第6話 はじめての実戦②
そこから俺たちはどんどんと平原の奥へと進んでいった、道中に先ほど戦っていたゴブリンやスライムと言われる青色のブヨブヨした物体や
平原を1時間ほど歩くと森が見えてくる。
「アユム君見て、あそこに森が見えるでしょ?
森の中は今までよりずっと強い魔物が
いるから少し気をつけて行くわよ!」
「はい!わかりました!」
「そういえば、今までの戦闘で少しは
レベルが上がったかしら?」
そう言われて俺はポケットからカードを取り出し
開示と唱える。
手元のカードに俺のステータスが反映される。
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〈サトウ・アユム〉
種族: 〈人間族〉
職業:〈賢者〉
Lv:6
マナ:286
攻撃:73
防御:83
魔力:186+45
俊敏:96
武器:
称号:
〈異界の勇者〉
特性:
〈状態異常無効LV1〉〈即死無効LVMAX〉
〈杖技LV1〉〈火の加護LV2〉〈水の加護LV2〉
〈風の加護LV2〉〈光の加護LV1〉
〈闇の加護LV1〉〈詠唱破棄LV2〉
〈アストラ語LV6〉
スキル:
〈火弾〉〈火柱〉〈水弾〉〈魔法剣〉
〈風弾〉〈探索〉
〈ケア〉〈グラビティ〉〈アナライズ〉
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「今までの戦闘でレベルは6まで上がりました。
後は火、水、風の加護のレベルも1ずつ
上がってます!」
そう伝えると、エレノアは嬉しそうにしていた。
「凄いじゃない!
こんな短期間で加護が3種類も上がるなんて!
これで、アユム君も一人前の魔道士の仲間入り
よ!」
「ありがとうございます。
でも、良いんですかね、こんな簡単に
強くなってしまって…」
俺は以前のエレノアの悔しそうな顔が頭を過ぎる。
「いいじゃない。
アユム君は勇者なんだから。
そりゃ、悔しくないって言ったら嘘に
なるけれども、そんな事ずっと気にしてたら
病気になっちゃうわ。」
エレノアはうへぇと言いながら。
森の方へ向かい始める、俺もそれについて行く。
森をしばらく進むと、鬱蒼と茂る木々の中で
所々、物音が聞こえる。
少し不気味だ…
「アユム君、魔道士たるもの
こう言う、視界の悪い所は事前に敵を
察知する事が重要よ!」
そう言ってエレノアは杖を上に翳す。
杖からは緑の魔法陣が現れる。
「風よ道を切り開けーーー
そう唱えるとエレノアの上空で緑の魔法陣が霧散した、そしてエレノアの額に緑の眼のような紋様が浮かび上がった。
「エレノアさん、今のは…?」
「今のは風の加護の探索よ、この魔法で
事前に敵の位置を知る事ができるの。
アユム君も使ってみて?」
「わかりました。」
俺もエレノアの様に杖を翳して魔法を唱える。
先程より二回りほど小さい緑の魔法陣が展開される
「
そう唱えるとエレノアと同じ様に上空で魔法陣が霧散し、俺の中に何かが入ってくる感覚に襲われる。
しばらくすると、変な感覚も抜けてきて、徐々に周囲の状況が何となくわかる様になった。
「どう?
初めての探索は少し気持ち悪いでしょう?」
「はい、頭の中にずっと何かが流れ込んできてる
感覚に襲われました。
今はもうだいぶ慣れて来ましたけど。」
「さすが、早いわね…
因みにこれも本来は1年くらい
修行がいる魔法なのよ?」
エレノアはもう慣れたわ、なんて言いながら周囲に意識を向けた。
俺も猿真似で周囲に意識を向けてみる。
すると右側の少し離れた所からぼんやりとした小さい魔力の塊が三つほど浮かび上がっているのがわかった。
「右に3体いますね…」
「えぇ、あの感じだと恐らく低級の魔物ね。
先制で仕掛けるわよ。」
そう言い俺とエレノアは魔力塊の方向に杖を翳す
「「
ギャウと言う声と共に二つの魔力塊が消えるのがわかった、そして残った魔力塊がこちらへ近づいてくる。
「んーあれは
そこそこ早いから、気を付けてね。」
エレノアが俺に伝えると同時に一匹の狼がこちらに向けて爪を放つ。
俺は余裕を持って交わし手を翳す。
「
近い距離で手から射出されるそれを風狼はギリギリの所で交わした。
風狼は俺と間合いを取り次の動きを警戒している。
「そうだ!アユム君
魔法剣使えるでしょ?
それで一度戦ってみなさい!
魔法は覚えてるはずだから、頭の中で
使い方をイメージするのよ!」
「わかりました、やってみます!」
俺はそう告げると魔法剣の使い方を頭の中で描く
すると、使い方がぼんやりとイメージ出来た。
俺は左手で杖の穂先から持ち手の部分までなぞる様にすると細かい魔法陣が幾つも浮かび上がる。
その状態で杖に集中しながら俺は魔法を唱える。
「
魔法を唱えると、杖の周りに爛々と大きく輝く青い剣状の魔力が揺らめき始めた。
少し離れた位置でエレノアは俺にグッドサインを送っている。
そうこうしていると、痺れを切らした風狼が俺の周りを掻き乱す様に飛び回る。
ゴブリンやスライムに比べたら断然速い速度だが全然目で終える為、俺はじっとその場で杖を構えて待つ。
「ガゥッ!!」
探索のおかげで風狼が俺の背後から、爪を立てて襲いかかってくるのがわかった。
俺は潜る様に風狼の爪を交わし、通り抜けて行く風狼に逆袈裟を放った、魔力の刃は風狼をバターの様に絡めとる。
そして、風狼は身体を二つに分け地面へと落ちた。
「やるじゃない!
水の加護を持つ魔道士たるもの
接近戦もしっかり、こなせなきゃね!
…だけどね、魔法剣は基本的に術者の
最大出力で出しちゃダメよ」
「最大…出力…?」
エレノアの輪郭が徐々にぼやけてくる。
「そうよ、ただでさえ探索だってつかっ…
ちょっとアユム君!!」
俺は疑問と共に意識が途切れた。
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