第5章 夢の続き

閉め忘れたカーテンから射し込む日差しが眩しくて、重い瞼を持ち上げる。


ホントはまだ寝てたいのに…


だってね、とっても素敵な夢を見たんだ。


あのね、どこまでも続くピンク色のトンネルを、手を繋いで歩いてるの。


で、僕が止まるとね、一緒になって立ち止まって、僕と同じように空を見上げるの。


おかしいよね…


見上げたって、一面のピンクがあるだけで、空なんて見えやしないのに…


でもそこからはちゃんと、抜けるような青い空が見えてて…


そしたらさ、急に僕のほっぺたが暖かい物で包まれて…


驚いて目を向けると、そこには大好きな人の笑顔があったんだ。



そう…

今みたいに…


「楽しい夢でも見てた?」

「うん、とっても…」


僕が答えると、翔真がフッと笑って僕のほっぺたを両手で包み込まれた。


「ねぇ、夢の続き…見させて?」


ううん、夢なんかよりも、もっと甘い甘い“夢”、見させて?


僕は強請るように翔真の厚い胸板に抱きつくと、背中に腕を回した。


「一緒に見ようね、夢の続き…」


ゆっくりと降りてくる唇に、僕の胸が期待に膨らむ。




ねぇ、君はどんな夢を見せてくれるのかな?


君と一緒に見る夢の続きは、きっとうーんと甘いんだろうな…

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