第72話 能力と適所

「なあ、采希さいき。どうして俺とお前がみんなと別の部屋になったんだ? うちの五人で同じ部屋でいいんじゃないか?」


 さっきから何度も同じ事を繰り返す琉斗りゅうとに、采希はうんざりしていた。

 風呂上りで上気した頬をコーヒーの缶で冷ましながら、采希がため息まじりに同じ説明を繰り返す。


「だからさ、陽那ひなを除いて七人なんだから四人と三人でいいだろ。お前が嫌なら、俺一人でれいさんたちの部屋に――」

「嫌だとは言っていない。別に采希が黎さんと同じ部屋でなくてもいいだろうと――」

「五人の中で誰が黎さんと一番親しいかって言ったら、俺じゃん。色々、相談もしたいしな。那岐なぎにはちょっと榛冴はるひと作業を頼んでるし」

「四人部屋に五人寝てもいいと思うが」

「いやだ。狭い」

「……」


 大浴場からの帰り道、前を歩く凱斗かいとと那岐と榛冴の背中がわらわらと旅館の一室に吸い込まれて行く。

 その部屋の前を通り過ぎ、采希と琉斗は隣の部屋のドアを開けた。



「琉斗、ちょっと、いいか?」


 采希と黎が何やら描きながら話し込んでいるのをぼんやりと眺めていた琉斗に、シュウの声が掛かる。


「構わないが――何か?」


 ちょっと冷たい声になり、琉斗は密かに慌ててしまった。

 憧れた人が眼の前にいる。それだけで声が上擦ってしまいそうだった。


「そう警戒してくれるな。――まずは謝っておこうと思ってな。完全に黎だと思い込んで、采希に抱き着いてしまったんだ。黎にもこっぴどく怒られてしまった。……すまなかった」


 勢いよく最敬礼されてしまった琉斗は、慌てて立ち上がる。


「シュウさん、いや……そんなに謝ることは……」

「俺でも初対面の男にそんな事をされたら不愉快だと思うからな、本当に申し訳ない」

「……采希も驚いただけだと言っていますし、俺も少し大人げない態度で申し訳ない、です」


 一回り以上年上だったことを今さらながら琉斗は思い出した。

 琉斗の中ではまだ20代のギタリストのイメージが固定されている。

 ちょっと視線を逸らした琉斗に、シュウが破顔する。


「良かった。お前とは気が合いそうなのに、嫌われたままでは残念だと思ったんだ」

「嫌うなどと、そんな事はないです! むしろ俺は……緊張してしまう位には嬉しいです」

「緊張? そんな必要はないぞ。聞きたかったのはな、琉斗、お前の能力は、何だ?」

「さっきうちの榛冴が説明した通り、です。俺にもよく分からないですので……。むしろ俺――自分が知りたいです」


 敬語とは、どのように使うものだったか、と思案しながら琉斗が俯くと、シュウが笑い含みに言った。


「琉斗、無理しなくていいぞ。俺に気遣う必要はない。そもそも俺が敬語をうまく扱えないからな」

「……いい大人が、それはどうかと思うぞ」

「お前もな」


 人懐っこい笑顔が返ってくる。

 嬉しくて、落ち着かない。眼の前に本当にあのギターを奏でていた自分にとっての憧れの人アイドルがいる。

 幼い自分に父が聞かせてくれた。その時から彼は自分と亡き父の憧れだった。

 自分に笑顔が向けられているのが嘘のようだった。いつかこの人の演奏を見る機会があればいいのに、と口元が緩む琉斗に、シュウが身を乗り出した。


「采希の危機に反応して発動するとか言っていたが、具体的にはどんな力が出現したんだ?」


 我に返った琉斗は思わず天井を仰ぐ。夢中だったから、ほとんど覚えていない。


「那岐によるとだな、どうやら空間を転移したらしい。テレポート、とか言うらしいな。那岐は『跳んだ』と言っていたが」

「テレポート? 凄いな。他にも何か出来るのか?」

「……うーん、普段は采希の力を借りないと扱えない紅蓮を使えた事くらいだろうか」


 自分で言っていて、琉斗は次第に声が小さくなる。

 那岐にはなどと言われたものの、実際には大したことは出来ていない。

 自分の能力はこの程度なのか、と落胆したのも事実だった。


「お前たちはそれぞれに守護もいると聞いているぞ。采希はタイガーとドラゴン、凱斗は一角獣ユニコーン、榛冴は飯綱いづな、那岐はフェニックスだろ? 琉斗にはどんな守護がいるんだ?」


 シュウの言葉は何かが違っているのに、何故か琉斗には妙にしっくりときた。その理由が何なのか分からないまま、琉斗は少し笑ってみせた。


「シュウさん、朱雀とフェニックスは違うらしいぞ。那岐の朱雀は本来は別の女の子の守護なんだが、今は時々那岐に力を貸してくれている。凱斗についても麒麟と一角獣は別物だ。……ちなみに、俺には守護はいないんだ」


 改めて口に出してみると、琉斗は何となく沈んだ気分になった。

 那岐にも守護はいないが、朱雀は那岐の力が馴染むようで積極的に協力してくれている。

 それに対して琉斗は白狼に護ってもらっているとはいえ、白狼に気を供給することすら出来ない。


「いない? 守護を持たないのか?」

「うん、そうだな。今はあきらの守護霊獣のロキが俺と仮契約している。俺はロキに気脈を繋げられないからな、あくまでも臨時の守護者だ」

「…………仮契約? そんな事が出来るのか? ああ、でもあきらの守護霊獣は、ロキではないぞ」

「――は?!」

「俺もお目にかかった事はないが、黎から聞いた話では鳳凰だとか……」


(ロキがあきらの守護霊獣ではない? ……そう言えば、ロキは自ら守護を申し出た、とか言っていなかったか? 仮契約だと俺は勝手に思っているが、実際、そういう形態の契約はあるのだろうか? 俺がロキに気脈を繋げることが出来るようになれば、本当の守護者になってくれる希望もあるかもしれない。あきらに別の守護霊獣がついているのであれば、ロキを俺に譲ってはくれないだろうか……いや、譲るとか、ロキに対して失礼か?)


「琉斗? 聞こえているか?」


 悶々と考えていた琉斗はシュウの声にはっと顔を上げる。


「大丈夫だ、シュウさん。何でもない」

「他には? どんな能力なんだ?」

「そうだな……どうやら人の悪意の念を受け付けなかったらしいんだが……あとは、ロキと同化できた――のか? まあ、そんなところだと思う」


 軽やかな口笛がシュウから奏でられる。


「ロキと同化とは羨ましいな。俺も会った事があるが、ロキは最高にクールだ。狼にメタモルフォーズできるとはな。俺にもそんな力が欲しかったと思うぞ」

「……メタモルフォーゼ、ではないのか?」

「琉斗、それはドイツ語だ」


 妙に気取った表情で諭され、何となく琉斗はむっとする。


「俺は仕事柄、よくドイツ語を使うからな」

「偉そうに言うんじゃねぇ。てめぇも俺に指摘されたんだろうが」


 いつの間にか琉斗の後ろに黎が立っていた。凄みのある顔でシュウを見降ろしている。

 眉の寄せ方やその表情の作り方が、采希によく似ていると思った。


「話は終わったのか、采希?」

「ああ。明日はお前にも頑張ってもらわないといけないらしい。だからちょっと無理にでも覚醒状態になってもらう」

「無理に? そんな事が出来るのか?」

「あきらの後ろにいる人に、黎さんが頼んでくれるそうだ」

「後ろの人?」

「名前は訊くなよ。お前はらしいからな」


 黎に睨まれながらも采希たちの会話に眼を輝かせていたシュウが琉斗の肩に両手を乗せる。


「琉斗の力を覚醒させるって、そんな事が出来るのか? だったら黎、俺にもそんな事が出来たりするのか?」

「何言ってんだ、てめぇは! いいから黙ってろ!」


 眼を輝かせるシュウの頭に、黎の拳が振り下ろされた。こんな空気が読めない発言では殴られても仕方ないと琉斗は思った。


(シュウさんも、大人なんだからもう少し発言の内容を考えたらどうかと思うんだがな……)


 琉斗がちょっと気の毒に思いつつも半ば呆れてシュウを見つめていると、急に采希が吹き出した。


「采希?」

「あ、いや、黎さんが言ってた通りだなって。琉斗と似てる気がする。シュウさんの方が人当たりがよくて明るそうですけど」

「……え?」

「だろ? 周りが見えていないと言うか、気配りが出来ていないと言うか……」

「そうそう、自分の世界に入り込むんですよね」

「だよな~」


 黎と采希が楽しそうに笑っている。

 シュウと共に自分の事もバカにされているのだとは気付いたが、琉斗はちょっと考え込んでしまう。目尻に涙を滲ませて笑う采希の袖をちょっと引いてみた。


「――なに、琉斗?」

「あ~……俺とシュウさんはそんなに似てはいないと思うんだが」

「うん、似ていないな。シュウさんは人好きのする笑顔だけど、お前の笑顔はたまに獰猛な気配がある」

「まあ、こいつらじゃ自覚ないだろうけどな」


 なおも二人で肩を震わせている。

 琉斗としては、そこまで似ているとは思えなかった。第一、自分はシュウと違ってきちんと周りの人間に合わせるように心掛けていると思っていた。

 兄弟たちと時折、話が噛み合わないことには気付いていなかった。

 ふと琉斗がシュウを見ると、真顔で二人を見つめている。


「なあ、黎、それは俺と琉斗の事を言っているのか? しかしだな、お前たちの方が驚くほど似ているぞ」


 シュウが不思議そうに発した言葉に、采希と黎はぴたりと笑いを止めた。二人同時にゆっくりとシュウを見つめる。


「「…………はぁ?」」

「お前たちこそ無自覚なんじゃないか? あきらも『そっくりだ』と言っていただろう? 何せ、この俺が気配を見誤ったほどだからな」


 悪戯を思い付いたような顔でシュウがウインクする。

 もの凄く嫌そうな顔をした黎と、どう反応していいのか困惑顔の采希が同時に大きく息を吐いた。


「…………寝るか」

「……そっすね」


 もそもそと布団の方に這って行き、采希も黎も布団に潜りこんでしまった。


「……え? 黎、明日の作戦は? 俺には教えてくれないのか?」


 焦ったようにシュウが黎の身体を揺さぶるが、布団から伸ばされた右手が顔面にクリーンヒットする。

 同じように采希を問い質そうとしていた琉斗は、思わず采希に向かって伸ばしかけた腕を背中に隠した。



 * * * * * *



 目の前に佇む洋館を眺め、凱斗は面白そうに片方の口角を上げた。


「ほおお、これが本物のお化け屋敷か。琉斗のヤツ、昨夜は寝れたんかね」


 相変わらず怖がりな双子の弟を思って、凱斗は苦笑いした。

 おそらく采希あたりが気を失わせてでも眠らせたんだろうと思う。


(だから琉斗と同じ部屋にしたんだろうしな)


 采希の気遣いに感謝しつつ屋敷の正面から玄関をくぐろうとすると、弟に呼び止められた。


「凱斗兄さん、僕らはこっち。屋敷の裏手に回るよ」

「裏手ぇ? なんで? こんな場合、メインの大物は屋敷の中心にいんじゃねぇの?」


 素直に思った事を口にすると、榛冴がちょっと冷めた目で凱斗を見返した。


「采希兄さんの話、聞いてた? このお屋敷の重大な怪異は南棟に集中しているけど、邪霊のほとんどは屋敷の中心から西棟にかけて潜んでいる。他の棟の現象はその影響だって――ほんっと、興味のない事には聞く気すらおきないんだね」


 そんな話だったかな、と思いながら凱斗は榛冴から目を逸らして後頭部を掻く。

 何となく、采希が自信なさげに考え込んでいたのが気に掛かっていた。

 その悩みの一端は自分と琉斗だろうと分かっていた。

 力の不安定な凱斗と、力の発現条件がはっきりしない琉斗。明らかに作戦の枷になっているのだろうと思った。

 その事を考えている間に、采希の説明を聞き逃してしまったようだ。


「あの子……どうやら憑依体質みたいだね」

「んあぁ?」


 自分の考えに入り込んでいた凱斗に、榛冴が話しかけて来た。


「あの子?」

「あのビスクドールの中の子。西洋人みたいだけど、親たちの交霊術の憑坐よりましにされてたんじゃないかって」

「よりまし……」

「うん。日本だと、祈祷師とかがさ、託宣を受けるために神霊なんかを呼び出して乗り移らせる器にされる人、かな? 純粋無垢な子供に――ましてや降りて来たのが本当に神様や、望む人物とは限らないのに」

「……そうなのか? なんか、おかしなのが降りて来る事とか、あったりすんの?」


 家族の中でも唯一、神降ろし体質の榛冴が憂鬱そうに俯く。


「そりゃあね。僕は幸いにも神様に降りて頂いたけどさ、采希兄さんや那岐兄さんは特別なんだと思うよ。術師の力量によってはその辺の動物霊とかを呼び込んじゃったりとか、多いみたいだね」


(特別、か)


 本人はそんな力を望んでいない事を凱斗は知っている。

 周りの人間を護るために、采希はその身体と精神を削っている気がしていた。


『そっちは二人に任せるよ』


 そう言ってふんわりと笑った采希の顔を思い出す。母である朱莉あかりによく似たその笑顔は、母親よりも柔らかい笑みだった。


(あんな顔でそんな風に言われたら、失敗できねぇな)


 凱斗は苦笑する。幼い頃からどうもあの従兄弟には敵わない、と思っていた。

 キレると本気で怖いが、普段穏やかに窘められると素直に従ってしまう。

 苦手という事ではなく、采希の言葉はいつも何故か凱斗には、すとんと腑に落ちた。


「その憑依体質のお嬢さん、降霊なんかされても平気なもんなのか? 子供だと特に、精神的にまずそうな気がするけど」

「マズいだろうね。しかも陽那さんによると、降霊後にきちんと霊を帰していないんじゃないかって。そう瀧夜叉姫が言っていたらしいよ」

「は? それってどう言う事?」


 凱斗の頬や口の端が引き攣れたように歪む。嫌な予感がした。


「まだこのお屋敷に留まって――」

「いや、いい! もういい! 分かった!」


 慌てて榛冴を制する。

 きちんと言葉にしてしまうと足元から恐怖が立ち上ってくるような気がした。凱斗もそれほどオカルト系が得意ではない。


「とにかく、俺たちが口火を切るんだろ? さっさと片付けよう! んで、早くみんなと合流しようぜ!」


 捲し立てる凱斗を横目で一瞥し、榛冴がぼそりと呟いた。


「それは――凱斗兄さん次第。さっさと炎駒を呼びだしてね」


 息を吸い込むと、凱斗の喉がひゅっと音を立てた。



 * * * * * *



「ハル、大丈夫っすかね?」


 那岐が呟くと、出番が待ちきれないように腕を回す琉斗が応えた。


「榛冴なら心配ないだろう。問題は凱斗だ」


 那岐は西棟の大きな鏡のある子供部屋から、南の方を見つめる。


 確かに榛冴には神様たちの後ろ盾がある。最悪、榛冴には無理でも神様たちが発動して下さるはずだった。

 さっき榛冴を送り出す時、采希が榛冴の白狐・綱丸に荼吉尼天ダキニてんの気を纏わせていた。


 それでも榛冴の今回の相手は山の神様だ。

 自らが護る地を穢され、怒りに満ちてこの屋敷に邪霊を囲い込んでいる山神を説得しなくてはならない。

 黎と采希の依頼に頷く榛冴の唇は、小刻みに震えていた。


 琉斗の言うように凱斗も問題だった。凱斗の炎駒は凱斗自身にしか呼び出せない。

 凱斗の中の強大な力を使うには、他の誰かが呼び出したのでは効果がない事が分かっていた。


(黎さんに手伝ってもらって呼び出しても、完全じゃなかったしな……)


 だが、その黎は采希と共に配置されていた。

 サトリの力しか持たないシュウは霊に対して無力だ。

 そのためシュウを護りながら闘うには、絶対的な守護の力を持つ白虎やガイアを従える采希の傍が好都合だった。


《心配はなかろう。いざという時には凱斗も奮起するのではないか? 儂にはそう見えたが》


 那岐の頭上から武将の声が降って来る。


「そうだね、凱斗兄さんはきちんと責任を果たそうとすると思うよ。だけど、気合いだけでどうにかなるものでもないから……」


 俯き気味に答えると、琉斗がぽんぽんと肩を叩いた。


「あいつは集中が続かないからな。その辺りの扱いも、榛冴ならうまくやれるんじゃないか?」


 琉斗の言葉に、那岐はゆっくりと頷く。

 自分の従兄弟たちを信じよう、と思った。何より、采希が大丈夫だと思ったからこその人選だろうから。


《貴様らこそ、大丈夫であろうの? あの廓の女どもの念は凄まじい。あの巫女ですら対処するのを憚られたほどだ》


 昨日、采希でさえも油断して抑え込まれたと言う事は聞いていた。三郎や瀧夜叉姫も咄嗟の念の攻撃に動けなくなったらしい。

 今の那岐は念攻撃に対処する心構えが出来ている。

 それでも榛冴ですら『何体いるのか分からない』と言っていた数の念を相手に出来るのか、那岐は不安に思っていた。


「そのための、琉斗兄さんの配置だと思うんだけど。ただ……琉斗兄さんがヒトの念を受けないのは、覚醒状態に限定されるんじゃないか、って僕は思ってて……」


 不安気な那岐の言葉に、琉斗の眉がちょっと寄せられる。


「…………そう、なのか?」

「いや、わかんないっす。でも――これまで琉斗兄さん、結構憑依されてるから不安になっただけ。何より琉斗兄さんの能力がよく分かっていないからね」


 那岐にはそれが一番不安だった。

 琉斗が憑依体質でなくなった訳ではない。

 それなのにあのニット帽の念攻撃は効かなかった。


(何か条件とか、線引きがあるのかも……検証する時間が欲しかったな)


 采希や巫女まで手出し出来なかったほどの念たちを相手に、琉斗が無敵状態でいる保障はない。

 もしも憑依された場合、自分では手に余るだろうと那岐は思った。闘気を纏った紅蓮を手にした琉斗に勝てる気はしなかった。


《いざとなれば采希も文字通り【跳んで】くるであろう。ひとつひとつの念は大したことは無い。だが――》


 那岐が憂い顔の三郎の後に続ける。


「集団で来られたら」

《……その圧は尋常ではないな》


 なるほど。

 だから、凱斗と榛冴が一緒なのか、と理解した。


 地中に潜む郭の女たちの念は、凱斗と榛冴によって那岐たちの待つ部屋へと誘導される。

 神霊の力を帯びた二人によって、その念を弱めるのが目的だった。


 もう一度、作戦の全体像を確認しようと那岐が眼を閉じると、黎の声が頭に響いて来た。


『全員、配置に付いたか? そろそろ始めようか』

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