計画的(2020/09/30)

人間は惰性しやすい。私は目標を立て実行するのが苦手だ。

ついつい楽な方へ、簡単な方へと逃げがちだ。

出来ないことを克服するのが難しいのは当たり前だ。

物事が簡単ならいいのにと何度思ったことか。


そう、私は怠け癖や惰性の生活を甘んじて過ごす。

今日も明日がある、なんて考えたり。そんな毎日を過ごした。


仕事場に新しくやってきた新人は私と全く違う価値観だった。

彼女の名前は橘川たちかわ梨花りか。何でもタスクをこなし、スケジュールの建て方も上手かった。私とは真逆で計画性も素晴らしい。

橘川を見習いたいがどうしても無理だ。

橘川にどうしたら、計画性を出せるか聞いてみた。


「どうしたら、計画的に出来るの?」

「一日の配分、つまり一日でどの程度出来るかを正確に把握することから始まるよ。締め切りから考えていき、余裕を持って締め切りの一週間前までに終わらせると設定するといいよ」


私は既にここから無理な気がした。自身のやる気と、自身のペースすら把握出来ていないからだ。


「私には無理だな」

「そんなことないよ。まず、一日でどのくらい出来るかを把握することから始めてみればいいんじゃない?」


私は橘川に言われたように、一日の仕事のペース配分を意識するように過ごしてみた。

やはり一日だけでは把握出来ず、結局、一週間前で大体を把握できた。

仕事の締め切りの一週間前を考えて、ペースの配分を考え割り振ってみた。


私はその通りに動いてみた。驚くほどにしっかり実行に移しやすかった。

一日のやる分が解ってるだけでも、やる気が出しやすかった。

順調に仕事を行い、締め切りの一週間前に出来上がった。

その様子を橘川は見ていたらしく、私を労う。


「横川さん!すごい。これでいいんですよ!」

「え?橘川さん、私のやっているとこ見ていたんですか?」

「ええ。そうなの。見守っていた。相談された時から」

「本当に橘川さんのおかげだよ」


私は橘川が頼もしく思えてきた。

仕事を計画的に終わらし、自分に余裕を作る。

簡単なようで難しい。改めて計画的に過ごす大変さを思い知った。


計画的(了)

題材 計 文字数837 製作時間15:28

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