おでん 〜義母の生態〜

義母さんの話である。


おでんを前日から仕込み持って来ると言う。


息子に会う口実。  


産褥期1ヶ月間は動かない方がいいと、妊娠中から言ってた。  


でも考え抜いた結果、私は産前産後は実家に帰らずアパートで育てることにした。


初めて同士、夫婦2人、力を合わせて育てたいと思ったからだ。


短い新生児期、沐浴などを夫と一緒に体験したいし、日々の成長を夫と共有したい、そんな思いで決断した。


まぁ、荷物などちょこっとしたものが全部揃ってる自分のアパートの方が過ごしやすいし、何よりMy ベッドに毎日寝られるという幸せ感が得られる。


何万円かしたふかふかマットレスのついた私のベッドに沈む瞬間が、1日のうちで1番幸せだ。


それに両実家、市内だし、私の実家に至っては車で20分以内のところだから、どうとでもなる。


それはさておき、アパート暮らしに伴い、周囲の家族に、抱えてる不安を吐露しておいた。


まず1番は、夕飯の支度。2番は夫の弁当作り。


洗濯は洗濯機がしてくれるし、掃除はルンバがしてくれるし、食器洗いは食洗機がしてくれる。

ありがとう文明の力!


しかし、料理を作ってくれるAIはいない。

私は料理は嫌いではないが、得意ではない。

時間もかかるし、マニュアル通りにしかできない。

書いてある具材、調味料がないと作れない。

そして目検討もできないから、焦げる、煮すぎる、焼けてない。


だから面倒くさい。


そしたら、実母は、『夕飯くらい何か買って持って行くわ。父か妹か自分か、仕事終わりか休みかのタイミングで誰かしら家族が行けるわ。』と言ってくれた。

しかし金がかかるから、ケチな私としてはまだ不安。


そしたら今度は義母。

『(夫の名前)の夕飯の面倒は私が見ます!』


え?夫だけ?まぁいいけど。


最初は、実家に帰らないことにしたと言ったら、まさかの『こっちに来ててもいいよ。部屋余ってるし』とお誘いがあった。


いやいや、なんのメリットもない。幽閉。監禁。ストレス地獄。まず私のベッド持ってきていい?


それは夫が断ってくれたので良かったが。


退院して翌日。義母から連絡。


『体調、育児どうですか〜?明日夕飯の差し入れに行きますね。』


ラッキーと思ったのが、すべての始まりだった。


それから義母は毎日、仕事終わりに直行で家へ来て、夕飯を作り、息子をあやし、一緒に夕飯を食べ、夫と自分の弁当と、残りでついでに私の昼ごはんを作ってくれるようになった。


いいさ、ありがたいさ。義母さんが来たら、『(夫の名前)が帰るまで、体休めておきよ。』と言い、寝かせてくれる。ありがたいさ。洗濯回してたら、取り込んで干してくれる。ありがたいさ。


でも、長い。長い。...長い。


たまたま夫がこの1ヶ月間は仕事が遅く、21時過ぎの帰宅続きだったのもあり、義母は18時過ぎにやってきて、21時過ぎに一緒に夕飯を食べ、食器の片付けをして、沐浴を見守ってから帰られる。


当然、23時くらいになる。


夫は仕事で疲れて眠さ限界だし、夫婦の会話が何もできない。たまに、離れたところでボソボソ夫に文句を言うと、なんと義母が、『え?何?』と話に割って入ってくる。結構な地獄耳をお持ち。


そんな義母について述べたが、これはまだまだ基本の話。今後たくさん愚痴ネタをこぼしていきたいので、ベースになる前提の話をここで言っておきました。


やっとこさ冒頭のおでんの話ですが、その夕飯のおでんの残りを、夫の弁当に詰めてくれ、残りはタッパーに入れて私の翌日昼ごはんに、と冷蔵庫に入れてくれた義母。


ちゃっかり自分の弁当分は取り分けてたらしい。


そしてその翌日昼ごはん。


チンして中身を見ると、こんにゃくばっかり。


夫の弁当には確か玉子や牛すじ入ってたよね?


私ちくわ好きって言ったよね?


夫の弁当、スペース空いたからって玉子2個入れてたよね?


私のは?こんにゃく、かまぼこ、きっと弁当に入らなかったから残ったであろう里芋。せめて糸こんにゃく欲しかったよ。ちくわをおくれ。


いいさ、文句はここでだけにするさ。

あるだけありがたいもんね。

多分、何も考えないで、夫には良いおかずを入れてあげたんだよね。自分の可愛い息子だもんね。

そしたら『いかにも残り物』が残っちゃったんだよね。見えなくてそのまま蓋したんだよね。


きっと無意識でしょう。夫と私への差別がちょいちょいあります。

それも今後書かせてください。笑い話と思ってお付き合いくださいませませ。

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