ。金は迷惑料だ。

 欲しいならやるよ」

 ヨエルが袋を2つ前に突き出した。


「なら、取った薬を出しな! 動けないんだし、もういいじゃないかっ。

 ダンジョンで怪我人を放っておいたらどうなるか、知らないはずないだろ」

 俺はヨエルに振り返った。

 彼も俺の方を見返すと、面白くなさそうな顔して言った。


「兄ちゃんは知らなそうだな。

 ダンジョンが生物のエナジーを喰うのは知ってるかい?」

 俺は黙って頷く。


「死んだりした時はもちろんだが、怪我や病気で弱ったヤツも喰われやすいんだ。

 生命の藻掻もがきっていうのかな、そういう、死に抵抗する足掻あがく時に発するエナジーをダンジョンは好むんだよ。

 元気で明るい生命力も活動力として高いが、そういう悲痛な生命力はダンジョンには花の蜜のようなモノらしい」

「……それがダンジョンの嗜好なんですか」

 確かに死ぬ間際の生命エナジーは好みだとは聞いていたが。

 ダンジョンって性格ドSなのか?

 

 横からパネラが割り込んできた。

「そうだよ。だから怪我した状態でいつまでもいると、どんどん生命を吸われて、やられちまう事があるんだよ。だからダンジョンでの大怪我は禁物なの。

 あんた、そんな事も知らないで潜ってるの?」

 下から少し馬鹿にしたような顔で、ドワーフ女が俺の顔を見上げてきた。

 しょうがないだろ、俺はここに来てまだ3カ月なんだぞ。


「ヨエルさん、私からもお願いしますよ。見殺しにするのはちょっと……」

「チィッ」

 ちょっと舌打ちしてから、草地に2つポーションを放った。


「言っとくが、まだそいつの仲間は、あと2人はいるはずだ。そいつらがあんたの探してるお仲間に、悪さするかも知れないんだからな」

「それが真実ならね。まずアメリに会って確認しないと」

 左手に小型の盾を握り、右手のメイスはいつでも振れるように、横向きに持ったまま胡散臭そうな目つきで彼を見た。


「あの、さっき言ったみたいに、すぐ下で彼女が待ってるので、付いて来て貰えますか?」

 とにかく彼女を会わせた方が早いだろう。

「はあ? ノコノコ付いて行く訳ないだろ。罠かもしれないのに」

 薬を拾いながら、男が言った。

「じゃあ、ここで待っててください。彼女を連れてくるので」

 俺はすぐ後ろの穴に向かおうとした。


「待った。そっちの兄ちゃんはここに残りな。行くならあんたが連れて来なよ」

 そう言ってメイスでヨエルを指した。

「……ふざけんなよ。仲間助けてやったのに、人質取る気か」

 ヨエルの声に怒気がはらんでくる。

「2人で行かせたら、それこそ逃げちまうかもしれないじゃないか」

 女もまったく引かない。


 これは一触即発の雰囲気、ここは彼女の提案通り、俺が人質になるしかないか。

 なんとなく乱暴する人達には見えないし。

「じゃあ私が――」


「あんまり遅いから、こっちから来ちまったぞ」

 睨み合っている俺達の真横に、いきなり奴が現われた。

「わぁっ!?」「ヒッ!?」

 2人がビクンと飛び上がる。

 ヨエルは慣れてきたらしくて、ちょっと肩を動かしただけに留まった。


「やっぱりっ 騙してたなっ!」

 パネラが今度はヴァリアスに向かってメイスを構えた。

 男の持っているワンドが光り始める。魔力を通して臨戦態勢に入ってきた。

「あ゛?」


「手配書では見た事ない顔だけど、どこの盗賊頭バンディットヘッドだよっ!

 どこから流れてきた?!」

「誰が盗賊だっ!? っざけんなよっ!!」

 奴の重低音ボイスに2人が身を固くしたが、なんとか戦意を失わずに踏みとどまった。


 おお、結構根性あるな。

 横でヨエルが『グッ』と喉の奥で詰まった音を立てて、横を向いてしまった。

 大変だな、雇用主を笑う訳にいかないし。

 って、傍観してる場合じゃなかった。


「ヴァリアス、手ぇ出すなっ! すいません、こいつの顔は生まれつきなんです!

 悪質だけど悪気はないんです」

「ア゛ア゛ッ!!?」

 余計悪人面に陰がさしてしまった。

 ヨエルはツボってしまったのか、肩を震わした。


 その時、

『ミャミャミャア~~~』と、穴から大猫が飛び出してきた。背にまた女の子を乗せて。


「「アメリッ! ポーッ」」

 2人が振り返る。

 今度は速度を落としたのか、アメリの服装の乱れもなく、屈むようにちゃんと跨っていた。

「ったく、遅えんだよ」

 奴がぶっきらぼうに呟いた。


 ★★★★★★★★★


「「大変申し訳ありませんでした!」」

 パネラと獣人の男が、土下座体勢で俺達の前に突っ伏していた。

 両掌を上に向けて前に伸ばしているのが、土下座とは違うところだが、これは服従のポーズなのだ。


 掌を上に向けている事で武器を持っていない事と、こういう場所で土などを掴んで投げつけられない事。

 首と腕を真っ直ぐ差し出して、首や腕を切られても文句は言えないという、まさしく最大の謝罪の姿勢らしい。

 

 1分前までとは打って変わっての姿だが、これもやってきたアメリが、また半泣きになりながらなんとか説明したからだ。

 誤解が解けた途端の2人の顔と来たら……。


「盗みを見てるから、コイツらを盗賊と思うのはしょうがねぇ。だけどなんでオレがその親玉なんだよっ?!」

 サメがまだガタガタ文句を言っている。

「本当にすみません……。アクール人はほとんど見た事なくて……」

 顔を上げずにひたすら謝る。

「アクール人が強いからって、みんな盗賊やってるとは限んねぇだろっ! 

 官吏やってる奴だっているんだぞ」

 アルの事だな。刑吏は官吏の1つだし。あいつもギリギリなとこあるが……。


「もうその辺にしとけよ。あんたのその業顔がまず罪深いんだから」

 俺はこいつにだけは失礼とは思わなくなった。

「あ゛あ゛っ?!」


「……旦那は貫禄あるから、三下とは思わなかったんじゃないかな」

 ヨエルがまだ口を押さえながらだが、弁護してきた。

「む、それなら……しょうがないか」

 ナイスフォローだ、師匠!

「おれもちょっとムカついたが、逆の立場だったら同じ事をするしな」

 良かった。笑いが入ったおかげで頭が冷えたようだ。

 ナイス、ジョークパワー。


「本当に失礼した。せめて一発殴ってくれ」

 女がバッと顔を上げた。

「ヤダね。女の頬しか張れない野郎と思われちまう。

 それより」

 ヨエルがハンドを地面に立てると2人の前にしゃがんだ。

「ちょいと答え合わせさせろよ」


「答え合わせ……?」

 男も顔を上げた。

「このエロメイドだよ。どこの風俗店から逃げて来たんだ?」

「ち、違うっ! アメリはそんな如何いかがわしい店になんか勤めてないよっ!」

 パネラが思わず目を大きくした。

 アメリもまた胸を押さえて、顔を赤くする。


「じゃあどこかのスケベな主人からでも逃げて来たのか? そいつに何かされようとして」

「……なんで逃げて来たって……」

 アメリが小さく呟いた。

「さっき、おれが『お前たちの追手か』と聞いたら、『多分違う』と答えたろ。

 追手がいないなら、『多分』なんて言わないだろ」

「あ……」

 アメリが手で口を押さえた。

「それに奴隷じゃあるまいし、何かやらかさなくちゃ、そんな躍起になって逃げた使用人を追っかけねぇだろうし。

 それともそいつが、お前にご執心なのか」


「……ご主人様は良い人です。ただ、その坊ちゃんが……」

 また目が潤み始める。


「アメリっ それ以上言わなくていいよ」

 パネラが遮った。

「あの野郎が悪いんだよ、跡取りだかなんだか知らないけど、親の威光を振りかざしてやりたい放題しやがってっ」

 こうしてあらためて見ると、パネラは人族なら25,~7くらいかな。実年齢は長命種だから分からないが。

 さっきまで眉間にシワ寄せたキツイ顔だったが、こうしてみると眉は太いが、愛嬌のある可愛いと言える顔だ。

 二の腕は俺より太いけど……。


「わかった、そこまで。

 そのバカ息子の名前まで言わなくていい。

 なんとなく思いつく野郎が3,4人いるが、それ以上聞いちまうと、面倒に巻き込まれそうだから止めておこう」

 それを聞いてアメリと2人が顔を見合わせた。


「じゃあもう本当にいいのかい?」

「ああ、もうこっちに関わってこないならな。

 いいよな、旦那?」

「ああ、オレも邪魔しないなら構わない」


 ★★★★★★★★★


「ヨエルさん、答え合わせって、エロメイドって何です? あれはポーの上に乗ってメチャクチャ走ったからでしょう?」

 俺はヨエルにそっと訊いてみた。

 3人はすぐ近くの樹と茂みの陰に行って、まずアメリの服を着替えさせていた。

 流石にあのメイド服じゃ目立つので、着替えを持ってきたようだ。


「違うよ。あれは破れたわけでも、ボタンが外れたわけでもねぇ。始めからああいう胸の開いた服なんだよ」

 ヨエルが3人の方に視線を向けながら言った。流石に探知はしていないようだが。

「だからエプロンが外せなかったんだ。胸が見えちまうから」

 あ、そうなのか。

 俺も目立つのに、せめてエプロンぐらい外せばと思っていたのだが、そういう事だったのか。


「あんな服着せて、近くで覗き込んだり、給仕させて屈んだ時にでも見えるようにしたんだろうよ。

 素人女相手に面白がって」

 最後はちょっと胸糞悪そうに言った。

 確かにそれを強要したのなら、凄いパワセクハラだな。


「本気で嫌がってる小娘にやらせて、何が面白いんだか。萎えるってんだよ。

 女も楽しんでこそだろ」

 師匠、俺の考えてる方向性と若干ズレが生じました。


 そんな話をしながらも、3人の会話が聞こえてきた。

「ホントに遅くなってゴメンね。連絡に気付くのが遅くなって……」

 パネラがアメリに謝っていた。

「そんな、来てもらって……本当に嬉しかった。ありがとう……」

 泣き虫なのか、また泣きそうな声になってる。


「アメリ達の家に必要なモノ取りに行ったから、余計遅くなっちゃった。だけど持って来て良かったよ」

 男が2人に背を向けてこちらを見ているのが、枝越しに分かる。

 彼は名をエッボと名乗った。

 やはりフードを脱いだその頭は、羊系の獣人のようだ。

 そしてその体は、毛を刈り取った羊のように細かった。


「ホールでね、ミケー達が待ってるから、アメリは彼女達と一緒に外で隠れた方がいいよ。

 ミケーが良い隠れ家を知ってるし。

 レッカはおいら達が必ず探し出すから」


 やがて着替え終わったようで、3人が出てきた。

 アメリはさっきとはもちろん違って、マスタードイエロー辛子色のフード付きマントを羽織っていた。

 下は腰回りが少しゆったりして足首が絞られている、オークベージュ色のサルエルパンツをはいている。

 もちろん上は、胸をしっかり隠したブラウスを着ている。

 靴もメイド用のパンプスから、紐靴に履きかえていた。


 3人は俺達の前に来ると、あらためてまた頭を下げた。

「じゃあおれ達はもう行くぞ。これでもう関わりなしだ」とヨエル。

「ああ、本当に助かったよ。いつかお礼させてよ」

 パネラがボルドー色の革の胸当てに手を当てる。

「別に要らねぇよ。あとそれに小娘、手を出せ」

 いきなり呼ばれてちょっとビクンとするアメリ。


 恐る恐る手を出すと、その手のひらにさっきのコイン袋を載せた。

「奴らからの慰謝料だ。逃走資金の足しになるだろ」

「あ……有難うございます」

 ピョコンとアメリが頭を下げた。


「じゃあ、こいつらは連れてくから」

 そう言ってまだ転がしていたあのゴロツキ達を、パネラがひょいっと両肩に担ぎだした。

 自分自身も、登山のような大きな荷物を背負っているのに、流石はドワーフ。

「良かった。上に連れてってくれるんですね」

 彼女たちはアウトローというより善人のようだ。

 

「ううん、そこの中間部屋に転がしておくよ。管理室に誰か倒れてるって報告しとけば、後は勝手に係がやってくれるし」

 パネラが男2人を担ぎながらクルッと振り返る。背が低いのでノッポの足が地面に付きそうだ。

「おいら達も今、あんまり警吏に関わりたくないからね」

「本当に有難うございました」

 アメリが深々とお辞儀をした。もう胸が隠れてるので、安心して屈めるのだ。


 3人と1匹、荷物2人が樹々の奥に消えていくまで、俺は彼らの後ろ姿を見送っていた。

 レッカも無事だと良いのだが。


「旦那、気付いてるかい?」

 振り返るとヨエルが眉を寄せて、ヴァリアスに訊ねていた。

「ああ、1人いるな。あの裸女の仲間かもしれんが」

「え、まだ不審者がいるのか?」

 俺も探知の触手を出してみたが、さっぱりわからない。

 つい辺りを窺ってしまう。


「蒼也、あんまりキョロキョロするな。相手にバレるだろ」

「そうだけど……」

 見えない奴が近くにいるって、気味が悪い。

「なんとなく敵意はなさそうだな。おれ達のハプニングでも見に来たのか。

 何にしても気に入らねぇけど」

 面白くなさそうにヨエルが言った。


「よし、オレ達も2階に戻るか。どうせだから別の穴から行こうぜ」

 奴が軽く手を打って、左側の方へ向かった。

 さっきの穴は使わないのか。そうするとまた違う場所に出るのかな。

 そうして2,30mほど歩いた時に、ふとヨエルが俺に声を潜めてきた。


「兄ちゃん、さっきおれ達が出てきた穴付近、探知出来るか?」

 そう言われてすぐに触手を伸ばしたが、苔むした石壁と、穴を覆う青緑の蔦のカーテンに、長短の雑多な草しか分からない。

 その草はほんの微かに吹く風に揺れている。


「そんな小声で話さなくても大丈夫だ。オレが遮音してるから」

 感心したように奴を見てから、俺の方にまた向き直ると

「じゃあ、今度は風で視てみろよ。気流がちゃんと探知と合ってるか」


 探知と風の照らし合わせでの間違い探しという事だな。

 だが、そう簡単にはいかない。

 まず同時に出来ないし、俺は探知ほど風を繊細に扱えないのだ。

 とはいえ、今回は範囲がごく狭いので分かりやすいか。


 風を感じるのは、探知とはまた違う感覚だ。

 探知は『視る』『気配』という感覚が強いが、風はその『動きや流れ』『空気の存在感』を感じるという物理的感覚だ。


 上手く言えないが、濡れた手のひらで、微かに吹いてくる風を感じる時のような触感が、頭の中でするようなと言えばいいか。

 その濡れた手のひらを少しずつずらしていくと――。


 何かが穴のすぐ右側にいた。

 穴のまわりには樹や石など、ある程度大きく凸った物は探知では視えなかった。ただの平坦な壁面に、所々から蔦や蔓が石の隙間から伸びているくらいだ。


 だが、その大まかにいえば平らな面に、風がある程度の大きさの空間を避けていく。

 そこに何か見えないモノがあるように。

 まさか、そこだけ気圧が違う訳ではあるまい。

 いや、ダンジョンのような歪んだ空間なら考えられなくもないが、その風による3Dの波型は、人の形をしていた。


「分かったか」

 奴がこちらを覗き込むように言ってきた。

「あ、ああ……。少し小柄な人影だな。ノームだろうか?」

「う……ん、どうだろうなあ。ミックスかもしれない」

 ヨエルが答える。

「そうなんですか。私にはまだ、形がぼんやりとしか分からなくて」


「まあどっちでもいいだろ。こうしてお前の練習台になっただけでも役に立った」

 キングポジティブな奴がさっさとまた歩き出す。

 

 俺達が再び歩き出すとその何かは、ゆっくりと壁に沿いながら穴の中に入っていった。



 ★★★★★★★★★



「あんた達、本当だったらぶっ飛ばすとこだけど、もう散々ヤラれてるようだからこれで許してやるよ」

 パネラがホールに続く階段手前の中間部屋に、ゴロツキ達を下ろしながら念を押した。

「言っとくけど、あたい達の事も喋ったら承知しないよ。

 獣人のあんたになら分かるだろうけど、亜人の結束はヒュームより固いからね。

 何かあったら必ず報復するよ」

 半火傷になった獣人が力無く頷く。


「パネラ、もうそんな奴ら放って行こうよ。ミケー達が上で待ってる」

 エッボが急かしながら、ドア横のレバーをL字に下げた。

 ゴリゴリと鉄格子が上がっていく。


「あんた達、今から言い訳考えときなよ。上で係を呼んできてあげるから」

 鉄格子が上がり切ったところで、今度はレバーを真下に下げる。

 このレバーは1つの扉が、上がり切らないと動かせないようになっているのだ。

 黒い石の扉がズリズリと上に動く。


「ん……」


 扉の前に誰かいた。2人か。

 まず黒のロングブーツの足が見えてきた。

 膝の辺りまで扉が上がると、今度はサーコートの裾が見え始める。

 それは縦に真ん中で2色に分かれた、黒とグレーのツートンカラー。

 そして真ん中に剣を示す『†』模様が入っていた。


「――警吏がなんで……!?」

 つい慄いてしまった3人に、手前の警吏が金色の月の目を光らせた。


「おい、それは一体どういう事だ? 説明してもらおうか」

 そう奥を指した右手から、バチバチと雷の閃光が見えた。



  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 やっと役者が揃ったという感じです(^^;)

 ここまででこんなに話数を費やしてしまいました。

 そろそろダンジョンの罠もお披露目しないとです。

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