理想の保育園

保育園見学に行った。


そこは園長先生がかなりこだわっていて、長年ブレない教育方針。


他にも見学に行ったが、そこだけが思いが伝わってきて熱い保育園に感じた。


我が家は0歳児で預けることになるので、まず保育園選びのポイントを教えてもらった。


1.日当たり

日光に当たることでビタミンDが作られるし、子供が気持ちいい。

そして日光で床も消毒されて、舐めても安心。

これはほんとかな?と思ったけど、調べたら日光には殺菌効果があるらしい!


2.風通し

窓ではなくアコーディオン型のガラス戸なので、風が下から抜けていく。特に赤ちゃんはハイハイして、いる位置が低いので、下からの風通しをよくすることが大事。


3.静かなこと

赤ちゃんは午前と午後の2回昼寝をするので、静かな環境が必要。

道路が近くにない環境。

そして他の園児とはガラス戸一枚で仕切っていて、年齢が高くなるほど遠くに部屋を配置しているので、ピアノや騒ぎ声が聞こえにくい。


4.排気ガス

風通しと同じ理由で、赤ちゃんが排気ガスを浴びないよう対策がとられていること。


なるほどなぁ〜と思った。


それから、『本物に触れること』を大事にしていて、カセットやテレビを置かずに、グランドピアノを保育士が弾く。


実際に聞くと、音がいい。テープの音より臨場感があって心地良かった。


テレビも、脳の発達に影響を与えるし、情報処理が全部受け身になってしまう。

それは私も同意見。

見せている間、楽ができるから、忙しいお母さんたちのために、家では見せてもいいけど、その楽は保育士がすべきではない。と。


他にも、ポリシーはいろいろあって、保育園選びで懸念されるのが、布おむつを使うこと。


実際に私の手を取って、水で濡らした布と乾いた布で実践してくれた。


「おしっこが出ました。今おむつは濡れている状態です。(水で濡らした布を手の甲に当てられる)

気持ちいいですか?」


よくわからなかったけど、いいえと答える。


「おしっこのアンモニアを拭いて、新しい乾いた布おむつをします。(乾いた布を手の甲に当てられる)

さっきとどっちの方が気持ちいいですか?」


確かに比べれば差がわかる。


乾いた布が気持ちいいと思った。


「だいたい今時のオムツメーカーは8時間サラサラと謳っていて、昔より断然気持ち良くなっています。夜とか楽ですよね。でも、あなたが5万円あげるから、朝8時から夕方4時まで8時間履いてくださいと言われたら、どうですか?」


まぁ5万円くれるならやるよね(笑)と言われて、やるんかいって心の中でツッコむ。


「おしっこしたまま仕事したり、車運転したり、嫌だよね。」


園長先生は、想像させる話し方が、とても上手で説得力に繋がる。私も日頃マネしようと思った。


「赤ちゃんも同じです。そのままにしておくのは、喋らないし、わからないから。それは赤ちゃんを下に見てるから。」


そう言われてドキッとした。


「もちろん、布おむつは頻繁に変えなきゃいけないし、その都度洗うから面倒くさい。紙おむつを使う保育園が99%だと思います。衛生的と言ってるけど、実際は紙おむつだと楽できるから。保育士はそれをするのが仕事だけど、チャイルドシートに乗せてておしっこされたら、臭いし、仕事前に掃除するの大変ですよね。だから園に来る時は紙おむつで。スマホも使いすぎは良くないけど、上手く使えば便利だよね。上手に使い分けないと。」


とにかくここの保育士は大変だなと思った。

ピアノで生演奏に全身を使った遊び、広い園内や土の上を裸足で駆け巡り、園児に目を配り、お漏らしを処理する。


本物の保育士でやりがいがあるかもしれないが、親の立場ではできないこと。親としてはありがたい。


「まだ赤ちゃんは人じゃない。人間の形をしているけど、自分1人で生活できないし、ご飯も食べられない。

やっと自分でいろいろできるようになって、一人前、成人するんです。」


金八先生かなと思ったくらい、話し方がずーんと来る。


その理由で、プラスチック容器ではなく陶器の食器を使うそうだ。


「キリマンジャロの最高級深煎りコーヒーを、目の前でこれに注ぎます。

紙コップと、ソーサーのついたコーヒーカップ。

どっちも同じコーヒーです。

どっちを飲みたいですか?

我々には目で見て楽しむ『視覚』という文化があるんです。

それを子供にもしてもらう。

もちろん、陶器は高いし割れます。でもそれが保育園が提供すべき最高のサービスです。」


徹底してるし、それが実現できるように環境を整えててすごいなぁと思った。

それで認められて実績を積んでるんだから、園長先生も楽しいだろうな。


実際先生たちも笑顔でフレンドリーだし、園児も自発的にいろいろできていて楽しそう。


そういえば先生たちは、先生ではなく苗字や名前やあだ名で呼ぶらしい。


◯◯ちゃん。と言う風に。


実はここを見に行ったのは、かつて私の妹2人が通っていたからだ。


私の母は何も知らずに、近所だからと選んだそうだが、遠方からここがいいと志願していた人もたくさんいたらしい。


母に聞けば、妹たちは嫌がらず楽しそうに毎日通っていたらしい。

妹たちに聞いても楽しかったと。


完全なイメージではあるが...

当初第一希望だった駅前の人気保育園は、園服をきちっと着ていて、なんとなく親の職業や子供のマナーでマウントを取りそうなイメージだが。


妹たちに聞くと、ここの保育園では、足が速い子が1番すごいらしい。あとは木に登れる子とか、側転がキレイな子とか...。


当初は比較のため見に行くつもりだったが、園長先生の話を聞いて、実際に保育園を見て、ここ以外通わせたくないなと考えが変わった。


親的には、服は汚れるし、洗い物増えるし、泥だらけで頭まで砂にまみれて、家や車に入れたくないくらい汚いので嫌だ。


でも子供からしたら、それだけ自由に力一杯遊べる環境って楽しいだろうなと思った。


きっと家やおばあちゃん家ではそこまでできない。


きっと公園に行ってそんなことされたら嫌になるから、させないように目を光らせる。


今は子供服も安く手に入るお店がたくさんあるし、すぐ大きくなるし、どんどん汚せばいい。


おめかしする時とメリハリをつける良い機会にもなるかもしれない。


布おむつだって、ザッとは洗ってくれてるんだから、洗濯機で回すだけでいい。


きっと、園長先生のちょっとくどい話し方が苦手な人もいるだろう。私たちは説明が終わるまで2時間かかった。



力一杯遊んで、疲れて夜グッスリ眠って、体の大きな子になればいいよなぁ。遊びの中で思いやりも学んで。小学校に上がる時、足が速くなって一目置かれたりして。体が大きくなれば、「強く生まれた者には使命がある。それは弱き者を守るためだ。」なんて、鬼滅の刃、煉獄さんの母親みたいなこと言ったりして。


妄想が膨らんでこっちまで楽しくなった。


私は近所の英才教育系保育園だったので、遊んだ記憶があまりない。人でごちゃごちゃした遊具で、ひっそり遊んで、先生の目にも留まらず怪我をしたり、英語やスイミングを物静かにした記憶しかない。


それらの苦手意識は無くなって、興味には繋がったけど、コマや竹馬で力一杯遊んでみたかったなと思う。


息子のおかげで、こちらまで楽しめそうだ。

ありがとう。

入れるかわからないけど、園長先生、保育士さん、私たちをよろしくお願いします。

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