第5章 夢の続き
1
閉め忘れたカーテンから射し込む日差しが眩しくて、重い瞼を持ち上げる。
ホントはまだ寝てたいのに…
だってね、とっても素敵な夢を見たんだ。
あのね、どこまでも続くピンク色のトンネルを、手を繋いで歩いてるの。
で、僕が止まるとね、一緒になって立ち止まって、僕と同じように空を見上げるの。
おかしいよね…
見上げたって、一面のピンクがあるだけで、空なんて見えやしないのに…
でもそこからはちゃんと、抜けるような青い空が見えてて…
そしたらさ、急に僕のほっぺたが暖かい物で包まれて…
驚いて目を向けると、そこには大好きな人の笑顔があったんだ。
そう…
今みたいに…
「楽しい夢でも見てた?」
「うん、とっても…」
僕が答えると、翔真がフッと笑って僕のほっぺたを両手で包み込まれた。
「ねぇ、夢の続き…見させて?」
ううん、夢なんかよりも、もっと甘い甘い“夢”、見させて?
僕は強請るように翔真の厚い胸板に抱きつくと、背中に腕を回した。
「一緒に見ようね、夢の続き…」
ゆっくりと降りてくる唇に、僕の胸が期待に膨らむ。
ねぇ、君はどんな夢を見せてくれるのかな?
君と一緒に見る夢の続きは、きっとうーんと甘いんだろうな…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます