36. 有意義な一日
どうも、ゴブリンです!
あ、違う違う。
今のは「俺がゴブリンだ!」という意味ではなく、「目の前にゴブリンがいる!」という意味だから。
「ギャギャギャ!」
甲高く耳障りな声が、樹々の中に木霊する。
イギリス人も真っ青な鷲鼻。
ハ◯クみたいな緑色の肌。
俺の鳩尾辺りまでしかない身長。
人間の子供のようなほっそりした肢体。
そのくせ、腹だけはぽっこりと膨らんでいる。
ファンタジーのド定番、みんな大好きゴブリンさんです。
俺は今、そんなゴブリンさんたちに囲まれています。
数は29。結構な大所帯だ。
実をいうと、ゴブリンに関しては何気に初遭遇だったりする。
高確率で出遭うイメージがあるゴブリンだが、ピエラ村の周辺ではあまり見かけたことがなかった。
もしかしたら、これまでは冬篭りをしていたのかも知れない。それで最近暖かくなったから、こうして出てきたのだろう。
俺を囲んでいるゴブリンたちは全員、武装していた。
とはいっても、鋼の剣や鉄の鎧を装備しているわけではない。
手に持っている武器は、木の枝を削って作った槍らしきものと、引っ張った蔦を弦にして作った弓らしきものと、鋭い形に割った石を先端に括りつけた槍や斧らしきものくらいだ。
服も、葉っぱと木の皮を蔦紐で縫い合わせたもので、オスは腰ミノを、メスはトーガらしきものを着ているだけ。
原始人並の技術と知識は持っているらしいけど、それだけだ。
そんなゴブリンたちは、黄ばんだ歯をむき出しにして俺を取り囲んでいる。
今にも一斉に襲い掛かってきそうな雰囲気である。
魔物に囲まれるなどというのは、これまで一度たりともなかったことだ。
俺は、狩りに出掛ける時は常に警戒と索敵を怠らないようにしている。
常に相手を先に発見し、常に先手で攻撃を仕掛ける。
だから、魔物に包囲されるなど、起こり得るはずがないのだ。
それが、今回はまんまと囲まれてしまっている。
師匠に知られたらお仕置き確定の、初歩的すぎるミスである。
ただ、俺は声を大にして言いたい。
──今日は……今日だけは、止むに止まれぬ事情というものがあったのです、と。
何故なら、なんと私……ついに
新大陸を発見したコロンブスも、きっとこんな気持だったのだろう。
ニヤケ顔とドヤ顔が止まらないぜ!
俺がこれまでに発見した香辛料は、それほど多くはない。
具体的にはクミンもどきとコリアンダーもどき、バジルもどき、そして本物のペパーミント。これだけである。
ハーブ類を見つけられたのは、素直に嬉しい。
だけど、残念ながら、これらはどれも日本人の俺にとって毎日のお料理に欠かせない類の調味料ではない。というか、寧ろ滅多に使わない部類に入る。
俺に欠かせない調味料。
それは、日本人の心ともいえる「さしすせそ」。
つまり、砂糖、塩、酢、醤油、味噌だ。
しかし、これらを得るには圧搾や発酵・醸造、更には分離・濃縮などができる専門的な設備が必要だ。個人の手で作ろうと思えば、かなりの費用と労力が掛かってしまう。
何より、最も重要である「職人としての長年の経験」が俺にはなかった。
師匠の趣味の影響で酒ならば魔法でそれなりのものを造ることができる俺だが、醤油や味噌などの発酵食品造りは一度もやったことがなかった。
知識としては知っているものの、実践経験は皆無なのだ。
発酵食品造りは、果てしなく奥が深い。
美味しい醤油や味噌は、聞きかじった程度の素人が造れるものではないのだ。
ワタクシ、味の追求には一切手を抜かない男なのです!
……と、そんな風に格好付けてはみたけど、実際は一度試しに作って大失敗して、そのまま心が折れただけなんだけどね。
麹を使わずに魔法だけで発酵を試みたんだけど、出来上がったのはとても残念な「醤油もどき」だった。
なんと言えばいいのか、コクと旨味を全部抜いた醤油の水割りというか、「安物の醤油風調味料」を料理酒で薄めて一晩置いたものというか、とにかくコレジャナイ感が半端ない代物だった。
風味が希薄だったから濃縮もしてみたが、コレジャナイ感はそのままにただ塩味を足しただけの味になった。
まぁ、大失敗だよね……。
時間と材料が十分あれば研究してみてもいいかもしれないけど、とりあえず、俺の心はポッキリと折れたよ……。
いくら知識が豊富でも、いくら魔法が得意でも、所詮、素人は素人だ。
本気でその道を究めた蔵元の方々には逆立ちしても敵わない、と痛感されられた次第です。
職人さんはマジで偉大だよね。
無いものはねだってもしょうがないので、「さしすせそ」は一旦諦めるしかない。
ただ、「これだけはどうしても諦めらきれない!」というものがある。
それがコショウだ。
コショウは、国籍を問わず多く使われている調味料だ。
その汎用性と使用頻度の高さは塩に引けを取らず、調味料の王様と言って差し支えないだろう。
コショウがあれば、大体の食材は美味しくなる。
特にお肉は三倍美味しくなる!
かつての地球では同重量の黄金と交換していたほど貴重だったコショウだが、この世界でもやはりそれなりに高価だった。
村長のベン曰く「20粒で木製鍬一本と交換できる」そうだ。
食べればすぐに消えてしまう調味料20粒が、数年に渡って農作業を支えてくれる農具と同価値だというのだから、町や都市に行ったことがなくて物の相場をあまり知らない俺でもその高価の程が分かるというもの。
もしかしたら都市部にいけば価格はある程度低くなるのかもしれないが、大差は期待できないだろう。
なんにせよ、農民には手が出せない代物であるのは確かだ。
調味料の中では一番使い道が多いのに、ずっと手に入らなかった。
一株でも見つかれば黒胡椒も白胡椒も作れるのに、ずっと見つからなかった。
何処かにしれっと自生していそうなのに、ずっと発見できずにいた。
そんなコショウを、俺はついに発見したのだ!
正確には、コショウの蔓が大量に這った樹を偶然にも裏山で発見したのだが、そんなディテールはどうでもいい。
心から欲していたコショウを見つけられたことが、何よりも大事だ。
その時の俺の感動と興奮といったら、遠くで感じていたゴブリンたちの気配すら完全に頭から消し飛んでしまう程だった。
感動が収まった俺は、コショウの樹の周りをおやつを発見した犬のようにグルグルと歩き回りながら「さてどうやって丸ごと持ち帰ろうか」と考えた。
そうしたら、存在を忘れていたゴブリンたちによってあっさり囲まれてしまい、今に至る。
ね?
仕方ないでしょ?
誰だってこうなるでしょ?
俺、悪くないでしょ?
だって、もう3ヶ月近くまともな調味料がない生活を送ってるんだよ?
そんな折に、コショウという現代人にとって必要不可欠な調味料が自生しているのを発見しちゃったんだよ?
ちょっとくらい気が逸れたとしても仕方ないでしょ?
だって、にんげんだもの
きゅうたろを
そうやって俺が現実逃避気味に詩人風な自己弁護をしていると──
「ゲギャ!」
正面にいた一匹のゴブリンが、唐突に矢を放ってきた。
いや、矢というよりは先端に尖った石がくっ付いただけの木の棒、といった方が正確か。
当たれば刺さるだろうが、目や頚動脈にでも直撃しない限り致命傷にはなりえないだろう。
速度もかなり遅いので、殺傷能力はかなり低い。
スッと横に体をずらして矢を避ける。
すると、飛んできた矢は俺のそばを通り抜け、
「ギャッ!」
俺の後ろを囲んでいた一匹のゴブリンの肩に刺さった。
完全に
味方の矢を食らってしまったゴブリンは、悲鳴を上げながらもんどり打って倒れた。
あーあ、グルッと囲んでいる状態で飛び道具なんか使うから〜。
そんなことを思っていると、憎悪のこもった視線が四方から俺に集まった。
……いや、俺悪くなくね?
「ギャギャ! ギャギャギャ!」
群れの後方に立つ一匹のゴブリンが叫ぶ。
多分「野郎ども、やっちまえ!」的な意味だったのだろう。
それに呼応するように、ゴブリンたちが一斉に動き出した。
勿論、俺もやられるつもりなど毛頭無いので、正面から迎え撃つ。
っていうか、今はゴブリンなんかにかまっている場合じゃない。
コショウが俺を待っているのだ!! ( ✧Д✧) カッ!
ゴブリンが動き出した瞬間、素早く魔法を発動する。
「《
発動者を中心とした小範囲に、面状に圧縮した衝撃波を発生させ、周囲を環状に切断する範囲攻撃魔法だ。
簡単にいうと、刃が付いたフラフープが広がっていって周囲を輪切りにする感じの3次元魔法である。
あんな適当に投げた鉛筆みたいな矢で怪我するくらい弱いのだ。性能テストなどする必要はないだろう。
侮るつもりなどないけど、
ゲームの中盤に差し掛かっていい感じにキャラのレベルが上っているところで「スライム Lv.1」にエンカウントしたような感覚だよ。
もうとっとと始末しちゃおう。
バンッ! という破裂音と共に、円環状の衝撃波が音速の4倍のスピードで環状に広がる。断熱膨張によって水蒸気が瞬間的に凝結し、白い輪っかを作った。
俺の腰の辺り──ゴブリンたちの首の高さ──で発生させた衝撃波は、俺を囲んでいたゴブリンの首を瞬時に切り飛ばした。
泣き別れた首と胴体は衝撃波によって後方へと吹き飛び、上がった血飛沫はスプレーのように大地を赤黒く彩る。
俺を中心とした地面に、巨大な赤花が一輪咲いた。
「ギャ、ギャギャァ〜〜ッ」
一匹だけ生き残ったゴブリンが、恐怖の泣き声をあげる。
痛みで地面を転げていたおかげで《
悪いけど、逃がすつもりはないよ。
素早く《
鉄臭さの混じった生臭い匂いが辺り一面に立ち込め、思わず眉根を寄せる。
何度嗅いでも好きになれない臭いだ。
なにはともあれ、これにて一掃完了。
想像どおり、あっけない戦いだった。
それにしても……。
俺は転がったゴブリンに目を向ける。
……これ、食えるんかな?
魔物の肉は、食生活が貧困な農村では貴重な蛋白源であり、口にできる数少ない美味でもある。
多くの魔物が食用に適している上に、種類によってはかなり美味しい。
そのことを知った俺は、狩った魔物はできるだけ持ち帰って食べるようにしている。
もちろん味には当たり外れがあるが、それもまた一興。新発売のお菓子を試すような感覚で、結構ワクワクするよね。
ただ、そんな俺でも、流石に
というか、抵抗感がかなり強い。
なにせ、肌が緑色という些細な違いはあるが、その他──肌の質感や四肢の形状など──の外見は人間の子供と殆ど大差がないのだ。
「人間じゃない」と割り切るには、ゴブリンは人間に似すぎていた。
師匠に連れ回され、世界各地で様々なご当地ゲテモノを口にしてきた俺だが、流石にカニバリズムだけは経験がない。っていうか、全力で遠慮したい。
ブリーフ君(仮)改めグラトニーエイプは、外見がモロにチンパンジーだったからまだ良かったけど、ガッツリ人間の外見であるゴブリンはどうしても抵抗感を覚える。
正直、グラトニーエイプがギリギリのラインかな。
ゴブリンはギリアウト。
食欲がぜんぜん湧かない。
これはあれだな。
脚一本だけ持ち帰って、ジャーキーのおやつにしよう。
体格が一番いいゴブリン──さっきのリーダーらしき個体──の血を抜いて、足を一本切り落とし、葉っぱに包んでナップサックに入れる。
……うぅむ。
なんだかとても反社会的な行為をしている気分だ……。
ええい、悩むな、俺!
相手は魔物であって、人間じゃないんだ。
どれだけ形が似ていても、これは魔物の足なんだ。
だから、たとえ傍からは解体した子供の死体を運んでいるようにしか見えなくても、決して後ろ暗い感情など持つ必要はない。
堂々と、胸を張って村に帰るべきだ!
「……これは人間じゃない……人間じゃくてゴブリンだ……ジャーキーのおやつなんだ……」
沸々と湧き上がる的外れな背徳感をかき消すようにそう呟きながら、俺は家への家路に着いたのだった。
ちなみに、見つけたコショウに関しては、オルガと一緒に運搬方法と栽培方法を検討した上で改めて来ることにした。
勿論、コショウの蔓がみっちりと這った樹には幾重もの防御魔法を張ってある。多分、師匠の攻撃にも余裕で耐えられるかもしれない。
こればっかりは、何が何でも失うわけには行かない!(キリッ!)
◆
家に帰ると、ジャーキーがすでにパトロールから帰ってきていた。
「お疲れー。ほらジャーキー、おやつ持ってきたぞー」
「ワウッ!」
鞄からゴブリンの足を取り出す。
……なんでだろう、ジャーキーにおやつをあげているだけなのに、人の目がないか物凄く気になるのは……。
俺の手にある緑色の足を目にしたジャーキーは、上機嫌な声を上げて尻尾をブンブンと振りだした。ポタポタと垂れた涎が地面をヌルっと濡らしている。
そんなジャーキーの反応に呼応するように、俺の中で先の疑問が再燃した。
もしかして、これ……美味いんとちゃうか?
頭の中で天使と悪魔ならぬ「理性」と「食欲」が勝手にせめぎ合いを始める。
【食】「やっぱこれ、美味いんかな……」
【理】「いやいや、そんなはずないだろ。見た目は完全に絵の具で緑色に塗った子供の脚だぞ。どこぞのシリアルキラーな精神科医じゃないんだから。、これを食べるのは流石に何かの一線を越える気がする」
【食】「でも、オークだって人間みたいな外見なのに、この世界の人間は普通に食うってオルガが言ってたぞ? それも、かなり美味いらしい」
【理】「いやいや、確かにオークは二足歩行していたけど、あれは人間というよりは豚だから。7割くらい豚だから。九割ぐらい人間のゴブリンには当てはまらないから」
【食】「脳や脊髄などの神経組織さえ食べなければ大丈夫じゃないか?」
【理】「いやいや、そういうプリオン的な問題じゃないから。誰も安全な食人方法なんて求めてないから」
【食】「ジャーキーがあんなに嬉しそうにはしゃいでいるんだ。味はいいかも知れない」
【理】「いやいや、ジャーキーはあのクソ不味いコボルトの肉でさえ美味そうに食ってたんだぞ。奴の味覚と好みを信用するのは危険だ」
【食】「でも、もし美味かったら?」
【理】「いやいや、それは……分からん……」
【食】「なら……」
【理】「いやいや……」
ゴブリンを食うことは、はたして生物学的にセーフなのだろうか、それともモラル的にアウトなのだろうか。
両者のバトルは数分ほど続いた。
その間、ジャーキーはずっと尻尾をブンブンと振りながら俺の許可を待っていた。垂れた涎が小さな水溜りを作っている。
これ以上お預けを食らわせるのは忍びないな。
そうこうしているうちに、俺の中の
【食】「じゃあ、こうしよう。一口だけ味見して、美味しければ食べる、不味ければ食べない。これでどうだ?」
【理】「それ以外に解決方法はないな。いいだろう、それで行こう」
最終的に、俺の中の
……弱ぇな、俺の理性。
結局、ゴブリンの太ももからサイコロ大の肉を一切れだけ切り取って、あとは全部ジャーキーに放り投げた。
もりもりと食べるジャーキーの姿につられて、思わず口内で唾液が大量に分泌される。
……これはもしかすると、もしかするかもしれない。
早速台所へ行き、肉の下処理を開始する。
とはいっても、一口サイズしかないので筋切りも叩きも必要ないが。
肉を丹念に洗い、綺麗に水気を拭き、まな板に置く。
素材本来の味を楽しみたいのであれば、シンプルな塩味こそがベスト。
というわけで、サイコロ肉に塩をまぶす。頭よりも高い位置から振りかけたのは肉に均等且つ満遍なく塩をまぶすためであって、決して某イケメン俳優を真似たわけではない。
続いて、油をフライパンに入れ、魔法でかまどに火を入れる。
この油は「オイルリーブ」という樹の実から取れるもので、この世界では庶民の食用油として広く知られている。味と質感と性質は元の世界のエキストラヴァージンオリーブオイルと殆ど同じだ。
油が十分に温まったら、ゴブリンのもも肉を投入。丹念に焼いていく。
辺りに「ジュー」という焼ける音が響くが、不思議と肉の焼ける匂いはしない。
片面を長めに焼き、ひっくり返してもう片面を軽く焼く。
中まで十分に火が通ったら肉を引き上げる。
これで完成。
名付けて「ゴブリンのサイコロステーキ ~Nine'sキッチン風~」だ。
早速一口しかないゴブリンのステーキを口の中に放り込む。
もぐもぐ。
──おおっ、これはっ!?
生のカメムシを噛み潰したかのような独特の風味。
煮込みが足りない牛テールのような噛み切れない食感。
ほのかに広がる臭みのある酸味に、ほうれん草の灰汁を思わせる渋みとエグみが加わって、なんとも言えない味覚の世界が口の中いっぱいに広がっていく。
食した者を無理やり輪廻の輪へと誘う、この味は──
……ゲロ不味っ!!
ちょっ、何これ!?
信じられない不味さだよ!?
なんでこんなに不味いの!?
コボルトを超える不味さなんだけど!?
行き場のない怒りと帰るべき場所を失った味覚に一人悶絶していると、オルガと双子が帰ってきた。
真夏のアスファルトに焼かれるミミズみたいにのたうち回る俺を、オルガが冷たい目で見下ろしてくる。
「……何をしているのですか、ナイン? 何か変なものでも食べましたか?」
相変わらずお鋭いことで……。
「な、なんでも、ない。た、ただ、できれば、み、水を……」
溜息を吐きながらも、オルガは水を注いでくれた。
俺は口の中に残る三途の味を急いで漱ぎ落す。
「どうしたの、おにいちゃん?」
ミューナの心配そうな声に、少しだけ落ち着きを取り戻す。
「じ、実はちょっと試しにゴブリンのもも肉を食べてみたんだ……」
「「「えっ!?」」」
三人が一斉に目を見開く。
「……ゴブリンの肉を食べたのですか?」
真性の馬鹿を発見したような驚きの眼差しを向けてくるオルガ。
「ゴブリンの肉は味が酷く、とても食べられたものではありません。コボルトの肉と同じ……いえ、それ以上の不味さです。マッドラットのように病気や毒があるわけではありませんが、食糧難でもない限り、食べる人はいません」
「知らなかったよ、そんなこと……」
「常識です」
「そうだぜ、にいちゃん。じょーしきだぜ?」
「そうだよ、おにいちゃん。じょーしきだよ?」
オルガだけでなく、ミュートとミューナも追い討ちをかけてくる。
誰か俺に優しくしてくれる人はいないんですか……?
「これから何かを食べる時は、口に入れる前にまず私に相談してください。ミュートとミューナでも構いませんので」
「おう、任しとけ、にいちゃん!」
「うん、任せて、おにいちゃん!」
「はい……」
これからはそうします。
──ゴブリンの肉はとても不味い。
大変重要なことを学んだ、有意義な一日でした。
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